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『モノに心はあるのか動物行動学から考える「世界の仕組み」』意識って何?

今回は、
森山徹氏著書の
『モノに心はあるのか
動物行動学から考える「世界の仕組み」 』
を読んで、なるべくわかりやすく解説していきます。


この本では、
「普通そこまで考えないわぁー!」
ということを
動物行動学から読み解き、
心とはどういうものか、
そしてモノは心をもっている!
と着地していることがすごくて、
面白かったです!
いい本でした〜
ちょっとわかりにくいところ多かったんで
時間めっちゃかかりましたが笑


以下内容まとめていきますー!


朝起きて、マグカップを手にする
それはなぜでしょう?


コーヒーを飲みたかったからです

でも、それはなぜでしょう?
と考えると無限に遡れますよね


しかし、ここでのポイントは
複数の欲求から一つの
「コーヒーを飲みたい」
という欲求を選択したということで、

同時に
「歌いたい」
「カレー食べたい」
などを思っていたのに、

それを無意識に選択して、
他を抑制して
一つをでっち上げているという感覚なんですね

行動は、複雑に絡み合っていて、
相互的に影響しています。

そして一つの行動も
毎回、質的には異なるのです。

(ご飯もどんな風に、どんな感情、どんな場所でどんな日に食べるかは毎回違いますよね)


だからタイムマシンで過去に戻ろうが、
選択肢が無限で、影響し合ってるので
どうなるかわからないんですね



コミュニケーションも、同じです
一人が一つのことを発しても、
相手がそのまま受け取ることは不可能です


すなわち、
コミュニケーションには、
必ず誤解が生じるんですね


だから、
もはやコミュニケーションは
同じものを共有するのでなく、
無限の選択肢から選び出し、
新しいものを作り出している創作と似ているといいます



では、言葉で表現する過程、
すなわち「意識」と「心」との間のコミュニケーションはどうなっているのでしょうか。

まず机の上に白い陶器があることを想像してみてください

これを
「マグカップだ」
と表現します。

この時
「意識」は一部(持ち手とか)
を見ていているだけで、
ぼやぼやした全体像しか捉えることができないんですね(そうなの!!?)

そしてマグカップの一部に対して
言葉で「マグカップだ」と言います
しかしまだちゃんとわかっていません

そこで「心」が登場して
全体の範囲を決めて
「意識」が言っていることを確かにするんです


つまり、
人は、言葉を使う時
実は意識で、ぼやっと捉えていて
はっきりわかっていないけれど
言葉を使って頭で宣言してみて、
その後心で解釈して、明確にしているんです

これでも本からだいぶ抽象度下げたんですが、
よくわかりきらなかったので過去の具体例を考えてみました


この前、コンビニの前を何気なく歩いていたのですが、急にお酒のことを考え出したんですね
(普段ほぼ考えないのに)

で、その時、
なんでそんなこと思ったんだろう?
って遡って考えてみたんですよ

それは、通り過ぎたコンビニを振り返って
わかりました。

その看板に「お酒」と書いてあって
それを顕在的には見えていなかったけれど
意識上でぼやっと認識していて

頭で勝手に「お酒」のワードが処理されて
頭から「お酒かぁ〜」と出てきて

全体像を明確にイメージするところで
心がでてきて「飲むかー」
みたいになっちゃったか笑

と意識で捉えていたものが思考に影響したのだな!とわかりました
同時に、
見たもの全てが影響するということに気づきました。

きれいに整った空間がいいのも
きれいな景色を見るのがいいのも
今までほとんど理由はわからなかったのですが
環境が意識に影響し思考に影響することが
自分の中でつながってきました


マザーテレサの言葉にこんな言葉があります

『思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。』

有名で、めちゃくちゃいい言葉ですよね
しかし、今回この素晴らしい名言に、手を加えたいと思ってしまいました(罪)

僕は、この件を通して
始めに
「環境に気をつけなさい、それはいつか意識になるから
意識に気をつけなさい、それはいつか思考になるから」
を入れるなと思いました!笑

部屋整えよっと!



