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花が咲いたら

秋の化粧の山桜
風が舞う度素顔見せ
賑やか過ぎた虫の音も
離れ離れに遠退いて
悟る別れの草むしり

昨夜見つけた歌声を
黙って聴かせてくれたなら
語り尽くせぬ束の間に
顔も合わせず寄り添って
きっと忘れやしないから

花が咲いたらこの場所で
思い出ばかりの盃に
今日を浮かべて歌いましょう
別れの言葉は花飾り
出来ない約束紅をさす

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール