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待つ人

トラックの荷台に隠れて
遠路はるばる旅行けば
街の匂いも変わるもので
無闇な期待を抱いたり
すぐにまた次の何処か
新しい景色に焦がれたり

いつまでも同じ僕は
流れ去る景色を目で追い
気付かないでいる事に
半ば麻痺した安心感を
飽きさせない事ばかり
求めているだけなんだ

終わりが見えないなら
いつだって終われば良い
始まりを忘れたなら
今すぐ始めてみれば良い
どっちつかずの散乱に
眩しくなって目を閉じれば

僕の帰りを待つ人を知る
僕の帰りを待つ人を知る

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール