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ポール・デルヴォー 夢を泳ぎ、美を遊ぶ

神秘的な空間で描かれる夢とノスタルジー。
ポール・デルヴォーの作品には冷たく甘美な物語を感じます。

画家、ポール・デルヴォーはベルギーの裕福な家に生まれます。
溺愛されて育った繊細なデルヴォーは、自分の感情を絵の中で静かに表現しました。
そこは何ものにも侵されない彼だけの世界。
女神として描かれた裸婦たちは、その妖しくシュールな世界で夢幻の物語を紡ぎます。
それは彼の個人的な神話。もうひとつの美しい真実。

 同じベルギー出身の画家ルネ・マグリットが成熟した大人のシュルレアリストであれば、デルヴォーは子供の心を持ち続けたシュルレアリストであったように思えます。
繰り返し描かれる同じモチーフ。
想い続けた女性への憧れ、幼い時から好きだった汽車、若い頃に感銘を受けた建築や小説、死を直接的に感じられる骸骨。
子供のように好きなおもちゃを何度も並べ直し、理想の幻想世界を飽くことなく描き続けたデルヴォー。

夢を泳ぎ、美を遊ぶこと。
芸術家としての大切な心をポール・デルヴォーの作品からも深く感じます。

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