見出し画像

「お茶をテーマに静岡を巡る」 旅行記(5)島田市・後編

2024年のGWにお茶をテーマに静岡を巡りました。その時の体験を要約した旅行ガイドを公開しましたが、こちらの記事では写真を交えながら、旅の様子をお伝えします。旅行ガイド編では扱えなかった内容も含みます。第5回目は島田市・後編。

前回の旅行記はこちら


概要

行程
マップ

ふじのくに茶の都ミュージアム

 お茶の産業・歴史・文化を学べる体験型の博物館。茶道、抹茶挽き、茶葉のブレンド、世界のお茶などを体験でき、広大な敷地内には小堀遠州の茶室と庭園が復元されている。前身は島田市(旧金谷町)が1998年に設置した「お茶の郷」で、2015年に静岡県に移管され、改修を経て2018年に開館。

外観
乗用型摘採機がお出迎え。座席まで登れるまさかのネ申展示。
「こいつ…動くぞ!」(動きません)

常設展

 常設展では、茶の起源、世界への広がり、日本と静岡のお茶について、産業、文化、歴史、民俗、機能性の観点から展示されています。

発酵度で説明されがちなお茶の分類も、きちんと製法で説明しています
世界の茶葉がずらり。引き出しを開けて、実物の茶葉に触れることもできます。
中国上海の「豫園」の茶館「湖心亭」が復元され、中にも入れます
栄西による日本初のお茶の専門書「喫茶養生記」
昭和中期の製茶機械(揉捻機)。現在とほとんど原理は変わりません。
明治時代の茶畑。機械化前のため、茶樹は畝状の列ではなく、株ごと。

企画展「蒸し製煎茶 喫茶の変遷」

 2024年1月3日〜5月27日の会期で企画展「蒸し製煎茶 喫茶の変遷」が開催されていました。江戸中期に発明され、売茶翁や文人により日本独自の喫茶文化として発展した「蒸し製煎茶」が、様々な時代でどのように飲まれてきたかが展示されています。

売茶翁の漢詩を集めた「売茶翁偈語」。扉絵の肖像画は伊藤若冲の作。
江戸時代の文人・陶工の青木木米の「南蛮写 急須」
現代の最新の「蒸し製煎茶」の抽出機器も展示されていました。

抹茶挽き体験

 石臼で抹茶を挽く体験ができ、自分で挽いた抹茶は持ち帰ることができます。

上の穴から碾茶を投入し、粉末になるまで結構時間がかかります
石臼の溝の様子

お茶のブレンド体験

 煎茶の合組を予想していたら、煎茶(浅蒸し・深蒸し)、釜炒り茶、紅茶、ほうじ茶をブレンドするユニークな方向性でした。筆者は釜炒り茶 : 紅茶 : ほうじ茶 = 2 : 2 : 1の比率でブレンドし、謎茶を爆誕させましたが、香ばしくそれぞれのお茶を感じられ、面白かったです。

並べられた茶葉。おすすめのレシピもありました。
謎茶爆誕!

牧之原ティーテラス体験

 屋外のテラスで牧之原大茶園を眺めながら、お茶を楽しめる・・・はずが、あいにくの雨で、室内での体験に。自分で淹れる温かいお茶と、冷たいボトリングティーの2種類から選べます。

自分で淹れる方では、お菓子も付属します
牧之原ティーテラス。屋根がないので、雨の日は非推奨。

小堀遠州の庭園と茶室「縦目楼」

 江戸時代の大名茶人・小堀遠州が、1634年に手掛けた後水之尾院の仙洞御所の東庭を復元した庭園。茶室「縦目楼」は、京都の石清水八幡宮の滝本坊と伏見奉行屋敷の一部を復元したもの。

茶室「縦目楼」
小堀遠州の庭園

カフェレストラン「丸尾原」

 茶を用いたスイーツや料理を提供するミュージアム併設のカフェレストラン。茶蕎麦、肉茶漬け、緑茶を飲んで育った「TEA豚」の料理などがいただける。

通常の2.5倍の抹茶を使用した茶蕎麦に、静岡県産の本わさび、豚角煮。

 何かの旅行ガイドで所要時間30分って見たけど、色々な体験をしているうちに3.5時間が経っていました・・・(笑)
 以上、島田市・後編の旅行記でした。次回は牧之原市の旅行記です。

 X(Twitter)でもお茶や茶器について投稿していますので、ご興味に合いましたら、ぜひフォローを。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?