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教育専門出版社の教育開発研究所のWebマガジンです。『教職研修』の大人気連載やWeb限定の新連載をPCやスマホでお楽しみいただけます。フォローしていただくと投稿通知が届きます! https://www.kyouiku-kaihatu.co.jp/

マガジン

  • 学校づくりのスパイス~異分野の知に学べ~

    学校のリーダーシップ開発に20年以上携わってきた武井敦史氏が、学校の「当たり前」を疑ってみる手立てとなる本を毎回一冊取り上げ、そこに含まれる考え方から現代の学校づくりへのヒントを読み解きます。取り上げる本は4コマ漫画や絵本からノンフィクション・哲学・生物・建築等々に至るまでできるだけ幅広く、読者も手に取りやすいよう比較的最近の本を選ぶよう心がけています。スクールリーダーの仕事を、もっと創造的でワクワク感のあるものに!

  • オススメ図書のご案内

    教育開発研究所刊行の最新書籍の著者インタビューや、内容の一部をご紹介します!

  • 木村泰子の みんなに伝えたい「ことば」

    『教職研修』人気連載のバックナンバーがオンラインに! 2018年度から続く木村泰子先生の連載「みんなに伝えたい『ことば』」。 いつ読んでも色あせない「ことば」を、毎月初旬に更新予定です!

  • 教職いろはがるた

    月刊『教職研修』では、星槎大学大学院教授のみたちまみ先生による「教職いろはがるた」を連載しております。連載と連動し動画でよりくわしく今月の内容についてみたち先生に解説いただきます。

  • 新しい教育のために学校の空間的環境を変える

    オランダのイエナプランスクールの教員研修などをされている、ヒュバート・ウィンタースさんに全12回にわたって「学校空間」をテーマにお伝えいただきます。翻訳・解説は、オランダ在住の教育研究家、リヒテルズ直子さんです。

最近の記事

#60 同調圧力克服法~大塚ひかり『くそじじいとくそばばあの日本史』より~|学校づくりのスパイス

 教員にしても児童・生徒にしても、とかく「足並みをそろえる」ことが重視されてきたのが日本の学校現場です。この原因の一端は従来の日本社会のあり方自体に由来するものであろうし、よい面も確かにあるのですが、一方で学校という社会集団に必要以上の同調圧力を産む可能性もあります。  2021年の中央教育審議会でまとめられた、「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)」においても「従来の社会構造の中で行われ

    • 『校長先生、幸せですか?』

      校長の孤独校長先生、幸せですか?  本書を読まれている全国の校長先生にうかがいます。  校長室でひとり孤独になっていませんか?  自分は孤独だと感じていませんか?  校長とはそもそも孤独な存在なのでしょうか。たとえば校長室は、校長が「どんな学校にしようか? そのためにどんなことをしようか?」と、ひとりで戦略を練る特別で大切な場所です。そのために校長ひとりだけが学校で部屋を用意されて、その部屋をひとりで使う権限が与えられているのです。企業でも社長には社長室がありますね。それと

      • #59「仮」の効用~長尾重武『小さな家の思想 方丈記を建築で読み解く』より~|学校づくりのスパイス

         「動的な生」に特徴づけられる縄文の思想が現在も生き続けているということを前回は指摘しました。今回取り上げるのは、平安末期からの混沌の時代にまさにこの「動的な生」を体現した随筆家、鴨長明の発想です。  今回はイタリア建築史の研究者である長尾重武氏の『小さな家の思想 方丈記を建築で読み解く』(文藝春秋、2022年)を取り上げます。建築という視点に照らして方丈記を解釈しているのが本書のおもしろいところです。今回は本書にヒントを得ながら、教育における「仮」の効用について考えてみま

        • 「通常」というくくりが排除を生んでいる

           2019年の3月24日、東京大学バリアフリー教育開発研究センター主催のシンポジウム「インクルーシブ教育の新段階」が開催されました。  基調講演をお引き受けしたのですが、元校長の私の話ではなく「みんなの学校」をつくった子どもの声を聞こうと、2名の卒業生にも登壇してもらいました。そのうちの一人は、映画にも登場する「セイシロウ」です。文科省のリーダーや大学教授のなかで、彼は集中を切らすことなく自分から自分らしく自分の言葉で語りました。 「通級や支援学級・支援学校の選択肢は必要

