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Vol. 77 「コロナ後のスポーツ」

開いて下さりありがとうございます。宜しくお願いします。


今日はAbeゼミに参加しました。新メンバーも加わり、より一層刺激的なインプット・アウトプットができ、非常に楽しいです。

3時間ほどのセッションで、GDを一つ行い、その後に「日本ラグビーの人気を維持するためには」というテーマで議論をしました。


日本ラグビーのテーマは非常に興味深いものでした。スポーツをしている身として、今後のスポーツ界の動向には個人的にかなり注視しているし、今回の議論でさらに考えが深まりました。

今回は、「コロナとスポーツ人気の関係性」「ラグビー”にわかファン”が定着するためには」の2つのテーマで書いていこうと思います。


【コロナとスポーツ人気の関係性】


まず前提として、新型コロナの影響で今年の2月下旬ごろから全てのスポーツ(プロ・アマ)の大会が中止、延期になりました。その間に問題視されていたのが、「ファン離れ」です。

スポーツの熱狂的ファンや、スポーツ観戦が趣味の人たちにとっては、会場に行って直接スポーツを応援することが楽しみであり、ある種生きがいのように感じている人たちも多いと思います。シーズンを通して試合があるたびに会場に行き、応援していた人たちは、試合が開催されない日々に、選手たちと同等レベルの”非日常感”を感じることは当然です。

しかし、その”非日常”も、時間が経てば”日常”なっていきます。オンライン授業が不慣れだった大学生が現在ではほとんど苦労していないように、試合を観に行かなくても平気になってしまうのが人間です。その点から、試合が再開されても試合を観に行く人が減ってしまうのではないか、ファンが離れていってしまうのではないかという不安が、スポーツ界全域で広まりました。


「ファン離れを防ぐための施策」

そんな中、試合が行われなくてもファンを楽しませ、ファン離れを防ぐために行われたのが、YouTubeやSNSなどでのファン交流です。

自粛期間に、多くのプロスポーツ選手がSNSなどを通してファンと交流の場持ったのは、メディアなどでも多数取り上げられていました。

普段はあまりできる機会がないような、プロ選手とのコミュニケーションを、ファンは存分に楽しむことができたのではないかと思っています。

さらに、JBAやラグビーワールドカップの公式YouTubeチャンネルでは、過去の伝説的な試合をフルで公開したり、選手目線の練習動画をUpするなどして、自粛期間にファンを飽きさせないための豊富なコンテンツを提供していました。実際に昨年のラグビーワールドカップの日本対スコットランドの試合の動画は、43万回視聴と、多くの視聴者を獲得しています。


私は自粛期間中にスポーツ界が行なっていたこのようなファン向けのサービスを知っていたので、それが功を成し、ファン離れはあまり起きないのではないかと思っていました。もっと言うと、生で試合が見れない期間にそのスポーツに対する想いがさらに強くなり、試合が再開され、蓋を開けて観たらファンが増えていたと言う現象さえ起こると思っていました。しかし、実際は少し違いました。


「再開後の観客動員数」

Jリーグは、人数を制限して観客を動員し、試合を再開させました。しかし、実際にチケットは完売せず、8月からの制限緩和もあまり意味がない状態です。

実際のところ、コロナはまだ収束しておらず、多くの国民はこの時期に試合を観戦しに行くことに抵抗があるのは間違い無いので、この段階で「ファンが離れた」とは言いきれません。

ですが、日本全体のコロナに対する不信感が消えない限り、ファン離れのリスクは高まる一方かもしれません。そしてコロナに対する不信感、恐怖感は、少なく見積もってもあと数年は消えないと思います。



【ラグビー”にわかファン”が定着するためには】


昨年のW杯ベスト8を皮切りに生まれたラグビーブーム。日本代表選手たちは大会後に様々なメディアに露出し、多方面でご活躍されていました。そんな中で、ラグビーのルールなど詳しいことはわからないけどラグビーに興味を持った「にわかファン」がトレンド入りしていたことは有名だと思います。

現在ラグビー協会では、W杯をきっかけに獲得した”にわかファン”を今後定着させるために試行錯誤を重ねているそうです。

私の持論を先に述べると、

「”ラグビーファン”を”リーグファン”にすること」

が最も大切なことでは無いかと思っています。ここでの認識は、ラグビーファン=にわかファン、リーグファン=定着した”脱にわかファン”です。

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↑これは、Googleトレンドで「ラグビー」とキーワード検索した時のグラフです。4年に一度行われるW杯の時期は格段に検索数が上昇し、それ以外の時期はほぼ検索されていないことがわかります。

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↑これは、同じくGoogleトレンドで「サントリーサンゴリアス」と「パナソニックワイルドナイツ」を調べた時のグラフです。やはりW杯の期間は検索数が増えますが、「ラグビー」と検索した時と異なる点はそれ以外の期間です。微量ではありますが、年間を通していくつか上昇している期間があります。これらは国内のリーグが試合を行なっている期間です。


このグラフから分かるように、W杯をきっかけにラグビーに興味をもち、それからさらに踏み込んだ行動を起こさない「にわかファン」は、W杯終了後にラグビーへの興味関心が薄れていきます。

しかし、その後にリーグに興味をもち、「脱にわか」をしたファンは、W杯以降も継続的にラグビーに関心を持ち続けます。


このことから、「いかにリーグに興味を持ってもらうか」に論点を置いて、施策を考えていくことが大切だと考えます。

おそらくこれはラグビーだけではありません。「マイナーだと言われているスポーツがどのようにファンを獲得していくか」と言う問題にも使える考え方だと思います。


今日も読んで頂きありがとうございました。もし記事を気に入って下さった方がいたら、是非フォロー、スキ、コメントを宜しくお願いします。

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