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あなたの知らない祇園祭 実は一ヶ月つづくお祭りです。


あなたの知らない祇園祭

7月の京都は祇園祭一色です。
祇園祭は八坂神社の神事で1ヶ月間に渡り行われます。

平安時代に疫病退散を願った御霊会として、神泉苑に当時の国の数の66基の鉾を建てたのが始まり。まさに神仏習合。

東京の神田祭、大阪の天神祭とともに日本三大祭の一つで、葵祭、時代祭とともに京都三大祭の一つです。


今は週末に合わせて行われるお祭りも多くありますが、祇園祭は7月一ヶ月間毎日のように神事、行事が行われ、その日は毎年固定です。

7月1日の「吉符入り」から31日の疫神社の「夏越祓」まで1カ月に渡る神事であり、京都の本格的な夏の到来を感じます。

強力さんに担がれるお稚児さん

京都の祇園祭は山鉾巡行だけだと思っていませんか?

「祇園祭は見たことがあり、よく知っています」との声を聞きますが、山鉾巡行イコール祇園祭だと思われている方が多いかと。

山鉾巡行で清められた京都の街に八坂神社から神輿が出ます。これが神事なのです。

それでは7月1日から始まる祇園祭を順番にお伝えしていきます。

はじめてに伝えたいことがあります。
京都生まれ京都育ちの私もまだまだ祇園祭の知らないことがたくさんあります。
山鉾だけでも34基あり、毎年一つずつ徹底的に見ていくとして34年かかる計算になります。
というのもそれぞれの鉾町で同じ日に同じ行事が行われることが多く、掛け持ちで見ることができないので、それだけ時間がかかってしまうのです。

前祭と後祭に分かれているので、34年はかからないとしても20年は必要だと思います。
長い目で祇園祭とお付き合いください。

気が遠くなるような気がしますが、知らないことがあると知りたい気持ちが募り、ますます祇園祭が好きになります。

山鉾のことを20年かけて知るんだと思って、頭がパンパンになるかもしれませんが、実はそれだけではありません。

山鉾巡行の後に出る神輿、この神輿が3基ありますので、プラス3年です。
山鉾と神輿と同時進行で覚えるのも一つですが、同じ日に行事が重なると体が一つでは見ることができないこともあるのです。

毎年、祇園祭をご案内していますが、この祭りの魅力に取り憑かれるお客様がいらして、1年の間に祇園祭だけでも5回リピートされた方、また、毎年、日にちを変えてお越しくださる方がいらっしゃいます。

「知れば知るほど無知を知る」という言葉もあるように、奥が深いので、沼のようにのめり込んでいきます。

そういう私も毎年、新たな発見があり、この季節になると体がいくつも欲しくなるのです。

  • 吉符入り 7月1日〜
    神事始の意味で各山鉾町において、町内関係者が本年の祇園祭に関する打ち合わせをし、祭りの無事を祈願。
    山鉾町により日が違うので要確認。

  • 長刀鉾町お千度 7月1日10時〜
    長刀鉾町の町内一同が稚児や禿と共に八坂神社に参拝し、神事の無事を祈願。

  • くじ取り式 7月2日10時〜
    京都市役所に各山鉾町代表者が集まり、17日(前祭)、24日(後祭)のくじを取って山鉾巡行の順位を決める。
    (くじとり式は巡行の先陣争いを避けるため、応仁の乱後の1500年に始まった)

  • 長刀鉾稚児舞披露(太平の舞)7月5日15時30分頃〜
    長刀鉾保存会会所2階から身体を乗り出し、長刀鉾稚児舞(太平の舞)を披露。鼓を叩くため両手にバチを持ち、小さな体を優雅に旋回させる。
    両サイドは御付き役の禿(かむろ)

  • 綾傘鉾稚児社参 7月7日14時30分
    綾傘鉾の稚児6人が町内役員と共に神事の無事を祈り八坂神社に参拝。

  • 前祭(さきまつり)山鉾建て 7月10日~7月14日
    各鉾町が鉾、山を組み立てる。釘を一本も使わない職人技、是非とも近くで見ていただきたい。

  • お迎え提灯 7月10日16時30分〜20時30分
    「神輿洗」の神輿を迎えるため、万灯会員有志が提灯を立て、巡行。
    八坂神社→河原町四条→市役所→寺町通→東大路通→神幸道→八坂神社

  • 神輿洗 7月10日18時頃〜20時30分頃
    神輿三基を舞殿に据えた後、その内一基(中御座)の前後を松明で照らしながら四条大橋まで担ぎ、神輿を清める儀式をする。
    八坂神社~四条大橋~八坂神社
    八坂神社に戻ると、17日の神輿渡御にそなえ三基の神輿を飾り付けを。

  • 前祭鉾曳き初め 7月12日~7月13日
    疫神の依代となる真木がある鉾は前祭ではくじ取らず1番・長刀鉾、5番・函谷鉾、月鉾、鶏鉾、菊水鉾、くじ取らず21番・放下鉾の6基。

