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私はやっぱり、英語が好きなので。

口を開く度に、あちーあつーあっつっあっちっの4パターンしか出て来ない。もー。私、一応、夏生まれなんですけど。

7月はBOOK MARKET 2024もあるし、オールスターゲームもあるし、暑いけど、良い一ヶ月になりそうなので、文句言わずに楽しみます。(約束はできないけど)

Ben's Cookiesのクッキー(シナモンがぴっちり効いているオートミール&レーズン、良いとても良い)をかじりながら、The New Yokerに掲載されているSally Rooney「Intermezzo」の抜粋を少しずーつたいせーつに読む日々。至福。「ノーマル・ピープル」や「カンバセーション・ウィズ・フレンズ」で有名なアイルランド出身のSally Rooneyの新作は、弁護士の兄、チェスプレイヤーの弟という正反対な兄弟のお話で。彼女の文章が生み出す、独特の雰囲気やリズムにやっと触れられた、という安堵感が広がると同時に、どくんどくんと鼓動が高まる。期待が膨らむ。9月の発売が待ちきれない。


つぶやきは最近よく投稿しているけど、ちゃんとした記事は6月の中旬くらいから書いてなかったことに今更ながら気がつく。かぼちゃの煮物を作ったり(ホクホクうまい)、レモリアをひっさしぶりに飲んだりして(落ち着くお味)、読書に励んでます。元気です。

6月の後半は、Jenny Erpenbeck「Kairos」を読み終わった直後に手に取ったHolly Jackson「Five Survive」の中毒性にやられて3日で読み切り、今はCoco Mellors「Blue Sisters」を読んでるよ。

「Kairos」。愛の物語、と言えば聞こえはいいけど、不倫の話ね。魂がえぐられて、でも美しくて、そして難しかった。ベルリンの壁と共に壊れていく関係。どんなことがあっても、続いていく人生。老若男女問わず抱える、心の叫び。

Is it only possible to really be yourself when no one knows who you are?


キャンピングカーで旅行中の6人の友達。道中、何者かに車のタイヤをスナイパーライフルでパンクさせられる。6人のうち誰か1人が隠す秘密を要求され、8時間というタイムリミット、キャンピングカーから逃げようとすれば殺されるという恐怖、6人の間に生まれる疑念の中で、導き出される答えは…?

"A Good Girl's Guide To Murder"(自由研究には向かない殺人)シリーズより、もっとダークで、もっとスリリングで、最後まで気が抜けない。そして、彼女の作品はいつも私の涙腺を崩壊させる。うわーん。読み終わった椅子の上で5分ほど嗚咽した後、30分は放心状態で天井を見つめてた。

'I don't understand it,' he said. 'You were such a smart kid.'
Don't say it, please don't say it.
'Seems a shame,' Oliver went on. 'You had so much potential.'
And there it was. The line that ripped her open.

で、今は「Blue Sisters」ね。半分くらい読んだとこ。noteでは何回も言ってしまったと思うけど、私はCoco Mellorsのデビュー作「Cleopatra and Frankestein」が本当に本当に本当に大好きなので(語りだしたら止まらないからね、この本の話は私に振らない方がいいよ)、彼女の新作を首をにょきにょき長くして待っていた。今年はCoco Mellorsも、Sally Rooneyも新作を出すし、良い年だなぁ。

「Blue Sisters」はAvery, Bonnie, Nicky, Luckyという4姉妹のお話。厳格な弁護士のAveryにも、世界的ボクサーのBonnieにも、10代からモデルとして活躍するLuckyにも、隠れた秘密や苦悩があり、そして、何よりも3人の人生に影を落としているのは、1年前に起こったNickyの予期せぬ死…

私は一人っ子なので、兄弟姉妹がテーマの本を読むのはいつでも興味深い。馴染みのない世界、知らない感覚。羨ましいような、羨ましくないような。若草物語に細雪とか、4姉妹が登場する作品って多いのね。

この本を読んでいると、1ページめくるたびに知らない単語にぶつかる。結構な頻度でぶつかる。ごつん。洋書を読む時にいちいち辞書は引かない方がいい、と言われてるけど、私は分からないところはとことん調べるタイプで。語彙力を増やすために。原点回帰して、独りよがりにならないために。

例えばね、comfort(安らぎ)と書いてもいいところがsolace(慰め)になっていたり、私ならsurrenderとしてしまうところで、capitulate(抵抗をやめる、降伏する)という単語が使われていたり、げっぷという表現がburpではなく、belchになっていたり…英語の幅の広さを突きつけられた。

日本語で言うとなんだろ、「引き返す」と「踵を返す」の違いみたいな。引き返すでも意味は通るけど、踵を返すにすることで、ちょっとランクアップした感じがする。ちょっとかっこいい。

そうやって洋書を読んで、辞書を引いて、ノートに書いたりしている時間っは私にとって、すごく大事。英語に触れていると、王道な表現だけど、自分を好きになれる。英語って楽しい、面白い。好き。それくらいシンプルなことで良いんだよね。英語が出来ないといけない、仕事に生かさないといけない、って悶々としてた私、バイバイ。

中学、そして高校と、英語をこよなく愛する先生たちに恵まれたからか、大学に行けば、同じような人に出会えると信じ込んでたけど、いざ蓋を開けてみれば、「英語が好きだから」じゃなくて、「英語が出来るから」という理由でその場にいる人の方が多かった。英語を好きな私の方が頭おかしいのかと、一瞬疑ってしまうくらい。

でも、一歩下がって落ち着いて辺りを見回してみると、学生時代の私が探してたような英語好きの人がちゃーんと存在していて。noteにも、instagramにも。不安が消えていく。私もちゃんと自分を貫こう、ちゃんと前を向こう、ちゃんと文法とイディオムを勉強しよう、って思える。英語が好きで良かった。

言語学習って終わりがないから、たまに夜中とか絶望したくなるけど、だからこそ、愛おしい。やめられない。

Have fun, even if it's not the same kind of fun everyone else is having.

C.S. Lewis


ちと長い記事になっちゃった。

じゃ、野球中継観ながら、お昼ご飯食べてこよー。連敗中なので、今日は勝つといいな。





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