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夫の口癖がきんたまになってしまっている話

最近、夫の口癖がおかしくなってしまった。
始まりは、”ありがたい”という気持ちを口に出すときに「ありがたまきん」と言うようになってから。
私がご飯を作ると、「ありがたまきん。」
私が洗い物を終えると、「ありがたまきん。」
このくらいならまだ「どういたしまして。」と言って流せるレベルであった。
もしかすると皆さんも「ありがたまきん」は常用しているのではないかと思う。

そして、「ありがたまきん」は次第に進化していった。
私が掃除をすると「ありがたまスジ太郎。」
私がリモコンを取って渡すと「ありがたまスジ太郎。」
”たまきん”という、まだ可愛らしかった表現から、”スジ”が入ってくることで生々しい表現へと進化を遂げた。

また、愛犬のぷんたを呼ぶときは、「ぷんたまきん」と呼び始め、
”た”で終わる言葉はもれなく”たまきん”が付いてくるというシステムを理解した。
”太郎”を付けたバージョン「ぷんたまきん太郎」のときもある。

しかし、私を呼ぶときは「スジ太郎さん」と呼んだりする。
「スジ太郎さん」は、語尾に繋がっていないし、私の名前に擦りもしていないので、ただ突発的にそういう言葉で私を呼んでいることになる。
たまに、「スジ太郎さんですか?」と逆に確認を取られることもあり、
そのときは「そうです。スジ太郎です。」と無表情で答えて流している。

それがエスカレートしていくと、今度はなんの言葉の続きでもなしに、いきなり「きんたまスジ太郎。」と口に出すようになった。
ただただいきなり「きんたまスジ太郎。」と一人でつぶやくだけである。
一人でつぶやくときもあれば、私の目を見てつぶやきかけてくるときもある。
この光景は変態そのもので、もし家の中をモニタリングされていたら夫はすごく泣くと思う。

家でだけ言ってるぶんにはまぁいいかとあまり気にはしていなかったけど、
昨日、引っ越し業者の人がウチに来てくださっていたとき、
ついにその人の前で、私に「ありがたまきんスジ太郎。」と夫は言った。
すごくハッキリと言った。
夫は一瞬だけ、”やべ”という顔になったけど、すぐに普通の顔に戻り
引っ越し業者の人との会話に戻っていた。
夫は「ありがたまきんスジ太郎」を一般的に使われている言葉のようにして見せた。
引っ越し業者の人も、『ありがたまきん・・?スジ太郎・・・??』となったのはほんの一瞬だけで、夫のあの平常さを見て、きっと『あ、なんだ、普通に使う言葉なんだ。』とすぐに受け入れ、引っ越しの会話に戻ったに違いない。

なワケあるかと思う。
こういうことがあるので、皆さんもくれぐれも口癖には気をつけていただきたい。

そんな私も小学生の頃、「ただいま」の後に「んげ」を付けて
「ただいまんげ!」と言うのが口癖になっていた時期があった。
妹からはキャーキャーとウケていたこともあり、「ただいまんげ」はもう誰にも止められなくなっていた。
ある日、いつものように「ただいまんげ!」と言いながら家に帰ると、
当時あまり冗談を言い合ったりふざけたりできなかった父が珍しく家にいた。
びっくりして焦った私は、咄嗟に「きょう!」を付け足して、
「ただい万華鏡」という言葉を生み出した。
すでに帰宅していた妹はこちらを見てニヤニヤ笑っていた。
父がその場からいなくなると、
「ヤバかったね、お姉ちゃん。ヤバかったよ。めっちゃウケたんやけど。」
と妹がプレッシャーをかけてくるので、その日は、頼むからマン毛じゃなくて万華鏡で通っていてくれ・・・!と切に願いながら寝た。

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