見出し画像

「けい」バランス感覚の学び”人間賛歌「賛」を終えて”レポート2022.8

初めまして。
関東で役者をしています、
地域密着型一人演劇ユニット『赤キノコ山と蒸したお酢』代表、
創作集団「けい」作家部・俳優部所属のオガワジョージです。


今回はcreate model けい が2022年8月に行った活動”人間賛歌”のレポートになります。



このnoteマガジンはブランディングの一つとして、地域に向けての活動記録を公開し、経験を共有することを目的に行っています。地域への表現活動に関心のあるクリエイターさんに見ていただけたら嬉しいです。
今回は第2場「間」から得た制作面での学びを活かしながら、
・過去に載せた企画書や準備段階で作成した企画整理書の振り返り
・展示に向けた制作面の準備
・実際に企画を運営してみての学び
・全体的なまとめ
から、良かったところや改善が必要なところを見つけていきます。

こちらが8月の”人間賛歌「賛」”のイベントレポートになります。
合わせてお読みいただけたら!
最後の方にリンク集がありますので、そちらからでも大丈夫です。



また、今回の8月活動レポートは17,000字ほどありますので、興味のあるところだけご覧いただけたら。バランス感覚の学びはまとめに書かれています。



*****



6月7日~ イベント前、制作準備


「賛」の制作準備を始めるにあたって、今までと同様に1月段階にあった構想と第2場「間」で感じたことを合体させていきました。


1月段階の企画整理書と「間」での学びから

1月の段階では第3場「賛」はこのようなイメージでした。

第3場 「賛」 《変更前》
テーマ :賛
日程  :8月1日~8月7日 13時~21時
場所  :経堂アトリエ 2階リビング/和室/屋上
内容  :人への想いをテーマにした空間展示。
     大切な人に想いを馳せる過程を見つめる。

展示目的:自分の大切な人について考え、表現する。
コピー :あなたのこと、考えたの。
ビジョン:誰かへの想いで満たされる空間になる。
演目  :語り
 
タイムスケジュール
時間 内容 備考
13時 開場。清掃を済ませる。
14時 観覧。パフォーマンスへ呼び込む。
15時 パフォーマンス、振り返り。10月「歌」の宣伝とお見送りをする。
16時 観覧。照明など、場を整える。
17時 ワークショップ。和やかな雰囲気をつくる。
18時 観覧。パフォーマンスへ呼び込む。
19時
20時 パフォーマンス、振り返り。10月「歌」の宣伝をする。
21時 閉場。お見送り、清掃などを行う。
 
当日運営
1階を「人」「間」レポート展示とし受付1人、2階に受付1人。
 
料金
入場、ワークショップ参加 投げ銭制
パフォーマンス鑑賞 500円 (10人予約制、当日券あり、当日精算)
物販 ・読み物(短編集) 300円
 
パフォーマンスについて『融雪』
祖父に想いを馳せ、死の間際にどんなことを感じていたのかを想像する。インタビューした音声を流しながら、少しずつ祖父への理解を深める。上演時間30分。
 
1階「人」「間」レポート展示
撮影した写真・映像を展示し、観覧可能にする。レポート記事を置く。来客があった場合、機をみて2階/屋上で行われる企画へお誘いする。
 
ワークショップ(晴天時)
時間:45分
人数:10人以下
場所:屋上
内容:
挨拶5分、振り返り10分
 
「バルーンリリース」30分
バルーンリリース用の風船を人数分用意する。ヘリウムガスで膨らませたあとに、木綿糸を括りつける。バルーンに想いを込め、準備ができ次第、全員で一斉に空に放す。(人数が少ない場合、1人ひとり放す)
 
※進行上の注意
・バルーンリリースの許可を自治体などから得る。
JBA 一般社団法人日本バルーン協会 (jba1.jp) 参照。
・バルーン作成時は声かけを行い、必要があれば手伝う。
・様子を撮影し、SNSに載せても良いかを確認する。(希望者には顔が映らないよう加工)
 
ワークショップ(雨天時)
時間:45分
人数:10人以下
場所:2階リビング/和室
内容:
挨拶5分、振り返り10分
 
「お手紙」30分
人数分の手紙と筆記用具を用意する。宛名は書かず、参加者の「大切に思う人」とし、執筆する。言葉以外の方法でも良い。言葉はたった一言でも良いと声かけを行う。書かれたものは「歌」の展示の一部にする旨を伝え、回収する。
 ※進行上の注意
・あまり覗き込まず、遠くから様子を眺めるようにする。

予算案
未記入。

「けい」企画書の学び より


当初の「賛」もワークショップやパフォーマンスの内容から、人に想いを馳せる過程に目を向けようとしていました。

「間」で感じたことがこちら。


今回は「人」のときよりも多く経堂の土地やお店にふれるように意識しました。通っているうちに、愛着やホームタウンの感覚が少しずつ芽生えてきたように思います。経堂駅に降りると「やってきた」というよりも「帰ってきた」と思うようになりました。経堂に初めて来てからまだ数ヶ月ですが、こういった感覚になるのは自分でも不思議でした。

