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心に残った3曲とともに2020年振り返る

①米津玄師『カナリヤ』

いいよ あなたとなら いいよ
二度と この場所には帰れないとしても
あなたとなら いいよ
歩いていこう 最後まで

大きく変容した日常。
大切な人が去り逝くその時でさえ、触れることが出来ない。
公開されたMVのワンシーンが印象的でした。
今までのような形には、もう戻ることが出来ないかもしれない。
それでも、変化を肯定し、受け入れ、前へ進む。
今年はこの曲で「弾き語り×手話」企画も行い、思い入れのある曲になりました。
歌詞の解釈をすればするほど、描かれている大きな愛と、しなやかに生きる力強さを感じます。

②藤井風『帰ろう』

ああ すべて与えて帰ろう
ああ 何も持たずに帰ろう
与えられるものこそ 与えられたもの
ありがとう、って胸をはろう
 ~中略~
あぁ 今日からどう生きてこう

コロナ禍の中で、これから私たちはどう生きて行けばよいのか。
人は何も持たずに生まれる。
やがて死ぬときに、何を持っていけるだろうか?
受け継いだものを、すべて与えて、帰る。
これからの自身の「生き方」の指針となる一曲。
sinfoniaのカバーも本当に秀逸。

歌詞を一層惹き立てる、素晴らしいコーラスアレンジ。
一サビと二サビでリードの男女が入れ替わる。
合わせて入れ替わる男女のオクターブユニゾンが、特に好き。

③薬師寺寛邦(キッサコ)『般若心経』

色不異空 空不異色 色即是空 空即是色

僧侶の世界でも、「つながり」が大切であることが改めて認識されています。
人は生きる上でつながりを求め、つながりの中で生きる。
今年9月に、祖母が他界しました。
葬儀に際してふと思ったのは、お経は誰のために読まれるのか、ということ。
それは故人のためであり、残された人のためであります。
苦しみから解放され、安らかに生きる。
解釈が難しいお経・仏教の世界ですが、来年もう少し踏み込んでみたいと思います。
キッサコさんの般若心経には色んなアレンジがあります。
6/8拍子で奏でられる托鉢ver.がカッコイイ。

毎年恒例の、「今年の3曲」。
2020年は、この大きく変化した社会を生きていく上での生き方を導くような曲が揃いました。

年始に定めた2020年のテーマは「オモシロイ」でした。
人や物事の面白さに着目し、色んな人に会ったり行ったことのない場所に行こうとしていた、その矢先に、コロナ禍。
社会経済が混乱し、資金不足などで変化に耐えられなかった会社は倒産。
NPOで経営していた「ごちゃまぜカフェ」も閉店を決断しました。
物理的な人の移動の制限、人に会うにも距離を取る、大人数での集まりは避けるなど、求められた3密の回避。
世の中ではこうした状況にストレスや精神的不安を抱え、中には自ら命を落とす人も。
会社、教育現場や地域、障害分野などでも問題が浮き彫りになるなど、激動の1年でした。
誰もが苦しいその中で、最前線で戦っている医療現場の方々には、心より感謝致します。
大きく社会が変化し、withコロナといわれる中を生きた一年。
人に会えない分、読書に耽ったり、自身の人生を振り返ったり、配信ライブで「弾き語り×手話」企画をしてみたり。
その中で辿り着いた「オモシロイ」ものは、「言葉」でした。
言葉には、人を動かす力がある。
たった一言で、人を生かしたり、下手をすれば殺したりもする。
故に、使う者の人間性や力量が試される。
言葉遊びのような面白さもあり、広告コピーのように購買意欲を高めるような面白さもあり。
そして、たった一言、その言葉が人の心をすくうこともある。
私自身、言葉にすくわれた経験を持ちます。
だからこそ、少しでも、どこかの誰かをすくえるような言葉を使えるようになりたい。
このコロナ禍で、人と会うことが制限され、孤独を感じる人は一層増えたと思います。
「一人でいる」と「孤独でいる」は、全く違う。
これからの社会・地域では、孤独な人を生み出さない、取りこぼさない。
そのための「つながり」は、重要なキーワードです。
コロナによって「距離」が生まれたことにより、人が生きる上で、その距離を越えていく「つながり」「つなぐ」という言葉がどれほど大切か実感した一年でした。

様々な縁で繋がっている皆様には、感謝の一言に尽きます。
本年も大変お世話になりました。
来年も何卒宜しくお願い申し上げます。


では、よいお年を。

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