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我が短編集

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私の作品の寄せ集め。 ニヤリと笑顔が出る笑える短編小説のベスト版
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少年狂時代♪その10

少年狂時代♪その10

最終章
【中央フリーウェイ】

耐え切れなくなった和田さんの口から、
溶解液が勢いよく放たれた。
シンガポールにあるマーライオン像の放水に負ける事のない、和田さんの口からの放水!

大放水!!

前門の狼、後門の虎とはよく言うが、

『前門のビチグソ、後門のゲロ』
・・・とは古代ローマや中国の哲学者や教授も考えもしなかったであろう。

車内は前方のクソ悪臭と、後方のゲロ悪臭が入り混じりの大事件!

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少年狂時代♪その9

少年狂時代♪その9

第9章
【魔笛】

この極限の状況に耐えられず、滝川君が悪魔に囁かれた様に大声で笑い始めた。

それにつられてガマンしていた者達も 一斉に大笑いを始めた。

「ブプビチチッ ワーープッーーーハハブピッピツハッブリブリブリハッハッ!!

 ワハハハブリブリッハハッハッハビチチプチッハハハーーーーハハハプゥッ」

悪魔の雄たけびと臭気と生徒達の笑い声で、
車内は更なる地獄

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少年狂時代♪その8

少年狂時代♪その8

第8章
【悪魔が来たりて笛を吹く】

聖天使の導きにより、後方への民族大移動は終了した。
(まるで、歴史で習ったゲルマン民族の大移動だ!)

しかし、それで終わりではない。
いや、地獄はこれからなのだ。

皆が顔を見合わせる。何を喋ればいいのかわからない。

来るべき終末期ハルマゲドンの時を待つかの様に、

祈る者、ハンカチで汗を拭く者・・・
バスの中は最大級の静寂となった。

まさに静寂の中、逃

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少年狂時代♪その7

少年狂時代♪その7

第7章
【WARNING!】

先生の「ガマンできる?」の問いに、
遂に彼が首を 横 に振った。

私の心に、エヴァン○リオンのリ○コ博士の(・・・まさか暴走??)
のセリフが響き刺さった!

『WARNING! WARNING!』 

緊急爆発。秒読み開始 !

『総員は、すみやかに退避せよ』 
使途襲来の並みの緊急コールが脳内に鳴り響く。

しかし我々には逃げ場は無かった。

碇ゲ○ドウ司令官

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少年狂時代♪その6

少年狂時代♪その6

第6章
【今そこにある危機】

先生は「ガマンできそう?」とまだ無駄な、問いを行っていた。

安川君は半泣き状態で 答えようとしない。

私は考えていた。

(もし「もうガマンできません」と彼が答えたら
先生はどうするのだろうかと??)

幼い私の出したベストの答えは
『バスを停車して道の端にうんこする』というものだ。

それ以外に 考え付かなかった。

否!!

どこかの国の角刈り独裁者でも、そ

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少年狂時代♪その5

少年狂時代♪その5

第5章
【時間よ止まれ!】

しかし、先生はそんな私の気遣いに、
気付かず 、

「安川君、ガマンできそう?もう出ちゃいそう?」

バス中に響き渡る大声で彼に問い掛けた。

安川君の恨みがましい視線が、私に突き刺さる。

 
一瞬で車内には静寂が訪れた、、、

『うんこがもれそうな安川君』へと、
皆の冷たい視線と注意が集まった。

先生が彼の隣の席へと移動したので、
隣だった私は、先生の席へと移

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少年狂時代♪その4

少年狂時代♪その4

第4章
【Can You Keep A Secret?】

しかし、そんなことを告白されても私にはどうしようもなかった。

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勿論バスにはトイレは無かった、、、

ハイウェイに乗ったばかりで
次のトイレ休憩は、まだ先だったからだ。

「やばい?先生に言おうか?」
結構、焦って尋ねた。

「いや、言わんといて。」
蚊の消え入るような声で、彼は弱々しく訴

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少年狂時代♪その3

少年狂時代♪その3

第3章
【振り返れば奴がいる】

バスは予定通りに快調に進み、ハイウェイへと突入した。

ハイウェイはカーブも信号も無いので、酔いが悪化することは無い。

私は安堵し、また友人らとのバカ話に花を咲かせていた。
          
その時 、 私の隣の安川君がポツリと
悪魔の一言を呟いた。

     
「・・・うんこしたい。」

!!・・・車酔いではなかったのだ。

彼は一心不乱に、今にも括約筋

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少年狂時代♪その2

少年狂時代♪その2

第2章
【✗✗は突然に!】

「先生、和田さんが気分悪いって!!」

突然、後方の女子らの席からゲロ警告が先生に大声で報告された。

警告されたところで、先生にできるのは
「大丈夫?」と、
お決まりのセリフと、
ゲロ袋を装着したゲロバケツを用意する事
ぐらいだ。

しかし特技が『貰いゲロ』の私としては、非常に忌々しき事態である。

隣の安川君も加わって、ぷよぷよ並の
『連鎖ゲロ』という、
非常事態

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少年狂時代♪その1

少年狂時代♪その1

~プロローグ~
この物語は、携帯電話やポケベルさえ無い頃の、昭和と云う激動の時代が終わろうとする頃の話しである。

そう大体の家に、シャケを咥えた熊の木彫りの置物が、テレビの上に飾られていた・・・
そんな時代の遠い記憶の物語である。

あの日、私達が遭遇した、
世にも恐ろしい出来事を後世に残すべく、
ココに記する。

第1章
【少年時代】

そう、あれは私が小学生の頃だ・・・
今でも詳細に覚えてい

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