そして後半
心とは何なのかというと
「個性を生み出す仕組み」だといいます

個性は、行動に出ますよね
その行動はどう決まるのかというと
動物行動学で紐解けます


ここでトビウオの例が出ました
トビウオって縄張りに入ってきたライバル雄を攻撃するのですが、この行動はどうやって出てきたのかという話です。

簡単に言うと
刺激によって一つの欲求ゲージが高まると、次の欲求ゲージに移り、ということを繰り返して
ライバル雄を攻撃する行動につながっていくんですね

そしてその欲求ゲージがどれだけ溜まっているかは個体ごとに違いがあります

これが、個性につながるということです

人間でいうと、
例えば、知的欲求のゲージをためていくと、
動物行動学について知りたいという欲求のゲージにいき、
そして心理について知りたいという欲求のゲージにいき、ということを続けてやっていって
大学教授になり自分にとって面白いこと
ダンゴムシ、モノゴトの心を研究しようってなっているという個性が出たのがこの著者だと思うんですよね


このように、行動というのは
筋肉や骨格などの「量的な差異」だけでなく
心という「質的な差異」で変わっていくのです


よく「マインドセットが大事!」というのは
このことも表していますね。

また、ダンゴムシにも心があり個性があることがわかっていて
未知の状況において行動と環境の間で
「おかしい」
と心を変化させ、新しい行動ができる個体がいます
型破りな性格のダンゴムシは普通なら選択できない行動ができたという研究がありました


ここからいえるのは
全く一つ(無個性)からなるモノは存在しない
ということです

こうした中で、石にも心はあるといいます
石は、表面が大気ら土から作用を受けています。
石はそれで劣化するのですが、
速度は石によっても調整されます。

劣化ははがれ去る石の分子とはがれない分子との結合が切れる瞬間は両分子によっても決められるんですね

だから石にも心があるとみれるといいます

したがって、石を未知の状況に置くことで予想外の行動、例えばありえないような変形を見出すことができるはずです



予想外の行動を引き出す未知の状況に置けるのは、
石を思い通りに割る石器職人です

彼らは石器を作る過程でハンマー石で何度もうち割り、
目標の形へ整えていくのですが

初心者より小さな力で、思い通りに石を割っているのです


固くて割れないモノの代名詞の石を
思い通りに割る、彼らは石の心を理解していることになるのです

これは面白いなと思ったのですが
実際に、彼らは石を割った時、

「割ってやった」と思うのでなく
「割れてくれた」と思うそうです

割ろう、割ろうとしてないわけなんですね

彼らは石により響き方は同じだけど振動は違うなどの石の個性を理解しています

石が発する振動をキャッチして

石の自律性に任せて割れるという行動を引き出しているというのです

だから彼らと石は心を通わせているといえるのです


僕は感覚が高くて驚いたと同時に
これは素敵な考え方だなと思いました

何かうまくいったら
自分の力でいけた〜
って思ってしまいがちなところで
いやいやモノの力だよ
と言えるのはすごいなと思います。


最後まとめに入ります

モノは、

私によって理解、説明、制御、言語化された
外側の対象で
特定の属性や規則に従っているものと
理解されますが

実際は、個性があり、その属性や規則に合わない部分を常に新しく「生み出そう」としています
モノ自体もヒトの心と同様に変わっているということですね

だから常にモノと新しい関係を作り続けることでモノと付き合えるのです


著者は最後に
心とは
「私たちに見取り図や景色のようなものを与えない、決して懐かない原動力を生み出す何者か」

と表現しています

これを理解して
モノは区別はするけど差別はしない
という姿勢を取ろうと言っています

これはつまり
モノはいろんな種類があって、
それぞれ属性や規則があるが、
それによって役割を固定化させるのは
残念だし、勿体ない
もっとすごい力があるという信頼を
常に持ち続けることが大切だよね
と言っているのだと
僕は解釈しました


今までは本当にモノの心を全く理解しようとできていませんでした。
モノを自分の思いのままに動かせると思っていて、個性がある、自発性があるということを考えてこなかったのです。

しかし今後はもっと愛を向けて、
通じ合えるような関係性をずっと作り続けていきたいなと思います!

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