    曳き初めは囃子方が乗る舞台のある鉾で行われるので、船鉾、岩戸山の山鉾も。
    曳き初めは巡行の試運転にあたるもので、タイミングが合えば並んで曳くことができ、無病息災でいられると言われ、毎年人気あり。

    詳しい日時は各鉾町に要確認

  • 稚児社参 7月13日11時〜
    長刀鉾稚児が騎馬にて八坂神社に詣で、お位を授かる。
    以後稚児は、17日の巡行まで身を慎み、正式には、地面を踏むことができなくなる。
    そこで活躍するのが「強力(ごうりき)」と呼ばれる男性で、稚児を担いで馬に乗せる。

  • 久世駒形稚児社参 7月13日 14時〜
    17日の神幸祭、24日の還幸祭に供奉をする久世稚児(駒形稚児)が八坂神社に社参。
    國中社の御神体であり訓世の郷から祗園祭に供奉する稚児が、胸に御神体である駒の頭の彫刻を棒持することから「駒形稚児」と言われる。

  • 前祭屏風祭 7月14日~7月16日
    各山鉾町の町家では格子をはずし、通りから見えるようにして家宝の屏風、道具を飾り披露する。

  • 前祭宵山(宵々山)7月14日~7月16日
    山鉾に吊られた駒形提灯に火が入り、祇園囃子の音と共に祭りが盛り上がる。

  • 石見神楽 7月16日18時30分
    八坂神社にて、スサノヲノミコトのヤマタノオロチ退治を、笛・太鼓・鉦の賑やかな囃子で演じる。勇壮且つ、芸術性豊かな神楽の奉納。

  • 前祭日和神楽 7月16日
    お囃子のある山鉾町から四条寺町の御旅所へ、お囃子を奏でながら往復し、翌17日巡行の晴天を祈願。
    山鉾町~四条御旅所~山鉾町
    時間は要確認

  • 前祭山鉾巡行 7月17日9時~
    祇園祭の最大の見所。長刀鉾を先頭に23基の山鉾が京都の中心部を巡行。特に辻回しは圧巻。
    巡行経路:四条烏丸~四条河原町~市役所~烏丸御池~新町御池〜各山鉾町

  • 神幸祭 神輿渡御 7月17日18時~
    石段下にて三社神輿の差し上げが行なわれた後、それぞれの神輿が、氏子地域内を巡行。21時頃より相次いで四条御旅所に着輿し、以降24日まで御旅所に留まる。

  • 後祭山鉾建て 7月18日~7月21日
    後祭山鉾町後祭の山鉾11基が組み立てられる。釘を一本も使わず縄で組み立て、まさに職人技。

  • 後祭鉾曳き初め 7月20日
    後祭では、囃子舞台のある鉾は十一基中、くじ取らず2番・北観音山、くじ取らず6番・南観音山、くじ取らず・後祭しんがりを行く大船鉾の三基。曳き初めは新町通の三基で行われる。
    時間は要確認

  • 橋弁慶山舁き初め 7月21日11時

  • 後祭宵山 7月21日~7月23日
    後祭の屏風祭はゆっくり楽しめて大人に人気。
    23日には役行者山でお火焚きがある。

  • 日和神楽・南観音山の暴れ観音 7月23日

  • 後祭山鉾巡行 7月24日9時30分~
    橋弁慶山を先頭に11基の山鉾が巡行します。最後は平成26年より完全復興の大船鉾。
    烏丸御池→河原町御池→四条河原町→四条烏丸→各山鉾町

  • 花傘巡行 7月24日10時~12時頃
    傘鉾十余基、馬長稚児、児武者等が列を整え、所定のコースを練り歩き、八坂神社到着後(12時頃)舞踊等の奉納を行なう。
    下京中学校成徳学舎(9:30)-高辻通東-烏丸通北-四条通東-御旅所(くじ改め)-四条通東-石段下南-神幸道東-八坂神社(11:00)

  • 還幸祭神輿渡御 7月24日17時頃〜
    17時頃、四条御旅所を三基の神輿が出発、中御座の神輿は神泉苑に。三条通の又旅社にて祭典を行い、市中を巡り八坂神社へ。八坂神社へ戻ったあと、明かりを消し御神霊を本殿にお戻しする。
    四条御旅所→八坂神社

  • 狂言奉納 7月25日11時~
    忠三郎社中により狂言が奉納される。
    八坂神社

  • 神輿洗 7月28日18時頃~20時頃
    神輿三基の内一基(中御座)の前後を松明で照らしながら四条大橋まで担ぎ、神輿を清める儀式を行なる。20時30分頃八坂神社に戻り、神輿庫に収納。
    八坂神社~四条大橋~八坂神社

  • 神事済奉告祭 7月29日16時~
    祇園祭終了を奉告し、神恩を感謝する。
    八坂神社

  • 疫神社夏越祭 7月31日10時~
    「疫神社」の鳥居に大茅輪を設け、参拝者はこれをくぐって厄気を祓い、護符を授かる。
    八坂神社

これにて祇園祭が終了です。
お疲れさまです。

あなたの知らない祇園祭
著書『京都癒しの旅』にも書きました。

京都癒しの旅でもご案内します。

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