今回も会期中は経堂に1週間滞在し、準備・制作を行いました。壁一面に張り巡らせた紐や葉っぱが取れればくっつけ、何度も修復しました。そうすると愛着を感じて、くっつけるときに念を込めるようになりました。写真も丁寧に扱い、できるだけ傷がつかないようにしたり。

それくらい思い入れを感じる街になりつつあります。しかし、その思い入れも入れ込みすぎて会期中に体力が尽きてしまいました。

「人」が終わり、4月の準備期間中から「向き合う」ということを公私で考えるようになりました。今までも考えてきたことでしたが、それをもう一度考え直すような時期となりました。

そこで得た気づきはざっくりと言うと「時間をかける」でした。詳しくはもう一つのレポートにまとめます。

「間」は「人」のときよりも対話の時間が長い印象でした。ワーク・朗読の感想や、アンケート・心の距離について考えるときの雑談の時間。
きっと僕は、ワークや朗読をしたあとに、それを経験された方々と話したり聞いたりする、交流の時間の方が好きなのかもしれないと感じました。

僕自身も「心の距離」を測りながら、少しずつ人や街との関係性を”広げて”いけたように思います。これから少しずつ、少しずつ深めていけたらいいですね。

「これっくらいかな。」

「間」イベントレポート より


感じたのは、
・長期の制作企画を行って、体力的な面で力尽きたこと。
・時間をかけて人や街と向き合い、対話をしながら関係性を深めていくのが好きで、それがやりたかったんだと気づいたこと。

でした。


さらに、「間」での改善点もクリアしようと考えました。


もっと工夫が必要なところ
・今回のような企画を動かすとき、体力面を考慮すること。
・アンケートや当日パンフレットなどに次回以降の情報を載せること。
・(助成金、補助金の申請をすること)

「間」向き合うことの学び より


体力的な部分をどうするかと、いらしたお客様を取りこぼさないように次回以降の情報も載せたり、メールアドレスなどのご連絡先を書いてもらうなどの工夫が必要でした。
そのため、開催時間を短くして密度の濃い時間を過ごしてもらうようにしつつ、アンケートに次回情報や連絡先への促しを入れることが目標となりました。


企画整理書

これらを踏まえ、このような形で進めようとしました。


第3場 「賛」 《変更後》
テーマ :想いを馳せる
日程  :8月5日~8月7日 17時~21時
場所  :経堂アトリエ 1階plum café / plum gallery.
内容  :
・「大切なもの」を持参し、観客が語り、綴るワーク
・それぞれの想いが集まるカフェ
・ある人からある人へ向けられた手紙の朗読


展示目的:
第1場「人」、第2場「間」で、経堂の街と人と出会い、つながってきた。
第3場「賛」では出会い、つながった“住んでいる人・訪れる人”に対してそれぞれ想いを馳せ、関係性を深めようとするワーク・場の設計を行う。
ワークを通して、大切な人やものに想いを馳せる過程を見つめる。

コピー :あなたのこと、考えたの。
ビジョン:誰かへの想いで満たされる空間になる。
演目  :語り
 
料金
「人」「間」入場 無料
カフェ営業 コーヒー一杯500円
パフォーマンス鑑賞 1,000円 (当日券あり、当日精算)
フリーパス 1,000円(コーヒー一杯分無料)
 
1階「人」「間」レポート展示
「人」の展示を入り口付近に、「間」の展示をギャラリー中央に置き、壁には写真やロープを貼る。

カフェ「アトリエ憩」
□場所設定
経堂の街にひっそりと開かれる穴場的喫茶店。庭先から入ると、白い壁と木製のイスとテーブル、観葉植物しかない、素朴で温かみのある店内が広がる。ピアノを基調にした音楽が流れている。レンジや棚にある小物などはなくなっており、誰かの「大切なもの」であろう品物が並べられている。
 
□対話
来店したお客さんはお品書きの「話をする、話を聞く、朗読を観る」の3つを選び、話をする場合はカウンターへ、話を聞く場合はそれ以外の席へと案内される。
お会計をすませ、しばらくするとコーヒーと何も書かれていない手紙・鉛筆が運ばれてくる。飲み終わるまで話をしたり、聞いたりできる。もっと話したい・聞きたいという方にはお代わりをしてもらう。
 
□手紙
飲み終わったら手紙に「大切な人」に向けて手紙を綴ってもらい、直接送りたい相手に手渡ししてもらえるよう持ち帰ってもらう。
 
 
※ワーク「対話」
来店時は「大切なものを一つ持ってくる」と良い。そこに居合わせた参加者数名と「大切なもの」について対話をし、そこから「話す人」「聞く人」「そこにいない誰か」に全員で想いを馳せていく。
 
※ワーク「手紙」
自分の「大切な人(もの)」に向けて手紙を綴ってもらう。人数分の手紙と筆記用具を用意する。宛名は「あなたへ」で統一し、執筆してもらう。言葉以外の方法でも良い。言葉はたった一言でも良いと声かけを行う。その手紙は持ち帰り、書き手が直接送りたい人に手渡しする。書かれたものは「歌」の展示の一部にしたいという旨を伝え、許可を得て記録撮影する。
 
