📓ガソリン注入アクセル全開！子どものやる気を高める５つの方法

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どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。

「先生、今日は運動会の練習しないんですか？」

「先生、家で作文の続きを書いてきてもいいですか？」

筆者の学級では、
そのような学習や練習の催促をする声がよく聞かれていました。

なぜそのような子どもの姿が見られるのか。

それは、
やる気を引き出しているからに他なりません。

教員になって４～５年目の頃、
筆者はどうやら自分が相対的に見て、
子どものやる気を引き出させることが得意なようだと気付き始めました。

なぜ子どものやる気を出させることが出来るのか。

それは、
子どもの気持ちが分かるからです。

では、
なぜ子どもの気持ちが分かるのか。

それは、
筆者がやる気が沸かなければ、
全ての機能がシャットダウンする人間だから笑

学生時代、
やる気がわかない授業の場合は、
完全に冬眠状態に入っていました。

これは、
ADHDの特性です。

楽しい。
ワクワクする。
知的好奇心をくすぐられる。

そのような、
ドーパミンが分泌される状態になって、
初めて、脳が覚醒します。

だからこそ、
どのような工夫をすれば、
人のホットスイッチが入るのかが、
感覚的に分かるのだと思います。

（もちろん自分の感覚が全ての人に当てはまるとは思っていません）

そんな感覚＋数々の工夫を積み重ねて導き出した

「子どものやる気を高める５つの方法」

をお伝えできればと思います。

子どもの姿をイメージしながら、
読んでくださると分かりやすいかもしれません。

【１】最終系をイメージする

１つ目は、

「最終系をイメージする」

ということ。

ゴール地点を示さなければ、
そこまでたどり着きたいという気持ちは生まれません。

だから、まず、
最終到達地点を示してしまうのです。

とあるガソリンスタンドの売り上げが悪い店舗が、社員に地域ナンバー１のガソリンスタンドを見せに行き、次の日は社員の動きが見事に変わったという話があります。

そういったことを熟知している部活動顧問は、
全国大会常連校の練習風景を、
実際に現地に赴き、
見せるところから出発するという話もある。

そういった、
視覚や空気感によって感じ取った情報は、
人間に変化を起こしやすいのです。

よって、
学校現場であれば、
やはり手本は必須でしょう。

よく筆者が使う手法は、
ビフォア／アフターを見せること。

作品展で読書感想画をかくとなった時も、

４月に始めて描いた絵はこのような形。
それが、１０月にはこのように変化した。

といった事例を、
次々と見せていきます。

すると、

最初は自分と変わらないレベルの子どもも、

「半年間にこれだけ変化するのか」

と希望をもたせることができる。

そうやって、
心に種火を起こさせるのです。

後は、その種火を大きくしていく。

大きくしていくために使えるのが、
後述する４つの方法です。

【２】目標＋選択

人間は、
自分でやると決めたことは、
できればやり遂げたいと思うもの。

自分が納得をして決めた目標を達成できれば、

達成感。
成長するうれしさ。
自分のことを大事にしている感覚。

を得ることができます。

自分が決めたことを投げ出してしまっては、
それは自分を落としていく行為となり、
自分を大事にしていることにはなりませんから。

そういったメリットがあるからこそ、
目標を立てることは、
やる気を高めることにつながります。

ただ、周囲と比較した目標にするのではなく、
過去の自分と比べた目標にすることが大事。

一時期、
ソフトボール投げの実践をしている時があったのですが、必ず、前回と比べてどれだけ伸びたかを評価していました。

個人目標を立てさせた上で、です。

そして、
学級通信で、

「最高記録が誰」

ではなく、

「変化の幅が大きいのは誰」

といった視点で、
その成長を評価していたのです。

すると、
記録だけ見ると中間レベルだとしても、
１０ｍ伸びていた場合は、
周囲から「すげー」と感嘆の声があがるように。

よって、当人が、

「がんばってよかったな」

と思えるようになる。

普段は読書ばかりしていて、
なかなか外では遊ばなかった男の子が、
数ヶ月で１２ｍほど記録を伸ばした事例があります。

その結果、
ドッジボール好きな男子たちから、
「お前すげーな」と注目され、
家でも運動に目覚めるようになっていったとお母さんから話を聞きました。

そういった、
伸びしろによる評価を、
あらゆる教科で行うようにし、
誰しもが、どこかで注目を浴びるように環境設計をしていたのです。

【３】到達目安を示す

「どれぐらいまで到達すれば、どの程度の実力を保有している」

ということを、
目安として示すことも極めて有効です。

非常に分かりやすい事例が、
以前に英語の記事で紹介した、
英語検定表です。

５０点満点中、
何点ならば何級に該当し、
何級だったらどのレベルかが、
明確に分かるようになっています。

例えば、
合計３０点取れば６級に該当し、
６年生として合格レベルであることが分かります。

ここまで細かくなくても、
以下のように観点別に評価ポイントを伝え、
合計値を示す場合もあります。

この場合も、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

A　→　３年生として合格レベル
AA　→　３年生としてすごい
AAA　→　３年生としてトップレベル
AAAA　→　４年生レベル
AAAAAA　→　４年生トップレベル

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と年間を通して指標を示しておき、
誰でも絶対合格レベルは達成できるようにしておきます。

そうすれば、
誰も傷つくことはありません。

LDの子でも、

「わたし、AAAとる！！」

と目標を立て、

「先生、これってA追加される？」

と、評価ポイントを満たしているかを確認しながら、工夫を凝らして取り組んでいました。

「これだけの工夫をすれば、明確に評価が上がる」

ということが、
明らかになるからこそ、
やる気を高めることができる。

高学年になれば、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

AAAレベルは◎のレベル
AAは〇と◎の間

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

みたいな形で、
成績をつける評価基準を示した上で、
取り組ませるということも、
フェアな視点であると筆者は思っています。

「先生は〇枚作文を書いたけど、さすがにみんなは〇年生だから、先生ぐらいは書けないかな～」

などと言って勝負心を掻き立てる方法は、
４年生ぐらいまでは有効かもしれません笑

まあ、
現在の「競わない」「共生の時代」には、
則していないかもしれませんが･･･

【４】スーパースモールステップ

折角やる気の炎が燃え上がったとしても、
階段の１段１段が非常に高い、
もしく壁レベルの高さであれば、
さすがにやる気の炎も消えてしまうでしょう。

だからこそ、

「簡単すぎる！もっとやらせてくれよ！」

と思えるほど、
１段１段の階段を細かく細分化して、
スーパースモールステップにしていくのです。

これは、
以前の鉄棒の記事を書いたステップで考えると分かりやすい。

「後方片膝掛け回転」

という技を行うために、
その技に挑戦するまでのステップを、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

①前回り
②豚の丸焼き
③足掛け回り
④ひざ掛け上がり
⑤後方片膝掛け回転

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と設定します。

そして、

膝掛け振り上がりと、
後方片膝掛け回転を、
角度ごとに１０点の点数化を行っていく。

一周が１８０点なので、
１０度昨日より大きく回れれば１０点追加。
１つの技が１８個に細分化されることになります。

ということは、
４０ステップに細分化されることになるのです。

子どもの運動指導における、
日本ギネス記録タイトルホルダーの教師は、

「バトンパス」

だけを、２６ステップに細分化していました。

これだけ細分化すると、どんな子どもも、
１００点満点中８０点のレベルにまでは、
大体もっていくことができるのです。