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SMILE

手足は痺れ
力は入らず
なにをするにも震える指先

縄を握り掴むことさえ困難なほど
病に蝕まれた肉体


あれほど多くの肢体を絡めたのが
夢であったかのように、、、


この日をもって縛ることを最後にしよう

勝手に約束を押し付けるように
君を最後に選んだ

それでも嫌な顔もせず黙って応じてくれて
ありがとう


かつてのように服を剥ぎとることができない

だから自分で脱ぐよう指示をする

座り込む私の前で
ゆっくりと目の前で露わになる優しい肌

見上げてみるとこんなにも美しいのかと、、、

見惚れている間に全てをさらけた君が
いつものように正座をして頭を下げた

よろしくおねがいします、、、と

呼吸を整え
主とともに寿命を迎える縄に手をのばす

最後にほどこす縛りが
最初に覚えた縛り方になるとは
皮肉なものだ

今かろうじて縛れるのは
後手と胸ぐらい
もう君を吊るすこともかなわない


座したまま私に背を向け
腰の前で腕を組ませる

震える縄が荒く、
隙間を通っていく


加減もできず、力をふりしぼり
かけた時間と想い

されど縛ると呼ぶにはあまりにも
ゆるく、だらしなく身体にまきついた
生成色


今までのどれよりも歪で儚い出来栄え




それなのに君は振り向きざまにこう言った



、、、濡れてます。








君の言葉で気づいた


私は今、
最高の笑顔になっていることを

可能な限り、、、卑猥なことに使わせていただきます!(>_<)