□パフォーマンス『ある人からある人への手紙』
カフェ営業の最後に行う。「大切なもの」の棚にある2通の手紙を持ってきて、朗読する。
 
 
会期中タイムスケジュール
時間 内容 備考
16時 準備。照明など、場を整える。
17時 開場、カフェ営業。和やかな雰囲気をつくる。
「対話」「手紙」を順々に行う。
18時
19時
20時 パフォーマンス。
21時 閉場。お見送り、清掃など
 
当日運営
1階に店員2人。給仕、会計や席の案内、ギャラリーへの対応を行う。
 
物販
人間賛歌「間」で用いた4つの短編をセットで販売する。1セット500円。
 
予算案
設備利用費(3日分) 1,500円(500円×3日)
撮影費+交通費    4,000円(3時間3,000円+1,000円)
雑費          15,000円
交通費         10,000円
広告印刷費       5,000円
支出予想        計35,500円
元手資金        14,500円
 
経堂アトリエさん
広告費(2,500円分)とコーヒー豆代(1,500円)を支援していただく。
 
 
クレジット
共同制作:長谷川 祐輔、fuko、西條 快
宣伝写真:スゲノリュウゴ
撮影:喜嶋 龍司
制作協力:浅井 慎ノ介
主催:経堂アトリエ
企画・制作:赤キノコ山と蒸したお酢


前回はざっくりとしたスケジュール表を作成していましたが、6月~7月とオガワの普段の仕事や舞台出演で忙しかったため、作成できずに大まかな日にちだけを決めて動きました。

変更前と変更後では、想いを馳せる方法に違いがあるのかなと思います。バルーンを飛ばしたり手紙を書いてもらうワークから、対話を重点に置いたワークで想いを馳せる方向性になりました。

そのため、バルーンワークはなくなり、手紙のワークも対話を行ってから書くという流れにしました。パフォーマンスで扱う作品も、僕が祖父に対して想いを馳せる作品から、手紙のワークに絡めて「大切な人に向けた手紙」を扱うことにしました。

今回も経堂アトリエの長谷川さんに共同制作で入っていただき、哲学を専攻されている観点から対話について話し合っていただきました。



フライヤー作成・宣伝

「間」の期間中に次回の「賛」に使えそうな写真を撮ってもらえたら嬉しいなと考え、撮影のスゲノ君に頼んでいました。
撮影してもらった写真から、大切な人やものに想いを馳せるというテーマに合うような、想いを感じられる写真をメインにしようと選びました。
それがこちら。


夕方の青暗さと線香の赤から、お盆をイメージできそうな良い写真でした。
煙がふわっと立ち上り、香ってきそうです。


SNS予告用を先に作成し、SNS正規用とDM用(本チラシ)にこの写真をしようしました。


6月10日に作成したSNS予告用。
「間」で参加してくれた友人が撮影したもの。


6月10日作成のSNS予告用。
この写真は創作WS「Flash.」カメラマンの奥田さんが以前撮影されたもの。
人間賛歌のステートメントなどを載せてあります。


今回も前回同様に宣伝を早い段階でできたことが良かったですが、忙しさもあって定期的な宣伝はできませんでした。


7月27日作成のSNS正規フライヤー。
イメージカラーは赤だったので、文字の影に薄く色をつけました。
暗めの写真なので白文字で統一。


同日作成の裏面。
型は使いまわし。


8月1日作成のDM。今後のための実験として作りました。
サイズの関係で文字の配置が難しかったので、小さくして色を加えました。


裏面。
まえがき部分を全カットし、内容だけ。
配置が難しく苦労しました。


裏面の修正前。
分かりにくいですが、上の方が空白です。
DMの作り方は調べていきたい…。


フライヤーデザインでやりたかったことは、
・テーマの「想いを馳せる」を感じてもらうデザインにする。
・お盆の季節感を漂わせる。
・「手紙」の特別感を演出する。

でした。
第2場「間」の中折版フライヤーでまとめのようなものを作成して、つながりを分かりやすく知ってもらおうとしていましたが、予算的な部分やスケジュールの都合で断念。

また、今までは掲示板用のフライヤーデザインも行っていましたが、こちらもスケジュールの都合で断念しました。代わりにSNS正規フライヤーを紙で印刷し、掲載していただきました。

DMの発注・受け取りが直前になってしまったことも反省です。
canvaという無料のデザインソフトを使っていますが、DMサイズでデザインして印刷しようとすると、若干実物のDMサイズよりも小さく、左右に白の余白が入ってしまいました。頑張って調整しようとしたら遅くなってしまいました。


