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『宝石の国 』1,2 巻 市川春子

こんな世界は初めて。こんな美しい絵を、世界をマンガは表すことができるんだ。すごいなあ。としみじみ思った。

主人公はフォスフォフィライト。実在する非常にまれな薄緑の鉱物の名前である。硬度は三半ととても低く、脆い。彼の住む世界には「ダイヤ」や「ルチル」といった鉱物の名を持つ人型の生き物たちが暮らしている。そして月から「月人(つきじん)」たちが、宝石である彼らを奪いに襲撃してくる。鉱物ベースのキャラクター達のキラキラした美しさ。仏のご来迎のような月人たちの襲撃。人間であれば攻撃を受けて飛び散るのは肉や血だが、鉱物である彼らは腕や足が剥離し、宝石が砕け散る。

1巻では彼らがどういう生き物なのか、2巻ではその世界の構造が明らかになる。私の勉強不足かもしれないが、『宝石の国』の世界観を他のストーリーや創世神話で聞いたことがない。どうしてこんなことを思いつき、展開することができるのだろう。絵だけが美しいのでなく、類のない世界観でお話が進んでいく。自分にとって完全に新しい世界が展開されていく。

このマンガを読もうと思ったのは穂村弘さんの読書本『きっとあの人は眠っているんだよ』がきっかけ。穂村さんのお墨付きなので既刊全巻を大人買いした。(表紙のキラキラ仕様も本当に綺麗)鉱物のキャラクターたちにそれぞれ特徴やキャラクターがあったりして、これから彼らを、そして未知の世界を知ることができるかと思うと嬉しい。ちなみにあんなにかわいく描かれているカタツムリも初めてみた。

282-283 宝石の国 1, 2

#宝石の国 #市川春子 #アフタヌーン #マンガ #漫画 #comic #読書感想文 #本

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