見出し画像

遠吠え

虚勢を張るには頃合いの
物の怪蠢く丑満に

夜の帳を破り捨て
月まで届く遠吠えを

返る木霊に虚を突かれ
それに怯えて吠え続け

負けるわけにはいかないと
脅迫まがいの信念に

とうとう喉が張り裂けて
我に返った朝ぼらけ

この記事が参加している募集

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール