見出し画像

『宝石の国』3-5巻 市川春子

絵の美しさと世界観に感服した1,2巻。みてこの表紙。宝石を人として描くとこんな風になるのね。光と透明感なんて描けなくないかい?5巻の表紙なんて蝶が舞って透けているのですよ…美しい。帯の幅やフォントも洗練されていてなんて綺麗なんでしょう。さらに謎と深みが増す3-5巻。

宝石の子供たち(長生きだけど見た目は中性的な子供)を指導するのは「先生」というイケメンのお坊さん。彼らの世界に仏教というか宗教が存在するのかわからないけれど(何せ光で再生して、あまり死なない)、先生は頭を丸めて袈裟を着ており、襲撃してくる月人は如来や菩薩のよう。主人公のフォスフォフィライトはこの先生について疑問を持つようになる。そして大切な仲間が月に連れ去られてしまい、朗らかさを失ってしまう。他にも、自分の力不足で仲間を失ってしまった子もいて、それぞれに悩み、連れ戻したり敵を撃退しようとしている。自分なりの方法に取り組みながら、心に傷を残してずっと生きている。そういうのってあるよなあ、気にするなって言っても気にしちゃうよなあ、と思う。

1,2巻では貝というか幼虫というか軟体動物がとてもかわいらしく描かれていた本作。今回は一つ目や三つ目のふわっふわのかわいい犬が登場。なんでこういうのを思いつくんだろう。普通気持ち悪くなってしまいそうなものなのに。何をインプットしたらこういう生き物やストーリーを生み出せるのかな、と考えつつ続きを読みましょう。

296-298 『宝石の国3-5巻』 市川春子

#宝石の国 #市川春子 #アフタヌーンKC #マンガ #漫画 #comic #読書感想文 #本

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?