両脇の余白までデザインに活用することはできなかったので、
次回以降でDMを作成するときはcanva以外のソフトでやりたいです。



予約フォーム・確認メール

今回は自分で作業する時間がほとんどとれず、大まかな部分を制作協力の浅井さんに作成していただき、細かなところを加筆した感じです。



今後は予約フォームの作成や、確認メールの送信などを他の方にお手伝いしてもらえるようにしたいと考えています。



制作開始

6月~7月末は舞台稽古・出演があったため、そちらと並行して制作を進めました。6月の段階でカフェ「アトリエ憩」の構想がなんとなくあったため、コーヒー講座を先に受けていました。

6月11日 DAY DRIP COFFEEさんにてコーヒー講座を受講
7月13日 長谷川さんと打ち合わせ
7月22日 軽い打ち合わせ
8月3日 「賛」仕込み開始。
8月4日 DAY DRIP COFFEEさんにて豆を購入。ドリップ練習。

オガワが企画整理書をまとめきれていなかったり、長谷川さんのご都合もあったため、7月中旬に初打ち合わせ。打ち合わせ後にフライヤーをデザインしながら、予約フォームについてやり取りを進めました。

舞台出演が7月末にあったため、体を充分に休めることなく「賛」の仕込みへ移りました。この制作期間中からバランス感覚について考えることが多かったです。



カフェ「アトリエ憩」について

この内容を考えるときに参考になったゲームをご紹介します。


Coffee Talk


コーヒーと対話の雰囲気を探るために見ていたゲーム実況です。
さまざまな人種のお客さんが来店する、深夜にのみ開く喫茶店。
ゲームはお客さん同士の対話で進み、それぞれの関係性が変化していくことで物語が展開されていきます。ノベルゲームを実況で音読してくれるので、ラジオ感覚で楽しめます。もしご興味ありましたら。

ゲーム実況を見て、コーヒーと対話は相性が良く、カフェという場所も関係性を育む場所としてとても効果的な感じがしました。
さらに、対話を進めるお客様により強い体験を残すために、場所の設定を没入感をもって楽しんでもらえるような、イマーシブシアター的なあらすじやルールを設けました。



開催場所である経堂アトリエさん1階のplum cafeがもともと魅力的な場所で、白い壁と温かみのある素朴な無垢の木材の床、テーブルなど、訪れた方々との対話にぴったりの空間だったので、それを活かせたらとも考えていました。また、大きな窓やガラス戸によって外が暮れていく様子が分かるというのも良かったです。

・対話や手紙のワークによって関係性を変化させる。
・ルールを設けて、没入感を高める。
・空間を活かす。

以上のことをカフェ「アトリエ憩」では行おうとしました。
対話のワークについてより細かく書いていきます。



対話

対話のワークは、哲学対話とオープンダイアローグを参考にしました。
哲学対話は以前から長谷川さんが行っていた場に参加したり、舞台の稽古場でも何回か参加したことがありました。簡単に流れを説明をすると、


1.あるテーマを決める。
2.対話のルールを共有する。
3.ルールに沿って対話を行う。
4.指定の時間になったら終了する。


という感じです。
今回のテーマは「大切な人やものについて」でした。ルールは長谷川さんが普段行っている対話の場から拝借し、一部変更したりしました。


大抵は1時間~1時間半ほどで対話を終わらせるそうです。
カフェ「アトリエ憩」は17時~20時の3時間というかなりの長丁場ですが、お客様の人数もそこまでいらっしゃらないだろうとイメージしていたので、途中休憩を入れながらゆったりと進める予定でした。


オープンダイアローグはとあるご縁で精神医療系の方々とお知り合いになることができ、リフレクティングという手法を体験させていただきました。
こちらの本もお借りして読んだりもしました。


参考図書 『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』
まんが:水谷 緑
解説 :斎藤 環
出版 :医学書院


リフレクティングについても簡単に流れを説明します。

1.話す人/聞く人/リフレクティングをする人たちの役割を決める。
(人数が少ないときは聞く人がリフレクティング側を兼任する。)

2.話す人は自分に関するいくつかのテーマからひとつ選び、聞く人に数分間話す。聞く人は傾聴する。

3.指定の時間が終わり、話が一区切りしたら、話す人に断りを入れてから、リフレクティングをする人は話す人の目の前で、数分間話を始める。

4.そのとき、話す人の目を見たりせず、話す人が「その場で話していたこと」について感想などをやり取りし、対話をする。

5.指定の時間が終わり、話が一区切りついたら、話す人にもう一度話してもらって上記の流れを繰り返す。もしくは感想を言ってもらい、終了する。


リフレクティングは哲学対話とは異なり、役割が明確に分かれていて、話す役割の人の目の前で対話が進んでいくことが面白いと感じました。
(実際の医療の現場では、話す人=患者さんなど、聞く人・リフレクティングチーム=お医者さんなど)
話す人を体験してみて、面と向かって言われることなく、間接的に言葉が届くような、聞こえるこそこそ話みたいな感覚になりました。
こそこそ話の内容は、自分がさっき言ったことへの感想や気になったことなので、どんな反応があるのかなぁと耳をそばだてて興味津々に聞きました。


この体験から、リフレクティングによって対話の輪の中にいながらも”自分”という「共通のテーマ」の話を聞くという状況を活かせたら、より良い対話の空間になるのではないかと考えました。

