岡村 恭介/ラグビーコーチ

ラグビーコーチ/会社員を辞め、様々な年代への指導をさせていただいてます。普段の生活、指…

岡村 恭介/ラグビーコーチ

ラグビーコーチ/会社員を辞め、様々な年代への指導をさせていただいてます。普段の生活、指導で考えていることなどをメモ感覚で書いていきます。 JRFU A級コーチ/WR15人制Lv1、Lv2/JRFUタグティーチャー

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「楽しさ」

私は練習や試合が終わった後にこの質問をすることがあります。 「Enjoyできた?」 この質問をされたら、皆さんはどう感じるでしょうか。 もしかしたら「負けたのに何言ってんだこいつ!」と怒るかもしれません。 結論からいくと、私の考える「楽しさ」はこれです。 「本気で取り組み、やり切った先にあるもの」 これが「Enjoy」だと考えています。 なので、冒頭の質問も次の想いで聞きます。 勝敗は残念ながら受け入れるしかない。 ただし。 このゲームの中で自分が考えうるベストに

    • 認める、知る

      何かを人に教える立場となり。 その中である程度「承認」や「評価」を得られるようになっていくと「自分はたいしたことない」と言うことが本当に本心であっても「謙遜」だと捉えてもらえなくなることもあります。 それはそれとして。 そういう時期が来ると良い成果や評価を得られるようになるので知らないうちに自分でもその段階が「居心地が良くなる」だけでなく。 自分は何でも「わかっていて」「見えていて」「知っている」と思ってしまうこともあります。 気付かぬうちにハマるのがこの罠のとても怖いとこ

      • 役割の変化

        今回はポッドにおける機能的役割の変化についての現時点での理解を言語化して、ATについてまとめてみたいと思います。 ポッドより前のラグビーはそれぞれのポジション=背番号によって「パサー、ランナー、サポーター」というファンクショナルロールが与えられていました。 しかし、ポッドではその時の「状況」である「ポジショニング」から各々のファンクショナルロールを決定していきます。 ポッド内での立ち位置が「ペネトレイターとサポーター」のタスクを示すようになったのです。 初期の定型ポッド

        • 「出会い」の奇跡

          こう誰かに伝えた日があったならば、必ずこういう日がやってくる。 それまでの間隔は30分とかで終わることもあるだろうし。 もしかしたら何年、何十年となることもあるかもしれない。 でも、それまで何の関わりもなかった人間同士が出会い。 ラグビーという一つの種目をきっかけに集まり。 「仲間」となっていく。 これがどんなに奇跡的なことかと思うのが毎年この時期です。 だから、あなたたちに会えてありがとう。 一緒に「仲間」としてやってくれてありがとう。 これからも元気で。 またど

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          「覚えてない!」

          何であれだけ言ったのに忘れるんだ。 この前できたのに、何で今はできなくなった。 というのは「何かを教える」経験をしたことがある方は思ったことがあるはず。 何かを学び、実際にできるようにしていく過程ではこの「忘れる」と言うことは避けられないですし。 それがないと定着はしません。 「忘れた」ものを「思い出す」ためにあれこれし始めることで思い出せた時。 かなりその学習は強固になっていきます。 そして、もう1つ大事なのは「一度に人はたくさんのことを覚えられない」と言うこと。 た

          教育者とは

          学校の「部活動」ではどうしても指導者は「教育者」としての面を持たざるを得ません。 もちろんやっていることは「スポーツを教える」ことです。 でも接する選手達は私の発言や行動、コミュニケーションから色々なことを「勝手に学んでいく」し、その活動の中で「良くない」と思えば、それを指摘することだってある。 そして、ここで言う「教育者」と言うのは何もイメージするような「教師」としての立場だけを指すのではなく。 どうやって人は学習するかの過程やプロセスを知っていることはもちろん、コーチン

          人の間で

          「弱り目祟り目」とは良く言ったもので。 色々とうまく回っている時や、心身に充実がある時は寄ってこないものがそういう時には寄ってくる。 それは様々な形をしてあの手この手で落とそうと掴んでくる。 新卒で入社した会社を辞めた時がまさにそう。 それまで縁がまったく無かったマルチとかそういうものが隣人の顔してやってきた。 しかも、信頼していた奴の顔をして。 これはその人の状況によっては薬物とかの顔で来ることもあるのかもしれない。 私は幸いにも友人達によって踏みとどまれたけど、一歩間違

          向き合う

          競技スポーツである以上、また公式戦と言うものがあるからにはまずは「勝つ」ことが目的。 どんなチームもなぜ人を集めるのか。 なぜ練習をするのか。 その問いへの答えは「勝つため」に他なりません。 これは「勝利至上主義」とは異なりそもそもスポーツの根源にあるもの。 そんな「勝敗の追求」から得られるものは大きいと考えています。 練習では機会の平等、年齢にふさわしい創造性や自由の尊重をこれでもかと心がけ、なお目標の試合や大会ではあくまでも頂点を求める。 その「過程」で闘争に臨む真剣

