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別に意識もしてないが 長年生きてりゃ癖付いて 本当は自分じゃない物も いつしか私を名乗り出…
虚勢を張るには頃合いの 物の怪蠢く丑満に 夜の帳を破り捨て 月まで届く遠吠えを 返る木霊に…
秋の夜長に嵌められて 半袖シャツじゃ肌寒い 虫の響きも一入で 頃良く情緒を慰める このまま眠…
今日は朝から雨だから レインコートで歩き出す 寒さで悴む羽の音 コオロギコロコロ草の陰 お…
真っ赤なトンボのホバリング 六角目玉で右左 風のタイヤで走り出し カーブもアクセル緩めない …
思い出す事 沢山あるよな 良い事ばっか そんな事ないけど 嫌な事ばっか 言いたくもないし 記憶…
路傍に落ちた君の跡 時々見付けて爪を噛む 後悔するのも温もりが そこにあるから仕方ない 路傍に落ちた君の跡 風雨や照り付く太陽に 曝され色褪せ変わるのは それを見つめる僕の方 路傍に落ちた君の跡 いつかは別れも来るのかな 出会えばそれも当たり前 生きていけない訳じゃない 路傍に落ちた君の跡 時々見付けて爪を切る 楽しくないけど微笑んで 隣に落とすよ僕の跡
夜半の風呂上がり 涼みに外に出る 流星群は雲の下 遠くの君は夢の中 灯す事もないランタン 頬…
別れはいつも ひとつだけ 櫛で梳かせば いくつかの 道筋見えたり するけれど 別れはやっぱり …
どのくらい息を吐き出せる ふいごの様に風送り 湿った心を乾かせよ 残り火あるなら焼き尽くせ …
刈り取られた草の匂いを オニヤンマが追い越して 汗がこめかみ横たわる 少し歩いただけなのに …
解けたままの靴紐で 知ってはいても知らんぷり 時計の針を戻したり 明日の予定を無視したり …
秋の化粧の山桜 風が舞う度素顔見せ 賑やか過ぎた虫の音も 離れ離れに遠退いて 悟る別れの草む…
降ったり止んだり そんな時雨心地だから 傘はいらないわ そもそも必要だとしても 何処かに忘れたままだから 本当意味の無い考えだったわ 歳月を経れば その分だけ草臥れていくのは どうにも仕方のない事だけれど 何だかあたしって者まで 変わり果てて行くような 小さくなって 誰も知らない部屋に 閉じ込められてしまうような そんな不安の棘が いつの間にやら 親指の先っちょに刺さってしまって 初めは何てことない痛みだったのだけれど 今となっては あたしの心や思い出達よりも 大きな顔をして