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アガサ・クリスティー原作ドラマ・映画を観た感想

ミステリー好きで、これまで数多くの小説やドラマを見てきましたが、アガサ・クリスティーの小説や原作のドラマは、なぜかこれまでほとんど見たことがありませんでした。特に避けてたと言う訳ではないのですが。🤔??

もちろんタイトルはよく知っています。『そして誰もいなくなった』『ABC殺人事件』『オリエント急行殺人事件』等々。しかし内容を知ってるのは『ABC殺人事件』のみ。

そこで今回ちょうど配信で見たい番組が無くなったタイミングにこのことに気づいたので、クリスティー原作のドラマや映画を見てみることにしました。今回はその感想です。

なお多少ネタバレも含みますので、もし嫌であれば見ないで下さい。

そして誰もいなくなった(1945年映画)

まず最初に見たのが 1945年制作の映画『そして誰もいなくなった』。こちらは Amazon プライムビデオで見ました。

今から 77年前の映画なので、映像は当然白黒。完全に白飛びしてしまってるシーンもありました。俳優さん達も当時なのでいかにも「演技してますよ」と言う感じでしたが、これはこれで味わいがあり良かったです。

そして内容は"絶海の孤島"で起こる"見立て殺人"。今日見られる様々なミステリーで描かれる定番ですが、この作品がある意味原典なのかなと。そう思うと一層楽しめました。😊

ただ問題はラスト。タイトルからも推測できますが、この作品は「最後に誰もいなくなる」と言うのが話の肝…のはず。しかし映画会社がそう言うバットエンドを嫌ったのか、この映画ではそうならない展開に…😅

ただ映画としては面白かったです。しかし見終わったあと気になって Wikipedia のページで原作のあらすじを調べると、やはりラストは「最後に誰もいなくなる」でした。😅

そして誰もいなくなった(2015年ドラマ)

次に見たのが 2015年制作のドラマ「そして誰もいなくなった」。こちらはかなり原作に沿ってるとのことだったので見ました。ちなみにこちらも Amazon プライムビデオで見ました。

『1』の 1945年制作の映画と比べると、かなり丁寧に各人物の人物像が描かれた作品。映像的にも内容的にも結構良かったです。なので、もし「そして誰もいなくなった」の映像版が見たいのであれば、こちらの方をお薦めします。

ただこちらもラストは少し腑に落ちませんでした。これは 1945年映画の方もそうなのですが、犯人はとある物を設置したら最後の 1人がなぜ自殺すると考えたのか?しかも1945年映画の方は、かなり強引なやり方で。一方 2015年の方はそこまでひどくはないものの、流れ的にちょっと不自然な感じがしました。

ちなみにこの点に関する部分は、両方とも原作とは違うみたいです。😅

オリエント急行殺人事件

次に見たのは 2017年制作の映画『オリエント急行殺人事件』。名探偵ポアロが活躍する作品。こちらはディズニープラスで見ました。

ちなみに Amazon プライム・ビデオでも有料レンタルで見ることができます。

実際運行されてたヨーロッパを横断する夜行列車「オリエント急行」の中で起こる密室殺人を描いたドラマ。

内容はとても面白かったです。ラストもちょっと意外でしたし。😊

ただ映画的には少し過剰演出が多かったように思いました。冒頭のポアロのキャラ紹介的なシーンや雪崩のシーン等々。

あとポアロは原作では「ちょっと神経質な小男」と言うキャラクターですが、この映画ではあまり神経質には見えず…。あとポアロを演じたケネス・ブラナーさんは身長 177cmと小男とは言えないので、その点が少し違和感を感じました。😅

