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アグラにて、死の淵で悟りを開く(インド5)

2016年12月28日(4日目)

本日はトレーニングデー。
朝から筋トレをはじめる。全裸筋トレだ。

今まであまり触れてこなかったが、俺たちはバックパッカーだ。

寝る場所は決まっておらず、毎日旅をして寝床を探す。なので洗濯をしても、衣服を乾かす時間がなく、服を汚したくない。そのため、汗をかく筋トレは必然的に裸となる。

ウォーミングアップをしてからまずはスクワットジャンプ、デッドリフトジャンプ。

デッドリフトジャンプ中



友人の駿太郎はゴミ箱に手をついて腕立てをしていた。なぜゴミ箱を使っているのかわからない。

「ひかるもやってみ。」

俺は下半身のトレーニング中だった。

上半身メニューには興味がない。
けど彼に対抗心が沸き起こり、ゴミ箱腕立てコンペをすることに。

全裸で腕立て中 on ゴミ箱



ゴミ箱腕立ては意外と難しかった。

「お前全然腕曲がってねーじゃん」

くっそー、負けるわけにはいかない。深く腕立てしまくる。
しかし腕は限界を迎えた。

1セット目はこのくらいでいいだろう。
立ち上がろうとした。


「バキャン!!」
「うお!」

背中が爆発。
と同時に

「バラバラバラ!」

とガラスが上から降ってきた。

上にガラスがあるとも知らずに腕立てしていた。

地面にはガラスの破片。ベコベコのゴミ箱。
背中は血だらけ。

超焦った。

まずい。非常にまずい。背中とゴミ箱はいいけどガラスはまずい。

なんて言い訳しよう。

クレジットカード会社が備品損壊保険を適用してくれるだろうか。
とりあえずゴミ箱がやばい。

中に手を突っ込んでベコベコのゴミ箱を直す(内側から押す)。そのあとはガラス…どうしよ。

やばやば


結局、隠蔽は諦め、正直にホテルに謝ることにした。

服を着てフロントに向かう。

「すみません、ガラスを割っちゃって…」

もちろん筋トレしてぶっ壊したとは言わなかった。

インドなので莫大な賠償金を要求されるかと恐れたが、なんと800ルピー(1600円)。
よかったー!

気を取り直し観光。まずはアグラ城へ。

(2日目に購入したターバンでインド人コスプレをし、テンションぶち上がる)


アグラ城の外
アグラ城の中で、知らない人と写真撮った


次はタージマハルへ。

大きな荷物は持ち込めないから、貴重品だけ持って中に入る。

タージマハルは圧巻。
めっちゃでかい。
さすが世界遺産。

筆舌に尽くし難いとは、このこと。

タージマハル


そしてタージマハルを出てレストランで料理を食べた。もう外は暗い。

そこで気づいた。

荷物がない。

財布と携帯以外の物をタジマの荷物置き場に置き忘れていた!

荷物置き場は24時間開いてるわけではない。
日が暮れたら鍵をしめられ、入れなくなる。

ヤバい!!

焦った。

ダッシュで荷物置き場へ向かう。

もちろん鍵は閉まっており、周辺には野良犬といかついおっさんだけ。

おっさんに「明日来い」と言われたが数時間の交渉の末、おっさんに鍵をあけてもらい、事なきを得た。

もう夜なのでアグラにもう1泊することに。
アグラの夜もこわい。

外はまるでバイオハザード。

恐ろしいアグラの夜



3人でリキシャー(3輪タクシー)に乗ってホテルを探す。

あるホテルの前で停まり、運転手が降りた。

「お前こい」と言われ、なぜか俺だけ降りて、ホテルを見てくることに。


体が縮み上がったた。

インドの夜。

1人行動は"死"を意味する。

インドでは旅行者が殺されて貴重品だけ奪われる、という事件が多発していた…。

なので、一瞬ためらった。

しかし、

"なんのために俺はトレーニングを積んできたんだ。"

「5分たって戻ってこなかったら死んだと思ってくれ」

と2人へ言い残し、1人でリキシャーを降りた。

俺は死を覚悟した。

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