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お風呂上がりの軒先で 火照った身体を投げ出せば 日に日に寒さがやって来て 湯冷めのくしゃみ…
チカチカキラリン軒先の 電気仕掛けの星屑に 解読不能の文字列を 夜なべで織り込む点滅が 目指…
夜のしじまに洗濯機 消えない染みの独り言 時間と別れた面影は 連れ添う暮らしの山崩し 去年…
からっ風が歯に染みる 人気もまばらな広場には 自転車置き場と学生が 流行りの文句に恋をして …
空気の止まった枕元 暁童子が擦り寄って 音も立てずに揺り起こす とっくに目覚めているけれど…
近頃何でも使い捨て 粗末に扱い過ぎるから 塵に戻って出直して 大事にするには遅過ぎた 感謝…
仕事を終えて外に出てみたら 真冬の空気がほっぺでチンとなる 街灯のくぐもる光を反射しながら 風に押されて飛んで来る白い音 空にはぼんやりとした幕がかかり 星も月もその姿を見せないで 昨夜の流星を探しに行ったから 風の背中に跨りながら白い音 初めて会えたのは何時かしら あんまり覚えてもいないけど だからと言って無関心な訳も無い 風が吹き込む胸には白い音 舞って流れる雪の粒 落ちて転がる雪の粒 止まれば溶ける雪の粒 消えてしまうよ雪の粒
カエルのおもちゃの日溜りに 地味な動きのカマキリが けんもほろろにご機嫌よう コートも着な…
猫がゴロゴロ喉鳴らし 犬はブフーと鼻鳴らす 僕はパティで潜り込む 三人掛けのソファには 噛…
どうにもこうにも疲れたわ 働きすぎだと相槌に その気になって目も眩む 車のシートを倒し込み …
少し肌寒くなってきたから 手首の破れたパーカーを羽織り 散見する記憶の温もりを辿る 声を掛…
繰り返される必然も 宇宙が突いた鐘の声 もしくは黄昏枯れ野原 答が無いのは優しさで 唯一と思…
お空の空気は透明に 光の色を透かし込む 鳥は陽気な声を立て 新たな出会いを楽しんで 昨夜探…
冷たくなった足先に 掛ける言葉も見当たらず 違う話題に摺り替えて 今の今まで明け暮れる 潰えた何かの残骸を 拾って思いを探るけど そこに在るのは虚しさと 少しばかりの愛しさで 何時から不在になったのか 私が私に問いかける 過ぎ去る日々に抜け落ちた 影が揺れたら知らせてと 返す言葉も無いけれど 待ち続けても良いですか 理由のひとつも有ったなら 少しは楽に成れますか