そこで、カフェ「アトリエ憩」では話す席と聞く席に初めからお客様を分け、話す席の人は哲学対話の感覚で、聞く席の人はリフレクティングの感覚で参加してもらうようなイメージで、共通のテーマ「(自分の)大切な人やものについて」を対話することにしました。
そして話す人は話す人たち同士で、聞く人は話す人たちに、それぞれ想いを馳せていき、関係性の変化があったらなお良いと考えていました。



手紙

手紙のワークは1月の企画段階からやりたいと考えていたワークでした。
人間賛歌の企画を制作している、地域密着型一人演劇ユニット『赤キノコ山と蒸したお酢』では”暮らしの中でつながるドラマ”という言葉を用いて、
劇場の空間ではなく、日常生活の中で演劇的でドラマチックな瞬間を起こしたいと考えて制作しています。

個人的に、手紙は相手のことを想って書くときも、渡そうか悩んでいるときも、渡せずにずっと持っているときも、直接渡すときも、何かしらの感動がある気がしています。
その感動をお客様に自然と感じてもらうためにはどうすれば良いのかを練っていきました。

変更前の企画整理書ではお客様に書いてもらった手紙を回収する予定でしたが、対話のワークの流れから、それぞれの大切な人やものに向けて書いてもらい、そのまま持ち帰っていただき、決心がついたタイミングで直接手渡ししていただくことを考えました。
お相手が他界されていた場合は、お供えをしたり、目の前で読んでいただくことを考えていました。

※振り返りながら、お相手の行方が分からない場合については何も考えていなかったと気づきました。

手紙はとても個人的で繊細な部分が表れるものだと思うので、言葉かけや取り扱いには充分に注意してワークを進められたらと感じていました。
変更後の企画整理書でも、次回の第4場「歌」の制作のために許可を得て内容を記録するとも書いていましたが、ワークを考えるうちに、こちら側が完全に知らない方が安全であると思い始め、やめることにしました。



朗読「あなたへ」について

共同制作で入っていただいたfukoさんと西條 快くんとは、人間賛歌を始める前から交流があります。「あなたへ」で用いた2編のお手紙は、昨年にプレ開催したワークショップからの流れで共同制作を行いました。



テーマは”大切な人に向けた手紙”でした。
ものがたり合作ワークショップ「Spell.」はある程度まで進んだものの、オガワを含めたそれぞれの状況の変化により、7日間というスケジュール感では完成が難しく、中断という形になっていました。

時間が経ち、人間賛歌「賛」で手紙を用いることにしたときに、「Spell.」で制作していた”大切な人に向けた手紙”を形にできたら良いなぁと思い、お二人に共同制作のお声がけをしました。

西條 快くんとは「過去の自分に向けた手紙」を制作していました。
その後「過去の自分がある時期に感じていたことを表現した詩」という形で完成し、演出も相談しつつ、朗読させていただくことができました。

fukoさんとは「家族に向けた手紙」を制作していました。
その後「fukoさんのおばあさんからfukoさんに向けた手紙」をお預かりすることになり、朗読させていただきました。


「あなたへ」は対話と手紙のワークの間にはさまるように時間を設定しました。朗読で「大切な人に向けた手紙」を扱うことで、手紙のワークにすっと入りつつ、手紙そのものや書き手について少し想いを馳せてもらう時間になれば良いなと考えていました。



展示「賛」について

第1場・第2場とさまざまな制作物を作成し展示してきましたが、展示「賛」では対話の雰囲気を作りやすくするため、できるだけシンプルな方が良いだろうと考えました。

plumcafeのシンプルで温かみのある空間を活かすために、展示する場所を棚に限定しました。その棚に「大切なもの」を可視化することで、色んな人の”大切”の価値観があり、見た人が想いを馳せられる展示にしたかったです。

カフェ「アトリエ憩」の空間にも合うように、オレンジの照明で仄暗い感じがあればより良いかなとも考えていました。



8月5日~7日 人間賛歌第3場「賛」開始、バランス感覚の学び

スケジュール的に余裕がなかった制作期間を終え、開催にいたります。
少しずつ振り返ります。



スケジュール

企画書段階では当日の予定スケジュールはこんな感じでした。

タイムスケジュール
16時 準備。
照明など、場を整える。

17時 開場、カフェ営業。
和やかな雰囲気をつくる。「対話」「手紙」を順々に行う。

18時
19時
20時 パフォーマンス。
21時 閉場。お見送り、清掃など

スケジュール通りには進められてはいたものの、対話のワークの時間調整が難しく、お客様が落ち着いてレポート展示を観る時間を取れていませんでした。終了予定の20時を少し過ぎて朗読に移ったこともありました。

朗読を終えた後も、お客様に手紙を書いてもらい、展示のための大切なものを付箋に書いてもらい、人間賛歌「賛」のアンケートを書いてもらい、というように、お客様の作業量がとても多くなったため、21時の閉場が余裕を持って行えていませんでした。

