融通
刈り取られた草の匂いを
オニヤンマが追い越して
汗がこめかみ横たわる
少し歩いただけなのに
抑圧は解放を願い
束縛は自由を求める
放置された善き人は
いつしか理性の喧騒に
周囲を見渡し点呼する
はみ出し者は抹殺せよ
解放は秩序を律し
自由はルールを課す
時折吹くのは秋の風
背中を優しく掻いてくれ
そうかと思えば秋の風
ぷいっと何方へ行きなさる
融通が利かないって方が
実際心地の良いもんだ
やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール