1つの問いを深く考えることが苦手になってきていることを感じる
油断すると、自分自身もそうなっているのではないかと心配になってしまいます。
近年、本当に世の中は便利になりました。
欲しい情報にはすぐにアクセスできるし、モノも情報もやりとりも全てが速い。
単純化する仕組みも整ってきている気もします。
もちろん、使い手によってはその効果を存分に発揮することもありますし、逆に、効果が薄れてしまうこともあるとは思います。
一般論から、教育現場で感じたことまで、今日は最近感じたことを述べてみようと思います。
1.一般論として
例えば、説明書をよく読まなければいけないことが減ったと感じています。
昔は文章を読み、(あれば)挿し絵やイラストや模式図をみながら、設定を悪戦苦闘したこともあったと思います。
少し前から、カラーの写真画像などがマニュアルに添付されることも増えてきたと思います。
もちろん、紙に印刷されたものが同梱されているわけではなくて、オンラインマニュアルとして公開されている場合が多いわけですが。
画像の情報量って、やっぱり文章の情報量よりも圧倒的に多いんですよね。
もちろん、商品を売る側にとってマニュアルがわかりやすくて顧客が操作しやすく、満足度が高くなることは大切だと思います。
最近では、この操作方法も動画で公開というパターンも増えてきたと思います。
もちろん、動画の情報量は静止画の情報よりも圧倒的に多い。
見ればわかるというところまで来たわけです。
2.教育現場で感じること(学習編)
やはり、思考過程が長い問題や、文章題などの読解力が必要とされる問題のできが悪くなっているような気がする。
もちろん、できる子はできる。
ただ、この理解して把握して判断するという脳の使い方に慣れていない子が増えてきている気がする。
そして、わからないから投げ出したり、答えを見てわかった気になったりということが増えたと感じる。
塾にいけば、なんとなく学習ペースを作ってくれたりすることもあると思うが、結局は自分のペースで勉強ができなくなることと隣り合わせだ。
少し前から生涯学習なんて言葉も出てきているが、学び方(や考え方)を知らない子が増えていると思ってしまう。
3.教育現場で感じること(部活編)
先日、野球部の生徒がダラダラとしゃべっていたので、なんとなく声をかけた(活動の邪魔にならないように)。
野球に限らずだが、スポーツでも的確に状況を把握して判断を下すことも必要だ。
そこで問いかけをしてみた。
ワンナウト1・3塁でフルカウントの時に、セカンドはどこで守ればいい?
もちろん、適当に思いつくままに状況を言ったので、自分の中で答えがあったわけではない。
成績上位層の生徒はあれやこれやといろいろ考え始めたのだが、やはり大半の生徒は「答えは何なんスか?」とすぐに結果を知ろうとしてくる。
私は私でうーん、なんだろうと考えてしまったので、その場は「自分たちでももう少し考えてみなよ」と濁して立ち去った。
野球がわかる人ならなかなかに悩ましい状況だと思う。
フルカウントだからランナーはスタートを切るのか?いやでも最悪は三振ゲッツーだよな。バックホーム体制か?それともゲッツー狙いか?あれ?あれ??みたいな感じです。
で、顧問の先生が2人揃ってたときに雑談がてら同じ質問をしてみた。
やっぱり考えこんでしまった挙げ句出てきた言葉は
「ピッチャーは誰ですか?田中将大?(笑)それならば…」
みたいな話になってくるわけです。
キャッチャーの肩が強ければ、意識しなければいけないことも減るし、本当に状況によって変わってくるね、と。
点差によってはスリーバントスクイズとかもありえるよね、とか。
ちなみに、カウント2-2だったら、ランナーは走らせるよね?とか顧問の先生たちでも更に議論が深くなっていく。
自分がテキトーに発した問題だったにも関わらず、大人が3人集まると、気づくと20分くらい議論してしまうことにもなったりします。
4.結論
問題集の問題でも、日々自分に起こる問題でも、深く考えることって本当は大切だと思います。
しかし、なかなかそういう機会って減ってきてしまっているよな、そしてそういう脳の使い方をしていないと、頭の使い方も鈍ってしまうよな、とちょっと最近感じていました。
春休みになって、ちょっと部活でも勉強でも感じてしまったので、久しぶりのnote記事にさせていただきました。
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