        #60 同調圧力克服法~大塚ひかり『くそじじいとくそばばあの日本史』より~|学校づくりのスパイス

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        • 『先生を、死なせない。』識者との意見交換全文
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          #58「あわい」を生きるという選択~瀬川拓郎『縄文の思想』より~|学校づくりのスパイス

           今回から3回は歴史関係の書籍を取り上げたいと思います。近代教育の土台が大きく揺らいでいる今日、日本社会の深層に流れている歴史性との関連で現代の教育を捉え直してみるのもおもしろいのではないか、と考えたためです。  今回は日本社会の原点とも言える「縄文」と教育との接点について、瀬川拓郎氏の『縄文の思想』(講談社、2017年)を手がかりに考えてみます。 生き続ける縄文 「縄文」というと、はるか昔の原始時代で、現代の教育とは関連のないことのように感じられる読者も多いかと思います

          #58「あわい」を生きるという選択~瀬川拓郎『縄文の思想』より~|学校づくりのスパイス

          『校長先生、教頭先生、そのお悩み解決できます!』

          お悩み相談、はじめました~!  なんだか「冷やし中華、はじめました」みたいな見出しになってしまいましたが、本書は、最前線でがんばっておられる校長先生、副校長・教頭先生、教職員の方々から寄せられた質問やお悩みに、わたしなりにアタマをひねりにひねって、答えてみたものです。  たとえば…… 〇「現場でできる働き方改革なんて限界に来ています。」 〇「勤務時間の過少申告など、残業の見えない化が起きています。どうしたらいいですか。」 〇「自分の考え方、やり方を変えようとしない年配の経

          『校長先生、教頭先生、そのお悩み解決できます!』

          #57 時には問題を「棚上げ」しよう~鈴木まもる『戦争をやめた人たち 1914年のクリスマス休戦』より~|学校づくりのスパイス

           ロシアのウクライナ侵攻から1年半の時間が経ちました。世界にはさまざまな正義があり、思想や信条によって社会に一定の軋轢が生じること自体は仕方のないことだと筆者は考えます。が、そうであればこそ「対立や反目に人がどのように関係すべきか」といった正解のない問題に応えていくことは、学校を含めこれからの社会ではますます重要になってくるはずです。  今回は、第一次世界大戦中にイギリス軍とドイツ軍の間で起こった実話を描いた鈴木まもる氏の絵本、『戦争をやめた人たち 1914年のクリスマス休

          #57 時には問題を「棚上げ」しよう~鈴木まもる『戦争をやめた人たち 1914年のクリスマス休戦』より~|学校づくりのスパイス

          何を教えるかではなく、何を学ぶか

           独立行政法人教職員支援機構(NITS)調査研究プロジェクト成果報告会で耳にした言葉です。  “ようやく見えるかたちで方向性が言葉になった”と、うれしさを隠せませんでした。  従来から問い続けている学びの本質のはずなのですが、まだまだ「いかに教えるか」についての研修が行われている現実があります。  何を教えるかの主語は「先生」で、何を学ぶかの主語は「子ども」です。  これまでの授業研究は、授業者の資質・能力の向上にその目的が置かれていました。  これからは、授業者に視点を

          何を教えるかではなく、何を学ぶか

          #56 新たな経済社会の胎動~伊藤穰一『テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる』より~|学校づくりのスパイス

           今回は、伊藤穰一『テクノロジーが予測する未来――web3、メタバース、NFTで世界はこうなる』(SBクリエイティブ、2022年)を手がかりに、今後の経済社会を生きていくための教育について考えてみたいと思います。  本書の筆者の伊藤穰一氏はマサチューセッツ工科大学のメディアラボで所長を務めた方です。TEDカンファレンスを紹介するNHKのテレビ番組「スーパープレゼンテーション」のナビゲーターをされていたのでご記憶の方も多いかと思います。 人間味のある経済社会 本書では、「w

          #56 新たな経済社会の胎動~伊藤穰一『テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる』より~|学校づくりのスパイス

          #55 感動のバトンをつなげ~魚豊『チ。 地球の運動について』より~|学校づくりのスパイス

           今回は、魚豊氏のコミック『チ。 地球の運動について』(小学館)を取りあげたいと思います。この物語は「C教」(キリスト教のデフォルメ)の教義の核である天動説に異論を唱えた人々が、異端として迫害を受けつつも本や口伝により継承されていく様を描いた作品です。今回のテーマはこの作品を足がかりにして、現在の学校から失われつつある「感動を伝える」という働きについて考えてみます。 人をして命をかけさせるものは何か? 物語の時代設定はコペルニクスが地動説を唱えはじめるよりも少し前の14世紀

