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第3回 ニュータイプの相談援助職のための読書会開催

こんにちは!レタススタッフの三宅です。

先日、9月20日(日)に第3回 ニュータイプの相談援助職のための読書会を開催しました。連休中にもかかわらず、ご参加いただいた方々、ありがとうございました!

今回読んだ本は、安宅和人さん著『イシューからはじめよ

前回は、自分の美意識とは何かを考えましたが、今回は美意識にもとづいて行動するためのヒントを学ぶことが目的でした。

美意識によって気付いた課題からイシューを定め、アクションを起こす

まずは、安宅さんがTEDで講演した動画から、全体像の把握。

次に、この読書会の恒例であるABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ®)を参考に、序章と1章「イシュードリブン」を分担して読みました。イシューを定めること、その後実際にアクションを起こすことが大事なのですが、半日たらずでできることではありません。なので今回は、イシューを定める部分、本で言う「イシュードリブン」のみ取り上げました。

今回のまとめ方は、文章でも図でもOK。写真に撮ったらかなり見えづらいのですが、ポイントをまとめて自分なりに説明してもらいました。

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自分にとってのイシューを見つける

そしてワークの時間!

ここでは、他の人のフィルターが通っていない、自分が仕事や現場で肌で感じていること、つまり一次情報に触れている領域で課題を考えてもらいました。とはいえ、いきなりイシューを見つけることは難しいので、まずは仮説を立てること、とにかく言語化することを重視しました。

レタスの考えるイシュー

ワークをしてもらう前に、まずは例として、レタスの考える課題と仮説を紹介しました。

<課題>
DVは増加傾向にあるが、社会としてどういうロードマップを引けば減少していくのか誰も考えることができていないし、もちろん行動に移せていない。

社会の在り方(男尊女卑的な思考、経済格差、身体的パワーの差)が大きく影響しているにもかかわらず、当事者以外の関係者が家庭内だけの問題として扱っている(2者関係で維持しているモデルで捉えている)。要は自己責任として取り扱い過ぎている。本当は周囲の人の反応(例;被害者が周囲の人から「あなたが我慢すればいい。」と言われる)も含めて維持しているはず。

②にも関わらず、当時者の周囲の人物はどのくらいの頻度でDVが存在し、どれくらいの深刻度か等の理解が不足しているため、結果、DVを消極的に容認してしまっている。

③そのため、DVの認知を広めるために啓発は必要。ただ、今までのブルーリボン運動などのように、正しさを訴えかけるのみのやり方も必要ではあるが、自分事として認知されにくい。もっと関心の持てるような工夫(アート)をし、知識を提供し、ゲートキーパー的な役割を地域で担ってもらうことで予防することで。


これらは、イシューとしての条件を満たしています(そのはず)。ここで、イシューの定義と「バリューのある仕事」に関する定義を確認しましょう。

イシュー(issue)の定義
A)2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
B)根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題 
イシュー度:自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ
解の質:そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い

レタスの考えた課題の例でいえば、やみくもにDV被害者支援をするのは「犬の道」になってしまうわけですね。イシュー度と解の質がともに高い「バリューのある仕事」をアクションする前に見つけておくことがポイント!


≫余談ですが、仮説③に関連したプロジェクトを計画中です。

10月頃にはお知らせできると思いますので、HPやTwitterをご覧ください!


みんなのイシューは?

今度は各自考える時間。仮説については、他の参加者とも考えました(一部抜粋)。

<課題>
①一時保護している子どもの行動観察の意味
②長年デイケアを利用している患者さんの利用目的が不明瞭。病院に依存しているような状況。
③10~30代の患者さんがB型就労施設へなかなか行かず、心理の待合室で過ごしていること。それを職員も半ば許容してしまっている状況。

<課題①に対する仮説>
・親の養育力など把握しておけば、家庭全体のアセスメントができる。
・親子、職員とみんなで同室で交流することで、様子を共有できる。

<課題②に対する仮説>
・患者さんの理解力に応じて、治療的枠組みの説明を行う
・デイケアに通い続けるのではなく、社会復帰という世間の流れに乗る

<課題③に対する仮説>
・患者さんに働くメリット(お金を稼ぐだけでなく、働く楽しさや好きなことを仕事にすること等)を知ってもらう
・B型就労スタッフとの連携


どれもイシュー度、解の質の高いものばかりだと思います。そして、皆さんがいくつも仮説を言葉にしてくださったおかげで、充実したディスカッションができました。
それぞれの現場で、少しずつでも取り組めたらいいなと思います!!

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参加した方々の感想

・イシューに絞るのは難しかったが、とにかく仮説を立ててみた。
・普段はなかなか「わからない」と言えないが、ここでは「わからない」と言える。自分が担当した箇所を読んでいると、職場の上司が「So what?」で考えていることに気付いた。
・個人特性に注目しがちだが、もっとマクロな視点で捉えることも大事だと思った。

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~次回の読書会~ 2020年10月18日(日)9:30~12:00
@きらめきプラザ 研修室2
岡本太郎 著『自分の中に毒を持て

次回はビジネス書でも心理学の専門書でもありません。エッセイといいますか、また違った領域の本をみんなで読みたいと思います。今度は、美意識(アート)を体現した岡本太郎の考えや生き方から、自分たちが美意識を実際にアクションとして形にするためのヒントを学びます。

皆様のご参加をお待ちしております!(参加申し込みフォームはHP内にあります)


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