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藤房農園日記(2)農園の指針

藤房農園のテーマは3つあります。

1つ目は昆虫
2つ目は人
3つ目は環境

です。

1.昆虫
主人は小さいころから、虫取り少年で、昆虫や生き物が大好きでした。
小さい頃夢中になり、思春期になっても生き物が好きでしたが、進路選択では事情があり、生き物の方には進めませんでした。
大人になり、一生懸命働いているうちに、昆虫とは無縁になっていましたが、
私と結婚し、子どもが授かった後、昆虫好きの気持ちが再燃。
縁あって今は、博物館の昆虫の先生と一緒に、子ども達と虫の出会いをお手伝いするボランティアスタッフをしています。


2.
私は言語聴覚士として、縁あって、今まで沢山の子ども達と出会ってきました。さらに、私の弟には障害の症状があり、小さい頃から、人と違う家族を間近で見てきました。マジョリティとかマイノリティとか、色んな言葉が出回ってるけど、私の世界観に、そういった言葉は今も、これからも存在しません。
何が「人」なのか定義するのは難しいけど、私は祖母から、「人の道」というものを教えてもらいました。
過去、未来、損得、憎しみや悲しみなどの感情、それらを抱えていても、それと今、自分がやらなければならない役割とは切り離して考えられるかどうかという生き方。
それを、農園でどう表現していけるか。模索を続けています。


3.環境
江戸時代から続く土地を守るため、
もちろん野菜を育てていく農家になる事は、最重要事項です。
でも正確に言うと、野菜を育てるのではなく、土を育てる作業になります。土を育てる事で、植物が育ち、生き物が生息し、生態系が豊かになります。
豊かとは、沢山いるという事ではなく、適切な環境に、適切な生き物が存在し、その数が適切である事。
植物や野菜が根っこを伸ばし、周りの自然の力を借りながら、自分で成長していける様に、環境を整えることが、私が目指す農家です。



うちの農園では、大人も子どもも、畑や森の整備は、ノコギリ、はさみ、鍬だけで行っています。色々試してみて、結局、非力で小さな存在でも出来る事、広大な土地でも、人の手で開拓していける事が分かり、どんなに放置された雑木林や、イバラの森でも、すべて手を動かして、1つ1つ切って、森の再生と循環を促しています。


森の再生と循環を促す事で、大好きな昆虫が生息しやすい環境が生まれているみたいで、うちの農園の昆虫の種類は多いですし、なかなか見れない昆虫も生息しています。

昆虫の種類が多様になった事で、鳥の種類も格段に増えました。
少しずつですが、再生しているのが分かります。


でも残念ながらミツバチは居ませんし、イノシシと人の生息区域が、曖昧になっているままなので、常緑樹を減らし、落葉樹を残していくように森の整備をすすめていきます。

そうする事で、森に光が入り、ミツバチが必要な野の花が咲き、イノシシが必要なドングリなどが育ちます。


虫(生き物)も人も植物も、色んな種類がいて、色んな人が居ます。

人も含めた生物多様性がある農園を目指して。


みんなが自分らしく、身体を動かし、健康でいられる農園を作りたいと思います。

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