          #55 感動のバトンをつなげ~魚豊『チ。 地球の運動について』より~|学校づくりのスパイス

          教育改革の流れをマップで「見える化」&シートで「スピード理解」する!――『マップ&シートで速攻理解!最新の教育改革2023-2024』

           学校経営・運営を担う管理職やミドルリーダーは、中央教育審議会答申や文部科学省通知などの教育行政資料をとおして、教育界の動向を収集・把握していくことが不可欠です。  しかし、教育行政資料のほとんどはページ数が多い大部のものであったり、記述内容も抽象的であったりします。さらに、多忙をきわめる管理職・ミドルリーダー・指導主事にとって、「読む時間がない」「内容を把握しなければならないが読みにくい」「読まない」ものとなっているかもしれません。  そこで本書は、答申や通知などの教

          教育改革の流れをマップで「見える化」&シートで「スピード理解」する!――『マップ&シートで速攻理解!最新の教育改革2023-2024』

          正解のない問いを問い続ける

           学校は、正解のない問いを問い続ける学びの場です。  予測困難な社会を生き抜く力は、「今」の正解をどれだけ覚え、点数で測れる力をどれだけ身につけても、10年後の多様な社会では役に立ちません。    一瞬一瞬、社会のニーズは変化します。「世の中いつ何が起こるか分かれへんで」が現場での口癖でした。  社会はこれだけ変化し続けていますが、現場の授業はどれだけ変わったでしょうか。  先生の持つ正解をゴールに、自ら進んで取り組む自主的な子どもの力を育てていないでしょうか。  先生の問

          正解のない問いを問い続ける

          『改訂版 教師にできる自殺予防――子どものSOSを見逃さない』

          いまだに進まない自殺予防教育長年、自殺予防活動をするなかで、「子どもの自殺が増えている」そう感じ始めたのは2018年でした。翌年の2019年には児童生徒の自殺者数が過去最悪となり、本当に悔しい思いでした。 2016年の自殺対策基本法の改正時には、若年者層の自殺対策は重点課題とされ、自殺予防教育・SOSの出し方教育も努力義務化されました。しかし、「どんなふうにやればいいのか」「誰がどんな内容を何年生に」「そもそも自殺予防なんて教育で教えられるのか」という言葉も聞かれ、それから

          『改訂版 教師にできる自殺予防――子どものSOSを見逃さない』

          #54 色とりどりな教職員集団をつくろう~マシュー・サイド『多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織』より~|学校づくりのスパイス

           前回は単なる個人の総和とは異なる「集団の知性」(集合知)について考えてみました。今回はさらにこの視点を一歩深め、学校という組織の集合知と集団の多様性(ダイバーシティ)の関係について考えたいと思います。  今回とりあげるのは『多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2021年)です。筆者のマシュー・サイド氏は英タイムズ紙のコラムニストであり、また卓球の全英代表としてオリンピックに2回出場した経験もあるそうです。

          #54 色とりどりな教職員集団をつくろう~マシュー・サイド『多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織』より~|学校づくりのスパイス

          #53「かけ算の学力」を考えよう~オードリー・タン『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』より~|学校づくりのスパイス

           今回はオードリー・タン氏の主張をとりあげてみます。氏は台湾において35歳で史上最年少のデジタル担当の政務委員として入閣し、マスクマップ〈注〉 でコロナ危機にいち早く対応したことで一躍世界から注目を浴びました。  独特の風貌や人柄、卓越した才能や業績から、世間のまなざしは、とかく氏個人に集中しがちですが、一方で氏が目指しているのはどんな社会であり、それが実現可能か否かという問題が議論されることは希です。  今回は『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』(プレジデン

          #53「かけ算の学力」を考えよう~オードリー・タン『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』より~|学校づくりのスパイス

          「他人事」から「自分事」へ

           校長先生方、小4の女の子の命が失われた事件をどう自分事として捉えていらっしゃいますか。  報道を見る限り、考えられない市教委や児相の対応です。 「父親が怖かったからアンケートを見せた」──とんでもない対応ですが、正直に語っているだけに想像がつきます。  学校現場では今回のような事象は当たり前に起こるのが今の社会です。  組織としてではなく、校長としてではなく、一人の大人として、女の子へのいじめに関するアンケートを読めば、自分ならどう動いていましたか。  今回の取り返しの

          「他人事」から「自分事」へ