第2場「間」で感じた、体力的に余裕を持った当日スケジュールを組めたことは良かったものの、練り切れていなかった部分があったように感じます。



予算・支出と収入

企画書段階で考えていた予算案です。

予算案
撮影費+交通費    4,000円(3時間3,000円+1,000円)
雑費          15,000円
滞在費、交通費など   11,500円
広告印刷費       5,000円
支出予想        計35,500円
元手資金        14,500円
 
経堂アトリエさん
広告費(2,500円分)とコーヒー豆代(1,500円)を支援していただく。

撮影費+交通費4,000円は、初めてご一緒する喜嶋さんとご相談し、結果的に7,840円と予算案を上回ることになりました。

雑費15,000円は、DAY DRIP COFFEEさんのドリップ講座や、コーヒー豆の購入費、レポート展示に必要な道具、「賛」の小道具などに用いました。
コーヒー豆は経堂アトリエでカフェ営業を行うときに用いるとのことで、支援していただけました。
ざっくりとですが、10,000円ほどに収められていたように思います。

滞在費・交通費11,500円は、スケジュール的にそこまで経堂に通わなかったものの、住んでいる地域がもともと離れていることもあって、12,000円ほどかかっていたように思います。

広告印刷費5,000円は、DM印刷が安かったこともあり、2,267円と予算範囲内に収めることができました。また、その半額を経堂アトリエさんから支援していただけたことも大きかったです。

ざっくりと、支出予想の35,500円を下回ることとなりました。
今回も会場費として、経堂アトリエさんに総売り上げ9,500円の半分の4,700円をお支払いし、残りの4,800円が収入となりました。

※総売り上げの内訳
・カフェ「アトリエ憩」 2,500円(お代わり含む)
・朗読「あなたへ」   1,000円
・フリーパス      6,000円



アンケート分析

今後の企画の進め方・パフォーマンス向上のために、お客様の情報をデータにしてまとめてみようと思います。

動員
8月5日 0名
8月6日 2名
8月7日 6名 

年齢層
20代 4名
30代 1名
50代 2名
未回答 1名

地域
東京都 7名(うち世田谷区 1名)
埼玉県 1名

イベントを何で知ったか
関係者から 5名
Twitter   3名(+1名 複数回答)

次回のイベントに
参加したい 8名


動員数的には第1場・第2場と比較して一番少なかったように思いますが、会期が3日間だと考えると、最終日はぎゅっと密度の濃い時間を過ごした印象があります。

年齢層については、人数的に見ると20代・30代と50代の世代の二分化があったと感じます。オガワのTwitterや近しい人への声かけができず、20代~40代年齢層の方々に情報を届けれらなかったと考えています。

地域については、東京都がやはり多いです。第1場・第2場と比較して他県からの出入りが少なくなりました。

イベントを何で知ったかは、「関係者から」「Twitterから」が今まで同様多くなりました。宣伝に力を入れられなかったものの、前回いらしてくださった方々が再度いらっしゃったことが理由かと思います。

第2場「間」のメインターゲットは経堂をあまり知らない方々でしたが、今回のメインターゲットはオガワのお知り合い、関係者の方々でした。
あわよくば、経堂在住のオガワのお知り合いの方々にお越しいただけたらとも考えていました。
以前から人間賛歌の企画を見守ってくださっていた方がいらしたり、友人・知人に来てもらえたことが良かったです。


今回はアンケートの最後に次回のイベント情報を告知できるようにするための欄を追加しました。



回答してくださった方が数名いらしたことが嬉しかったです。



展示・ワークなど

カフェ「アトリエ憩」の対話のワーク前の雰囲気の作り方について振り返ります。
対話の前には和やかな雰囲気を作っておきたいと考えていました。
コーヒーを淹れる作業は、お客様とお話しながら淹れることを想定していましたが、実際にやってみると思った以上に会話に集中できないことが分かりました。お客様が一気に複数人いらしたときの対応も練り切れておらず、長谷川さんにコーヒーを淹れる作業を任せてしまい、オガワは会話に専念する形となりました。

おそらく、普通のカフェとは異なり、イマ-シブシアター的なカフェにしたために、普通のカフェに来たときのようにフラットな会話を始めるハードルが高くなってしまったのではないかと思います。
制作段階で想定していた和やかな会話の雰囲気が生まれず、オガワがそこに加わって雰囲気を柔らかくする必要ができてしまい、結果的に長谷川さんが一人でカフェ業務を行うことになった、という感じです。

そうなった場合は、コーヒーを淹れるまでレポート展示の方にお客様を促したり、ステートメントを読んでもらうなど空間に意識を促したりと、慌てずに対応できれば良かったと思います。


対話のワークについて振り返ります。
スケジュールの部分に対話のワークの時間配分がうまくいかなかったことを挙げました。その理由は、

・オガワが対話のワークにおいて、ある程度の対話の内容や空間の深まりを求めていた。
・哲学対話の場の実践が足りなかった。

があるのかなと考えました。対話のテーマである「(自分の)大切な人やものについて」を進めつつ、「賛」のテーマである「想いを馳せる」も同時に進めることで、どこかのタイミングで参加者それぞれの心の中でテーマがつながり、深まるような瞬間があれば良いなと期待していました。

