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原稿を書くのが速くなるコツ

今回は、文章を書く人に向けたエッセイです。

私は長いこと雑誌の編集部におりまして、よく「原稿書くのが速い」と言われます。
一方で、「野本さんは書きすぎ、雑すぎ」とも言われます。

速いこと=良いとは思いません。が、それでも書くスピードを上げるために、どんなことができるのでしょうか。
私がどんな感じでスピードをあげたのか、ご紹介します。

タイピング速度をまず上げよう

大前提としまして、書くスピードは、タイピング速度に影響されます。話すスピード、思考のスピードで書けるようにします。まずはここからです。

「キーボードをみないとタイピングできない」人は、まずは見ないでタイプできるようにするのが第一です。タイピングが遅い人は、訓練で速めておきます。

私もほぼ、話しているスピードで書きます。
座談会を横で聴きながら、ほぼリアルタイムで打ち込める感じです。

タッチタイピング、実は20代の頃、「思考のスピードでタイピングできないか」と思って、かなり練習しています。

やり方は簡単で、最初にキーボードのFとJに人差し指を載せる感じでホームポジションを覚え、あとはローマ字で「あいうえお」「かきくけこ」と順番に練習しました。「aiueo」の位置だけ覚えたら、あとは子音をつけるだけですからね。簡単です。ピアノをやっていたので、ホームポジションさえわかればいける、という確信がありました。

タッチタイピングを覚えると、圧倒的に書くのが速くなり、楽になるので、圧倒的に書く量が増えていきます。もう体の一つのようになるんです。パソコンが遅いとイライラします。

ただ、私、若い人たちみたいにスマホのフリック入力で長文を書くことはできません。これはこれですごいと思う。

今は音声入力が割と使えるので、利用するのもアリです。自分のやり方で、入力を思考の速度に速めていきます。

インプットの量を増やす

ネタがない、何を書いていいかわからない、と言う人がいます。

実は、何も言いたいことがないと、文章ってなかなか書けません。ウンウンあーでもないこーでもない、と考えるとキツいですが、そんな人でも外に出て、誰かに取材すれば、ネタになる訳です。

書くネタを探してしまうのなら、インプットを増やすのも手です。本を読んだり、いろんな人に会って話したり、旅行に行ったり、インプットの仕方はそれぞれでしょう。

自分自身がネタになってしまう方法もあります。ヘンなことをしていると、それだけで人は興味を持ちます。オリジナリティも出せるのです。

日常を書く、という手もあります。私の場合、割と異常な生活をしています。呼ばれもしないのにマレーシアに来て住み着き、とても人様にはお勧めできないような、変なライフスタイルを取っています。

付き合いも外国人が多く、またメディアの仕事というのはいろんな人に会えます。おまけに会社の仕事では実に地を這うような雑用もやってる訳で、現場のドロドロもいっぱい見ることができます。

毎日、面白いこと、常識がひっくり返ることを見すぎるので、書くネタがたくさんあるのです。

量を書くこと

もう一つは、量を書くことです。これは多くの人が言ってますが、たくさん書けば、スピードは上がります。

作家には遅筆で知られる人もいますが、作家ではない一般のライティングなら、ウンウン唸らなくてもある程度までは行けると思います。芸術じゃないですから。表に出すかは別にして、どんどん書きましょう。

私も10代の頃から長文の日記をつける癖がありまして(恥ずかしすぎて捨てるのに苦労しました)、ブログも割とマメに書いていました。

今でも細かい原稿も入れると、毎日、2000-5000文字は書いている気がします。目の方がしょぼしょぼしたり、手が疲れたりするので辞めます。そして、プールに泳ぎに行きます。東南アジアの良いところです。

実は小さい頃から書くの「だけ」は速く、作文の提出はいつもクラスで一番でした。論文なども与えられると嬉しくて「もっと課題くれないかな」と思ってました。

まとめますと、
・タイピング速度を上げる
・インプットを増やす
・量を書く

この3つが基本です。

他人に原稿を見てもらう

けれども、一つ注意点。決して速いから「うまい」わけではないのです。

いくら書いても下手な人はいます。
私の子供時代、大量に書いてるのに、コンクールなどで賞を取ることは数えるほどしかありません。教師に評価はされなかった。かわいそう。たくさん書いても下手な人もいるんです。

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