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本がある場所に時間の流れは存在しない、気がする。

雨の朝。最近は雨の日か、強風の日にしかnoteを書いてない。珈琲のお供にセブンイレブンのフレンチトースト。初めて食べた。おいしい。3月は初めてのことがうようよあった一ヶ月。古本の良さに気づいたり、焼売を作ったり、ラーメン屋で食券と背脂にドキドキしたり、古着屋巡りをしたり、zineフェスに行ったり。鈍っていた頭がすこし柔らかくなった、と思いたい。

「好きな芸能人います?」
「う…ドウェイン・ジョンソンとかかな」
キリアン・マーフィーとベネディクト・カンバーバッチが
普段の推しなのに、なぜドウェイン・ジョンソン。
at ZINEフェス吉祥寺
この付箋は家宝にしたい。

待ち合わせの時間より少し早めに到着した時とか、お目当てのお店がまだ空いてなくて時間をつぶしたい時とかに、本屋さんに吸い込まれるように寄ってしまうのは多分、私だけじゃないはずで。というか、なんならね、本屋さんに寄りたいがために、一本早めの電車に乗っちゃったり。5分前行動じゃなくて、もはや30分前行動。外出の目的がうやむやになってくる。

本屋さんに足を踏み入れた瞬間、時間という概念は私の中から溶けるように消えてしまう。5分のつもりが10分に、20分のつもりが30分に。時間がゆっくり進んでいるのか、飛ぶように過ぎ去っているのか、本棚の間にいる私には分からない。時間も一緒にいる人のことも忘れてしまうから、1人で本屋さんに行くのが好きなのかも。いや、でも、本の話をしながら本屋さんをぐるぐるするのも好きなんだよな。むずかしい。

だから、駅ナカや、駅ビルの本屋さんについつい長居しがち。お、新作だ、とか、うわ何このタイトル面白そう、文庫化出たのね、あ、noteで見た本だ、この装丁すき、あぁまだこれ読んでない、とか心の中で呟きながら、1冊1冊丁寧に向き合いたくなる。でも、待ち合わせには遅刻したくないんだけど。


数日前に訪れた、高円寺の「蟹ブックス」。階段を登って、ガチャリとドアを開ける。本の匂いと、凝縮された人々の時間。静か過ぎる空間を得意としない私なんだけど(本は好きだけど、図書館のシーン!とした感じはちょっと苦手。ラジオっ子だからなのか、ざわざわしている方が落ち着くのです。)、心地よかった。家に帰ってきたような安心感。ただいまー。本のセレクションにも拍手。斉藤倫「ポエトリー・ドッグス」や落合浩太郎「近現代 スパイの作法」、トマス・エスペダル「歩くこと、または飼いならされずに詩的な人生を生きる術」…私の感覚では15分くらいの滞在時間という認識なんだけど、うん、1時間弱はいたんだろうね。

本を眺めている時も、本を選んでいる時も、本を読んでいる時も、1時間なんてあっという間。本の魔力。無意識のうちに時間を気にして、あれもしなきゃこれもやっておかなきゃ、って自分の首を絞め始める私には、時の経過を忘れるくらい没頭できることが必要で。昔からずっと、本はその役割を果たしてくれている。頼もしい。


「蟹ブックス」では、青山南「本は眺めたり触ったりが楽しい」、pha「どこでもいいからどこかへ行きたい」を購入。今の私の心境がタイトルになってるから、思わず。

最近の購入本は和書に偏っているなぁ。洋書は大好きなんだけど、私の本棚にいる子たちがね、ちょっとね、サイズがね、大きめなので、外出時の相棒には和書が重宝する。文庫本のサイズって素晴らしい。ポケットにもぴったり入るしね。kindleで洋書を読むこともあるけれど、やっぱり紙が好き。本は増えていく一方…ううん、いいのいいの。頁をめくるあの感覚、あの興奮は何ものにも代えがたい。

ちょうど昨夜、Markus Zusak「The Book Thief」(本泥棒)を読み終わったところ。次は何を読もう。Sylvia Plath「The Bell Jar」か、千早茜「さんかく」か、朝吹真理子「きことわ」か…悩ましい。

この前、本屋さんで見かけた恩田陸「灰の劇場」、柴崎友香「百年と一日」が気になってしょうがないけど、今日はプロ野球が開幕するので、一旦、本のことは頭の隅に追いやることにする。早めにお風呂入って、テレビの前に正座して待とう。どんなシーズンになるんでしょ。


雨が止んだら、急に夏を感じた。え、あつい。



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