満員電車に痴漢が絶えない理由は… 【新人読書日記／毎日20頁を】（30）

人間性はどこから来たか（西田 利貞, 学術選書 026）| 京都大学学術出版会

　「人間性はどこから来たか」、21-40頁、読了です。

　第1章「現代人は狩猟採集民」では現代人のいろんな特徴や習慣、また病気は昔々の狩猟採集民時代から受け継いできた遺伝子型や本能から生じた文明社会不適応性だと主張されています。

　今読んでいる第２章にもこういった主張に触れています。本題に入る前にまず、人間性研究の歴史が紹介されています。様々な分野の国内外の学者の研究努力と成果を概観することができます。まるでバイキングのように、人類の進化に関する面白い議論を一気に満喫できます。ヒトはどんなきっかけで直立二足歩行を開始したか、ヒトはなぜ類人猿の仲間なのか、読めば読むほど、知りたくなることが増えていく気がしました。

　最後に満員電車の中の痴漢が絶えないのは、更新世では、女性が身体が触れるほど近くいるのは、女性がすでに同意した時だったからであると書かれていますが、理屈として悪用されないように祈るとしかいえません。