小雪カマキリ
カエルのおもちゃの日溜りに
地味な動きのカマキリが
けんもほろろにご機嫌よう
コートも着ないで座ってる
夏はとっくに逝っちまい
秋は先頃旅立った
小春日和にホッとして
身重な身体を温める
春は毎年来るけれど
私の命はもう終い
世界の事など知らないが
私は黙って生きて来た
たくさん命を喰らったわ
それが私の命なの
今はひねもす歩いても
誰とも会えずに日が暮れる
あんたが私に気付くなら
少しは私も救われる
何にも変わりはしないけど
せめて命を繋ぎたい
春よまたねと眠りたい
やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール