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【私小説55】死んでもボールで遊ばない

中一の私。部活動に色々と違和感を覚えていた事に加え、この頃さらに強敵と出会う事となってしまった。体育教師の井出秋江。人生で何番目かは分からないけど、私の中の悪い人、敵、こういう大人になっちゃいけないと思う人。クソ(結局)

井手氏は現代では減ってきたのではないかと思われる、いわゆるスパルタというか(スパルタ氏に失礼)怒鳴り散らかして怒るタイプの教師で、皆が恐れていた。私は運動が壊滅的に苦手で嫌いだったので当然好かれるわけもなく、井手氏からの風当たりは非常に強かった。(理不尽!)

体育館でドッジボールかバスケかバレーか何か(忘れた)をやらされていた日の事。私はうまい事ボールをキャッチしたりドンくさくてできないので、チームで行う競技は皆に迷惑がかかるのが嫌で本当に大嫌いだった。持久走などもかなりきついが、他人には迷惑がかからないから、何倍も球技の方が嫌いだった。

そんなわけで辛い思いで(みんな、生まれてきてゴメン)なんだったかのボールの授業を終えると井手氏が私の所にやってきて言った。
「小さい頃、親にボール遊びしてもらえなかったの?」(外道か)
私は何も答えなかった。
私に先生はいない。


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