諸行無常の城【京都市伏見区「伏見桃山城」】
伏見には「伏見桃山城」という大きな城あった。
この城はかつて豊臣秀吉が伏見に築城した「伏見城」をイメージして造られた模擬天守である。
かつて存在した「伏見桃山城キャッスルランド」という遊園地の目玉施設として建てられた。
伏見城の歴史
歴史上、伏見城は三度に渡って築城されている。
◆1度目
1592年(文禄元年)に豊臣秀吉が隠居後の住まいとするため築城。
その後「慶長伏見地震」と呼ばれる大地震により倒壊。
◆2度目
倒壊したあとすぐに秀吉が立て直し、
1600年に起こった関ヶ原の戦いの前哨戦「伏見城の戦い」により炎上、落城。
◆3度目
関ヶ原の戦いで勝利した徳川家康が伏見城を再建。
その後。江戸幕府の一国一城令により廃城。
「伏見桃山キャッスルランド」
時を経て、昭和39年、近鉄グループの遊園地「伏見桃山キャッスルランド」の目玉施設として、今現在ある「伏見桃山城」造られた。
実質4度目の築城。
「伏見桃山キャッスルランド」にはジェットコースター、ゴーカート、プールなどがあり、ピーク時には年間100万人の来場者数を記録するほど賑わったそう。
しかし、2003年に経営不振により閉園。
閉園に伴い「伏見桃山城」は、またしても廃城となってしまう予定だったが、
京都住民からの強い要望により、京都市が引き取る形で保存された。
〇伏見桃山城キャッスルランド在りし日の姿
YouTubeに当時の映像があった。
〇伏見桃山城キャッスルランド跡地、現在の姿
城の入り口。
門の横には立て札。現在は「伏見桃山城運動公園」となっている。
城の奥の土地は野球場と多目的グラウンドとして整備されていた。
よく見ると、遊園地時代の名残が。
チケット売り場
敷地内は無料で散策できるが、
残念ながら城には入れない。
耐震強度上問題があるらしい。補強工事には莫大な費用がかかるから、そのままにしてあるらしい。
門をくぐると、早速「伏見桃山城」が見える。
秀吉らしい豪華で迫力ある城。
城の周りには、様々な草木が植えられていて、季節ごとに花や紅葉を見ることができる。
この日はツツジが見ごろで、家族連れやカップルがピクニックを楽しんでいた。
特に桜の時期が綺麗だそう。
秋には「伏見・お城まつり」なるイベントが開催されるそうだ。
伏見城は、歴史を見ると運がない城だ。
しかし、なんだかんだ復活し続けて、今も存在しているのは感慨深い。
戦国時代、高度経済成長期の名残りを感じる
栄枯盛衰、諸行無常、ノスタルジックな城
「伏見桃山城」
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