          「要するに」

          とまとめることができるかどうか。 これは理解度とかそもそも実行できるか、更に考えられるのかと言うことにも繋がる部分で、これができる選手はいわゆる「センスが良い」とか「勘が良い」と呼ばれるのだと思います。 例えば「スライドDF」をまとめると。 と言えるかなと思います。 これをするためにあるチームなら面を揃えて待つかもしれないし、上がるかもしれない。 他にもどう選手が外のスペースを埋めに行くかのコースを工夫するかもしれない。 そういう細部の違いはあれ抽象的な理解があると抑え

          どこのポジション

          決して潤沢に人がいるとは言えないチームでコーチをしているので、この壁に必ず当たります。 単独でチームを成立させ、練習ができると言うことはとても大きい。 その一方で人数がギリギリと言うことは誰かがそのポジションを「埋める」ケースも出てくると言うこと。 サイズが必ず恵まれているわけではないし、一般的に「フィジカル」と呼ばれている部分が優れているわけでもない。 しかし、チームとして出場するにはこういう皺寄せはどうしても出てきてしまいます。 無い袖は振れないのです。 個人的にはこ

          判断の優先順位

          ブレイクダウンを重ねて行くのが現代ラグビーですがブレイクダウンはこの位置にあるものです。 なので、今後はブレイクダウンを少なくしていくようになると予想する時があります。 とはいえ無くなることは有り得無いので、整理していってみます。 ブレイクダウンでは1v1を作り出し、自分の持つオールオプションを使えるようにすることが大事ですしゲートを守ることは大前提。 そして、ブレイクダウンを前、中、後の段階かつ一人目、二人目、三人目の「仕事」で考える。 (ブレイクダウンに参加できるのはス

          9Sでの判断基準は

          エッジからの折り返しでの9シェイプを原則的に整理しておくと。 ・ピラーから4人目辺りが間に合ってないなら、ティップオンパス(ポッド内のショートパス)で5人目とのギャップを攻める。 ・5人目より先が間に合ってない(中盤DFがガタガタ) ならば、9シェイプ経由のスイベルパス。 ・ブレイクダウンに皆寄ってるなら、バックドアに直で展開 と言う感じかなと思います。 注意点は、この生まれたスペースも2秒から3秒あれば相手のポジショニングが間に合ってしまう。 特にバックドアに直の時は

          プレーメイクするとは

          SOは自身のプレーもだけど、それより前もって味方に攻撃方向を指示することが必要。 でないと他の選手との連携が取れない。 また、その先にあるのが味方の配置を変えて優位を意図的に作り出すATとなる。 それが「意思決定AT」 。 この辺が「パスマシーンで良い」と言う人の意図かなと考えたり。 この辺がないと9シェイプから順にエッジまでのポッドを当てるだけになり、ボールを大きく動かしている感は出てもDFの脅威にはならない。 ポッドを当てていって状況が変わるのを待つATではなく、ピスト

          プレーメイクするとは

          「わかる」を見直してみる

          「理解」と一言で言ってもそこには大きく2つ。 1つ目は「タックルは低く入る」や「パワーフットで強くタックルに入る」「パスはフォロースルーする」等のことを単に「知っている」状態。 もう1つは「ステップに合わせてのパワーフット」や「どのタイミングで低くなる」というようなことを「知っている」こと。 この2つは同じ「わかっている」で表現できますが、その中身は全く異なるものです。 後者の「わかる」に到達するためには実際に相手にステップを踏んでもらって低くタックルに入ったり、自分の中で

          「わかる」を見直してみる

          内から外から

          かつてのラグビーでDFは「ブレイクダウンが発生したら内側のポジショニングの完成さけてから順に外側を開始する」とやってきました。 ただ、それだと今のラグビーではATの後追いになります。 なので、内側のポジショニングを見越して外側はノミネート先を変えないようにポジショニングすることが求められています。 内からか、外からかと言うのではなく「両方揃える」です。 DFは何も対面のATプレイヤーばかりを見てるわけではなく、ボールや内側の味方も視野に入れながらDFしています。 なので、目

          ラックチェイスを整理

          ラックチェイスについて昔書いたことがあります。 この時はプレイヤーの心理を考えたりしていましたが、今回は改めて今の思考でアップデートした言語化を試みようと思います。 「ラックチェイス」とは DFラインのプレイヤー同士の間隔のバランスが崩れ、ブレイクダウン周囲にDFのプレイヤーが他のスペースより密集した状態を「ラックチェイス」と呼んでいます。 ただ「ラックチェイス」と一言で言ってもブレイクダウンが形成されて、それが発生したのが「エッジ」なのか「ミッドフィールド」かで原因と解

          ラックチェイスを整理