意図した瞬間はいくつも起きていて、お客様一人ひとりの発語が変わっていったり、他の人の「大切」について、深く理解しようと聞きにいかずにそっとするような空気感のつながり方も生まれてきた感じがします。

「大切」の対話が深まった状況=それぞれの個人的でプライベートな内面の部分が見えてきた状況だとしたら、そこに達したときがおそらく終わりどきで、それ以上は踏み込まない。

3時間で、参加されたお客様一人ひとりの言葉から人生が垣間見えるような、期待していた時間になったものの、もしかすると3時間でそこまで行くのはお客様にかなりの負荷をかけることで、期待していたものを追いすぎて別の終わりどきを通り過ぎていた可能性があったのではないかと振り返りました。
哲学対話の実践をより多くしていれば、適切な時間で行えたのではないかなとも思います。


対話のワークでの声かけや、場のバランスの取り方についても振り返ります。できる限り心理的に安全で、安心できる雰囲気を作りたいと考えていました。しかし、いくつかの声かけができなかったことを反省しています。

お客様の中で話している最中に目が少し潤んで、声も小さくなったとオガワが感じる時間がありました。
対話のワークを始める前に「話しているときに辛くなったら、途中で止めても大丈夫です」という声かけができていたり、話の流れに割って入って一言添えることができれば良かったと感じています。

オガワ自身や他のお客様の発言が、上記で述べた対話のルールに則っているのか、相手や場を乱す危うさがないかを判断することも難しかったです。言葉を選んだものの、どんな言葉が危うさにつながるのかが分からないため、お客様の表情や様子をずっと観察しました。

きっと、そのあやふやな部分は話し方・聞き方、場の作り方、声かけ、人権(LGBTQ+を含む)、ハラスメントなどさまざまな視点をグレードアップしていくことで判断できるようになると思います。
「賛」のお客様の中から、発言や場についての言及はありませんでしたが、学び続けたいです。


朗読を終えた後の流れについて振り返ります。
お客様の作業量がとても多くなってしまったことを改善するには、アンケートはQRコードなどで読み取れるものにし、その場で、紙に書きこまなければ回収できないデメリットをなくすようにできたら良いなと思いました。
展示の付箋は対話や朗読の時間の調整によって、余裕のある時間を作れたら促しやすかったのではないかと思います。


手紙のワークについて振り返ります。
手紙はプライベートな部分が書かれることを想定していたので、記録写真の撮影には許可をいただく声かけをしようと考えていました。
しかし実際の場では失念しており、企画が終わってから個別でご連絡をして、記録写真の掲載許可をいただきました。
お相手に直接手渡しできない場合の声かけも失念していました。


カフェ「アトリエ憩」は振り返ると、良かったと感じる部分と、配慮が足りなかったと感じる部分が多い内容でした。別のテーマになるかもしれませんが、またどこかで行う機会を設けたい内容なので、きちんと練っていきたいです。



イベント後、レポート制作など

create model けい では、企画したもののレポートをできるだけ書くようにしています。創作ワークショップのレポートだったり、今回の「賛」のレポートが主にそれにあたります。
さらに、月ごとの活動をまとめたレポートがあります。
今回のレポートのように、企画を一歩引いた目線で書くようにしています。
最終的に年間レポートとしてまとめを書きます。

企画レポートは、企画に来ていないお客様に雰囲気が伝わり、興味を持ってもらえるように試行錯誤をしています。追体験のような感じを意識しています。今回も最終日の8月7日のみの撮影でしたが、喜嶋さんに撮っていただいた写真は物や光の質感を感じられる写真で、対話のワーク中の写真はどれを使うか悩みながら、より質感があると感じたものを選びました。

「賛」イベントレポートは現在20回ほど閲覧されております。
「人」イベントレポートは175回、制作レポートは80回。
「間」イベントレポートは50回、制作レポートは42回。
とても嬉しい気持ちです。
今後も少しずつ興味を持っていただけるようがんばります。


まとめ、次回に向けて

良かったところ
・体力的な面を踏まえて、当日スケジュールを組めたこと。
・アンケートを修正できたこと。
・スケジュール的に余裕がなかった中で、無事に終えられたこと。
・対話や手紙のワークについて、大きな問題がなく終えられたこと。
・参加者の一人として、お一人ずつに想いを馳せられたこと。
・大切な人やもの、価値観、関係性についてふれた感想を多くいただけたこと。
・予算が想定内に収まったこと。
・イベント終了から約2週間経ち、コロナ関係のご連絡がなかったこと。


もっと工夫が必要なところ
・イベント前のスケジュールを余裕のあるものにすること。できない場合は、バランス配分を考えること。
・哲学対話やオープンダイアローグのような対話の実践は、スモールステップで練習を重ねてから本番を迎えること。
・安全な場の作り方や声かけなどについて、さまざまな視点から学んでいくこと。
・アンケートをQRコードなど、その場回収でないものにすることも考える。
・(助成金、補助金の申請をすること)


