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壱貫亨司詩作集め
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記事一覧

参ったな

静かな夜が好きなのは 耳を澄ませていたいから 祝いの席さえ遠慮する 疲れた我が身に愛着を …

壱貫亨治
11か月前
20

バイバイ

別に大事にもしていなかった それでもいつも側にあった そのぐらいが丁度良い距離感 見え過ぎ…

壱貫亨治
11か月前
18

無色

無色透明鼻水を すすって一声咳払い 喉の蠕動つっかかり 腐れて落ちたら水溜り 浅い呼吸の徘徊…

壱貫亨治
11か月前
18

街並みを乗せ

都会の喧騒に埋もれながら 君は鳴り止まない音を奏でて 互いを否定し合うだけの恋慕を 下着姿…

壱貫亨治
1年前
20

言葉に宿る

ありふれた 日々こそ唯の特別か 気付きなど 証拠も示せぬ陳述で 淡白な 私の胸には懐かない …

壱貫亨治
1年前
18

停車場

長い直線道路は旧街道 どんつきまでアクセルを踏む 人気のない通り沿い 二つ目の信号を超えた…

壱貫亨治
1年前
18

今生の別れ

もう暗くなってきたよ 近頃夜が早くって 空気も何だか冷えてくる のんびりしていたいけど そんな時こそあっという間 すっかり夜更けに晒される 話したかった事なんて 忘れてしまったまんまだし 仕事も取り敢えず終わらせた あーとかうーとか呟いて 座面の固いイスに腰を下ろし 余ったお菓子を探したり 言いたくないけど帰ろうか 明日になればまた此処に来て 今生の別れみたいに抱き合おう

巡り合い

巡り会えたなら また生まれ変わると言いました それは恐らく本心で けれども移ろう風雪に 確…

壱貫亨治
1年前
21

リズム

リズムを刻め 住み慣れた街 変わらなくなった日常 ベルトコンベアの業務 リズムを刻め 変革…

壱貫亨治
1年前
17

待つ人

トラックの荷台に隠れて 遠路はるばる旅行けば 街の匂いも変わるもので 無闇な期待を抱いたり …

壱貫亨治
1年前
22

防波堤

穏やかな海岸沿い 水平線と足元の中空 所々が途切れた 灰色の防波堤 太陽が反射する その一点…

壱貫亨治
1年前
20

ガス欠

取り柄も無いのが鉄砲玉 発射したならぶっ飛んで 放物線も描かずに なるたけ真っ直ぐ突き進む …

壱貫亨治
1年前
18

噴水の上を歩いて

放水量と勢いの強弱 時間と順序の組み合わせに ブルーやグリーンの照明 人の手が介在する風景 …

壱貫亨治
1年前
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湯の残った洗面器

風呂場に洗面器 冷めた湯が残る 時々猫が飲んでいた それは過去の事 窓から差し込む 車のヘッドライト 帰宅の知らせ それはウチじゃない 沢山の思い出 めくるめく夢追い 実現された暮らし それは全てじゃない 諦めと希望 受け入れる約束 理由のない動機 それは生きているから 風呂場に洗面器