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青野佑季と拉餃の往復書簡

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#日記

遠くの車の音は風

遠くの車の音は風

青野佑季さんへ

わたしがお返事を書きあぐねている間に
季節が変わりそうになっていました。(おそくなってごめんね…。

真っ先にそれを感知したのはわたしの足の裏でした。

家に帰るとまず最初に服を脱ぎます。
特に靴下。これは(どちらかというと服よりは)靴の仲間という認識なので、玄関で抜いじゃって洗濯機にポィです。
だから、家の床の清潔度を熟知しているのはいつだってわたしの足裏です。

そんな足裏が

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新しいビルが大きすぎました

新しいビルが大きすぎました

青野佑季さんへ

拉さん元気です、こんにちは。
この前、久しぶりに街へ出ました。
大きな本屋さんに用事があったので。

街の中心に着いたら人がたくさん歩いていて、どの人もちゃんと春らしい服を着ていたので恥ずかしくなりました。わたしの格好は『もうすぐ着られなくなりそうだから今のうちに着ようとしたもの』で構成されていたからです。
ま、でもせっかくなので、わたしはこの日のテーマを道行くオシャレウォッチン

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生まれた日が春だっただけで

生まれた日が春だっただけで

拝啓 拉餃さん

 拉さん、こんにちは。お元気ですか。すっかり春ですね。3月が終わって4月に入りました。真昼は温かいを通り越して暑いくらいです。太陽の光を浴びて桜たちがピンクや白に発光していました。眩しかった。そこらじゅうが光っていたよ。拉さんところの桜も光ってますか。太陽光を溜めて、夜に光ってくれたらどれだけ素敵だろうと考えていました。眠れない真夜中に窓の向こうで光っていてくれたら、どれだけ安心

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