バランス感覚の学びについて、

・生活の中で意識が分かれて、一緒になったこと
・オープンダイアローグ
・人と向き合うときに気をつけていること

から書いていきたいです。

第2場「間」の制作レポートで、人間賛歌では人や街と”時間”をかけて”向き合い”、”対話”をしながら”関係性”を深めたかったんだと納得した出来事について書きました。

その後、私生活で普段の仕事を行いつつ、7月末の舞台出演に向けた稽古と並行して、第3場「賛」の制作を進める生活をしました。
思った以上に舞台の稽古に意識が向き、「賛」については私生活の空いた時間で考えることが多くなりました。

しかし、役作りで考えていたことと「大切な人」についての考えがつながる部分がありました。


This is ME!!


役作りについて話すと長くなってしまうので、ざっくりと。
このYouTube番組を観ていたときは、自分自身について考えていました。
自分の好きな部分や好きなものをできる限り見つけるようにしました。



昔のnoteに自分の名前が大好きだということを書いていました。
この役作りの期間を通して、名前以外にも自分の茶色の瞳、長い首・手足、長いまつ毛、太い眉、大きめの手、隠すことがいやで正直なところ、好奇心があるところ、寂しがり屋なところ、子どもっぽいところなど、自分自身だけでもたくさん愛着が湧くようになりました。
可愛いものが好きで、人形は子どもの頃から大切に扱い、今でもたまに一緒に寝たりします。イヤリングやネックレスも好きです。
アツいものも好きで、アツいアニメや漫画を語れます。夢とか友情とかめっちゃ好きです。本や、和の雰囲気も大好物です。
そんな感じで、自然と身の回りに好きなものを固めていることが分かりました。

こうして自分のことを知ると、他の人はどうなんだろうと気になるようになりました。好きなものを知りたい、大切な人について聞いてみたいと感じるようになりました。今まで以上に”人”について興味を持ち始めて、この気持ちが「賛」へのモチベーションになっていました。


オープンダイアローグを7月2日に体験をして、その翌日の早朝に、胸がきゅうっとなるような寂しさを感じてしみじみと泣きました。
きっと、オープンダイアローグで話を聞いてもらえていた実感や、リフレクティングの手法で、自分の話を相手がどう感じていたのかが分かる嬉しさが胸の中に満たされていたものの、時間が経ってそれらの感情が薄くなり、その隙間に寂しさが入ってきたんじゃないかなと考えています。

お借りした本を読んで、オープンダイアローグはなんて丁寧で繊細なんだろうと感じました。漫画としていくつかの事例が載っているのですが、その一つひとつが相手を尊重し、向き合っているように思いました。


ハーモニーではなくポリフォニー
対話による治療というと、エンカウンターグループのように、それぞれの主体性を溶かしてひとつに融合させ、癒されるといったイメージをお持ちの方がいるかもしれません。あるいはハーモニー、調和のようなイメージでしょうか。しかしそれはまったく逆です。
他者は、自分とは決定的に違うし、他者を自分と安易に同一化することは間違っているという認識——これがオープンダイアローグの一貫したテーマです。それをポリフォニー(多声性)という言葉で表しています。

まんが やってみたくなるオープンダイアローグ 73p より


このポリフォニーの言葉が心地よく感じられました。
少しずつ大切にしたい価値観が明確になり、その価値観を磨く方法を知りました。


僕が人と向き合うときに気をつけているのは、丁寧さや、繊細さや、瞬間を見逃さないようにすることです。
僕は普段の仕事で子どもたちと関わっていて、僕の言動一つでトラウマを植えつけてしまう可能性、信頼し合える間柄になれる可能性を考えながら関わるようにしています。たぶんそれは大人も同じで、たった一つの言動で目の前が真っ暗になり、落ちていくんだと思います。逆に、たった一つの言動で愛し、勇気づけることが可能で。
そのたった一つでどちらにも振れてしまう繊細さを見極めるために、丁寧に、ゆっくりと、相手のことを知っていき、言葉をかけていきたいです。
目の前の人を尊重し、愛し、その人と幸せに過ごすために、その瞬間のバランス感覚をいつまでも磨き続けたい。
「賛」の制作期間から本番まで、「大切」について想いを馳せることができたように思います。
想いを馳せるという行為は、やっぱり自分の中で相手のことをたくさんたくさん考える行為なのかも。


次回の人間賛歌「歌」で終わります。
この制作レポートを毎回最後まで読んでくださっている方と、ぜひお話したいです。本当に、本当にありがとうございます。
最後まで、よろしくお願いいたします!


リンク集





Coffee Talk


参考図書 『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』
まんが:水谷 緑
解説 :斎藤 環
出版 :医学書院


This is ME!!




いただいたものはすべて創作活動にあて、全国各地を回って作品をつくったり、地域に向けた演劇活動の資金にします。「たった一人でもいいから、人生を動かす」活動をより大きく、豊かに頑張ります。恩返しはいつになるか分かりませんが、必ず、させてください。よろしくお願いします。