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どんな形でも手紙は手紙。

残暑。台風。蒸し暑い。天気も不安定。存在しているだけで精一杯の時もある。(みんな、私たちって、生きてるだけでえらいよね。呼吸できてる。えらい。)暑いと、昼間にコンロなんて使ってらんねーぜ、ということで、最近は朝、お弁当を作って、お昼は何もしないという、とても楽なことをしている。たのしい。冷蔵庫の中身と相談しながら、頭を使う。ボケ防止です。

いつかのお弁当。
のり弁。焼き鮭、ゆで卵、
ちくわと魚肉ソーセージの磯辺揚げ、大根のお漬物。
魚だらけ。
おかずの下には千切りキャベツの絨毯。
キャベツのグリーンカーペットやぁ~


ちょっと前に、友人からお手紙が届いた。郵便受けを開けて、封筒が視界に入った瞬間の多幸感。手紙の力よ。手書きの文字の温かさよ。それだけで1日中ご機嫌で過ごせる私はとても単純ネ。

近況報告から、音楽のこと、Laicaのbucket list(死ぬまでにやりたいことリスト)には何が入ってる?最近のお気に入りの言葉は?びっしり埋め尽くされた4枚の便箋。しかも筆記体。理想のお手紙すぎて、笑いがとまらない。ありがとね。ここ数ヶ月で貰ったもので、一番うれしいよ。

友人に触発され、筆記体を猛練習。5年前くらいから、ずっとやろうやろうと思っていた。ちょうどよかった。わたしゃ、とても影響されやすい人間なのでね。1日中、筆記体でどうでもいい言葉を書きまくる。What do you mean? (ジャスティン)、It's so cool(母の口癖)、Friends(レイチェル)…3日間ほど、そんなことをしてた。おふざけが止まりません。

そして、練習の成果を発揮すべく、お返事を出す。あ、私はMD PAPERの便箋を愛用中。書きやすい、目に優しい。この紙に包まれて眠りたい。きっとやさしい夢が見れる。


封筒に入って送られてきたり、なにかの節目に頂いたりするお手紙、ポストカード、一筆箋、付箋や裏紙にサッと書かれた置き手紙。(冷蔵庫にプリンがあるよ、が永遠の憧れ)友達との文通。親戚から届く葉書。先生からもらう言葉。どんなフォルムのお手紙も愛おしい。故に捨てられない。母はよく、私のお弁当にお手紙をつけてくれてました。小学校低学年の時なんか、ほぼ毎日。一人で私を育てながら、よくそんなことやってくれてたよね。私も親になったら、出来ちゃうものなのかな。

大事な思いも、ただの用事も、ありがとう、ごめんねの一言も、手書きの文字になるだけで、言葉以上のものを目ではなく、心で見れるようになる気がする。

She believes in poetry, love and passion and everything she can feel and cannot see.

N.R. Hart

あとあと、本を読んでいて、誰かからお手紙が届く場面で、フォントが変わって、本の中なのに手紙として成立させてくれる時ね。舞い上がってしまう。発狂してしまう。

例えば、「The Seven Husbands of Evelyn Hugo」(女優エブリンの七人の夫 / 二見文庫)で有名なTaylor Jenkins Reidのパラレルワールド恋愛小説「Maybe in Another Life」の手紙。ネタバレになるので、あまり言えないけど…うん、私たちはHenryのファンクラブを作らないといけないと思う。Reidの作品の中では、メジャーな方ではないのだけどね、私は一番好き。ときめき。あっさりした恋愛系なので、恋愛小説を読むたびに「そんなことあるかぁ!」と突っ込みたくなる私みたいな人にはおすすめです。

そういえば、「The Seven Husbands of Evelyn Hugo」でも、手紙が大事な役割を果たしますね。Reidは手紙の使い方が上手いのかな。

Dona Tartt「The Secret History」(黙約 / 新潮文庫)の手紙も好きです。この本のすべてが好きです。冬になったら、また読み返そう。そろそろ、彼女の新作も出る頃かしら。

Forgive me, for all the things I did but mostly for the ones I did not.

 Donna Tartt "The Secret History" 

他には、Holly Jackson「Five Survive」でも、完璧なタイミングで手紙が使われている。油断した瞬間の一撃。致命的な一撃。うわーん。Arthur!!ってきっと叫びたくなる。邦訳を熱望。同じ作者の「自由研究には向かない殺人」三部作(創元推理文庫)よりダークで面白い、と私は思ってます。

洋書ではない作品で言うと、湊かなえ「往復書簡」は手紙のやり取りで真実が明らかになっていくミステリー小説。一気読みしてしまった。何気なーく読み始めたら、もう止まる術はなく、いつの間にか夜。背中はぞわぞわするわ、続きは気になるわ、タスケテとなりながらも、夜9時か10時頃に読み終えました。その夜は眠れなかったね。想像力が必要以上に搔き立てられる作品。あぁ、怖かった。

ジャンル問わず、手紙が登場する本「これ面白かったっ」というのがあれば、是非教えてー。知りたい。




先日、1つ年を取り、お酒を飲んでみたら、顔色も体調も一切変わらず、下戸の母にかるーく引かれました。肝臓、大事にしよ。




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