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日本語プライベートレッスンと英語の宿題

今日は、今年度最後のオンライン日本語プライベートレッスンの日。

来月高校に入学する16歳の中国人女子Yさんと、宿題の話。国語の宿題は何とか終わらせ、その上、市販の国語問題集を使って、知識も補足。これで中学3年分の内容のポイントを押さえつつ、突貫工事で終了。

しかし、ここで問題発生。すでに終わらせていたはずの英語の宿題、実は他にまだあったのだ。Yさんが見落としていたらしい。

① 英単語暗記。(配布された英単語の本の該当箇所を覚える)

② 英語の精読教材の予習。(英文をノート左ページに書き、右ページに和訳。わからない単語と文法は、辞書や参考書で調べてノートに記入)

ここで2つ目の問題発生。

Yさん「英単語見て単語の意味は分かるけど、日本語の意味が分からない」

そうか・・・。中国語で理解できても、細かいニュアンスの日本語の意味がわからないのか・・・・。(彼女は、去年夏から日本語学習を始め、今はまだ初中級レベル!)

追い打ちをかけるように、3つ目の問題発生。

Yさん「私は、ノートに書くよりも、レポート用紙に書く方が好き。だからノートを持ってない。それにどうやって、ノートに書くのかわからないし、日本語訳するのも、うまくできない・・・」

そうか、そうか・・・。アメリカの中学卒の彼女。すべて授業内容は、上閉じのレポート用紙に筆記。中国での小学校時代、英文を書き写し、それを訳したこともないそうだ。

日本の中学校に通っていた生徒なら、ノート左ページに英文を書き、右ページに和訳する方法は知っていて、一度くらいは皆やっているはず。当然皆が知っていることを、Yさんは知らないのだ。やったことないから。

私は、愕然とした。教科にかかわらず、日本の学校での勉強のやり方、習慣などを細かく根気よく伝えていく必要があるということを、改めて知ったからだ。

Yさん「なんか、心が疲れました・・・」

いつもの明るい表情はなく、寂しそうに言う彼女に、私は一瞬どう答えていいのかわからなかった。まだ高校に入学もしていないのに・・・これから高校生活が始まると言うのに・・・

英語は得意の彼女。教科書の英文内容はほとんど分かっている。しかし、学校の要求どおりにしなければ、今後、平常点にも影響あり。だから、あえて日本語でも訳さなければならないのだ。なんかなあ、ちょっと時間が無駄というか、非合理的というか。彼女だけ日本語力という観点から、配慮してもらえないのかと、つい思ってしまう。

英語力向上というゴール。Aのやり方でも、Bのやり方でもゴールは同じ。ならば、一人一人の能力に合わせたやり方で、ゴールを目指してもいいのではないだろうか・・・・

「今日、宿題のやり方がわかって良かったね。慣れたらきっと大丈夫!」と私は気丈にふるまったが。でも、心の中は複雑だ。

来月からの高校生活。実りある楽しい高校生活を送ってほしいと切に思う。

次、彼女と会うのは4月半ば。そのときに、また笑顔で会いたい。




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