アクロイド殺人事件

ポアロと言えば、やはりドラマ「名探偵ポアロ」シリーズで長年ポアロ役を演じていたデヴィッド・スーシェさん。原作にもっとも近いポアロ役と評される人物です。

…と言うことで、次に「名探偵ポアロ」シリーズの中からいくつか見ました。

以前ブログに書きましたが、現在アマプラでこの名探偵ポアロシリーズが有料レンタルで見られるのですが、各シーズン 1話目が無料となっています。その 1話目が結構名作揃いなので、その中から厳選して見ました。😊

まず最初に見たのが「アクロイド殺人事件」。ポアロが探偵業を引退して田舎暮らしをしてる時に起こる殺人事件で、意外な犯人、劇的なラストがとても印象的でした。

ちなみに Wikipedia の記事によるとかつて行われたアガサ・クリスティー作品の人気投票で 2位になるなど、日本で人気のある作品のようです(※. 1位は「そして誰もいなくなった)。

スタイルズ荘の怪事件

次に見たのは「スタイルズ荘の怪事件」(※. 注意:この作品には戦争の映像があります)。

アガサ・クリスティーの商業デビュー作で、ポアロ・シリーズ最初の作品。上記の「アクロイド殺人事件」とは対照的に、こちらはポアロがまだ探偵業をやる前の話です。

内容的にはまずまずと言ったところ。ただ薬を買いに行ったのが共犯者と言うのは、ちょっと無理があるのではと…😅

ABC 殺人事件

最後に見たのは「ABC 殺人事件」。こちらは以前 NHK で放送していたアニメ「アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル」で見たことがあったのであらすじは覚えてたのですが、あらためて見てみて、今回紹介した中で一番おもしろかったです。😊

ポアロに届く謎の手紙から起こる連続殺人。サスペンス要素も強く、ラストの展開もとても良かったです。本当傑作だなと思いました。もし今回見た作品の中で「一押しは?」と問われたら、間違いなくこの作品です。😊

予告殺人

ミス・マープルシリーズの中で一番の人気作と言う「予告殺人」が Amazon プライムビデオで見られたので、こちらも見てみました。

人間関係が少し複雑で、話の内容的には悪くはなかったですが、BGM が非常にほんわかしていて、それが結構気になりました。

あとミス・マープル役の女性がほんとうに普通の老婦人と言う感じで、原作もそうなのかもしれませんが、あまり魅力を感じませんでした。😅

ちなみに2022年5月現在、Amazon プライムビデオでミス・マープル シリーズのシーズン1・2が見られます。

ねじれた家

Netflix で、クリスティーが自身の作品の中でベストの1つに挙げたと言う「ねじれた家」の映画が配信されてたので、こちらも見てみました。

ちなみに上記の他の作品は全て第二次大戦前が舞台となってますが、この作品は第二次大戦後が舞台。原作が書かれたのは 1949年とのことなので 1949年が舞台かなとも思いますが、Wikipedia によると映画版はいろいろ設定が変更されてるらしいことや、作品中でロックが流れてることなどから、1950年代以降が舞台なのではとも思われます。

内容的にはまさにミステリーの王道。巨万の富を持つ富豪が殺され、ひとくせもふたくせもあるその家族が容疑者として疑われると言うものでした。

感想としては、正直あまりパッとしない映画でした。中盤が中だるみするのと、一部伏線が回収されないまま終わってしまうこと。そして何より犯人は意外な人物だったものの、その人が犯人だとそれまで描かれてた全てが意味がなかったもののように思えてしまい…。何とも言えない気持ちになりました。😅

原作小説

以下は今回取り上げた作品の原作小説です。

カバー画像

この記事のカバー画像は、Unsplash に公開されてる以下の写真を用いました。写真を撮影された Jeremy Horvatin さんに感謝!

最後に

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追記(2022年4月6日)

本文の一部を加筆・修正・変更しました。

追記(2022年4月8日)

カバー画像を変更しました。

追記(2022年5月5日)

ミス・マープル シリーズの「予告殺人」を見たので、その件を追加しました。

追記(2022年5月10日)

「ねじれた家」も見たので、その件を追加しました。

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