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国語の授業中に実際に穴をあけてみた:2年国語「あなのやくわり」

「あなのやくわり」について

 今回は、小学2年の国語科の実践について書いていきます。教科書は東京書籍。教材は、「あなのやくわり」(丹伊田弓子)です。

 「あなのやくわり」は、身の回りにある穴について、穴の位置、穴の役割、穴があいている理由というような順で説明している文章です。取り上げている題材は、「五十円玉」「プラグ」「植木鉢」「しょうゆ差し」です。

「あなのやくわり」の単元目標

 単元の目標は、「文章の内容と自分の体験とを結びつけて考え、考えたことを文章にまとめることができる」です。子どもたちには「知っていることとむすびつけて読む」(★言葉の力)という目標で伝えました。

 今回は、単元目標の「文章の内容と自分の体験とを結びつけて考え」のところを授業の中で工夫してみました。「工夫」というのは、「実際に物を用意して穴の役割を確認してみる」というものです。文章の内容の確認や子ども達の興味関心を高めること、穴の役割を体験をもって理解することなどができるからです。

「実際に物を用意して穴の役割を確認してみる」

 五十円玉については、昔の五十円玉や百円玉は用意できなかったので、現在の五十円玉と百円玉を用意して見せました。

 プラグについては、本当はコンセントの中を見せたかったのですが、中が見えるコンセントが周りに無かったのでプラグと電源タップ?を用意して見せました。スケルトンタイプの電源タップだと分かりやすいかもしれません。

 植木鉢は、学校にある物を用意して見せました。

 問題は、しょうゆ差しでした。家のしょうゆ差しを持ってくるのは面倒だし、教室で触るのは何となくいや。かと言って、家庭科教室のもなーと思ったので、教室にある牛乳パックに穴をあけて説明しよう!と思ったわけです。文章の内容も確認できるし、実験っぽくなるし、何より面白そうじゃないですか(笑) 

 ということで、牛乳パックに穴をあける実験でしょうゆ差しの穴の役割を捉えてもらう授業を行うことにしました。

授業の流れ

 授業の一番のねらいは、「文章から穴の役割を捉える」ことですので、まずは指導書の流れに沿って授業を行いました。国語の学習ですからね。

①本時のめあてを確かめる。


 しょうゆ差しの穴の役割を知っているか確認すると大半は知っているようでした。しょうゆ差しを使った経験もあるはずですし、何度も教科書を読んでいますしね。

②しょうゆ差しの穴の役割を読み取り、説明の仕方を確認する。


 本文から穴の役割を読み取らせます。「五十円玉」「プラグ」「植木鉢」の穴の役割を読み取ったように、大事な言葉や文の順序に沿って説明がされていることを捉えさせます。ここで、穴の役割を読み取れてれていない子がいないか、集中が切れている子がいないか知っておくとよいと思います。

③牛乳パックに穴をあけて穴の役割を確認する。


 本来であれば②までで良いのでしょうが、文章の内容の確認や子ども達の興味関心を高めること、穴の役割を体験をもって理解するために5分ほど実験を行いました。

実験に使ったもの


・牛乳パック
・きり(穴をあけるよう)
・水

実験の順序

1:空の牛乳パック(洗って乾かしておいたもの)に水を入れる。
 ・空け口から水が漏れない、空気が入らないことを確認します。

2:水の入った牛乳パックに1つ穴をあけ、その穴からはあまり水が出ないことを確認する。
 ・「穴が1つだと水が出てこないね。なんでかな?」など聞くと読み取れている子が説明してくれました。

3:2つ目の穴をあけ、水が出ることを確認する。
 ・本文の説明の順序に沿って確認していきます。「穴があいているのは、2つだね。」「何のためにあいているんだった?」「1つは、……」「もう1つは、……」というように、穴のあいている場所、穴の役割、穴のあいている詳しい理由を子ども達と確認します。


 以上で授業は終わりです。穴の役割を文章だけからは読み取れていなかった子も分かった様子でした。他の子達も楽しそうに実験に参加していました。自分で穴をあけたがる子もいました。子ども達の体験がまた1つ増えたように思えました。


おわりに


 国語の授業なのでまずは、本文から読み取らせます。今回は文章の内容の確認、子ども達の興味関心を高めること、穴の役割を体験をもって理解することを目的に授業の最後にこの実験を行いました。

 この実験はあくまで子ども達を引き付けるテクニックの1つだと思っています。ただ、このようなテクニック1つで子ども達の興味関心が高まったり、学びが深まれば最終的に良いのかなーと考えて授業を行っています。私の実践例が何かしらヒントになれば光栄です。

 以上が私の「実際に物を用意して穴の役割を確認してみる」実践でした。国語を楽しく、面白く行う方法がもっとあると思うので、子どもたちと考えて行きたいと思います。他にもこんなのがあるよ、という意見も待っています。

 最後まで読んで頂きありがとうございました。



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