5カ国が巻き起こす渦~北欧パビリオン~
今回紹介するのはフィンランド、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、アイスランドの5カ国による「北欧パビリオン」です。北欧5カ国が共同出展するのは2005年の愛知万博(愛・地球博)以来なんだとか。(冒頭画像は©The Nordic Pavilion)
北欧パビリオンのテーマは「ノルディック・サークル」。それぞれ異なる特色を持つ5カ国が一つになり「最善の力を結集させ、まだ見ぬ新しいつながりを創り出す」というメッセージが込められています。日本国産の木材で作ったパビリオンの正面には、小さいガラスを渦の一部のように見立てたデザインを施します。
北欧といえば先進的な福祉制度や自然、家具や衣類の個性的なデザインが思い浮かぶでしょうか。たとえば、フィンランドの生活雑貨ブランド「マリメッコ(marimekko)」やデンマークのおもちゃブランド「レゴ(LEGO)」なども北欧モノ。2017年には名古屋市にテーマパーク「レゴランド・ジャパン」もできました。
鮮やかな色使いや使い心地を重視するデザインの背景には、北欧の暮らし方があります。北極に近いため、1年のうち2カ月ほど日が昇らない「極夜」があったり冬は氷点下になったりと、北欧の暮らしはちょっぴり過酷。
そんな日々を耐え抜くために、北欧の人々は「おうち時間」をいかに楽しむかということに全力を注ぎ、家族や友人と過ごす「ヒュッゲ(Hygge)」(デンマーク語で「ゆったりとした時間」)を大事にします。温かいコーヒーとキャンドルの灯りで寒さを乗り越える。そんな生活、なんだか憧れちゃいますよね。
北欧パビリオンでは、そんな北欧の人々の暮らしを知ることができます。館内では北欧のイノベーションや人々の日常、各国の協力する様子を、スクリーン代わりの「ライスペーパー」に映し出します。ライスペーパーはフードロスになる予定だった米を再利用して紙にしたもの。テーマに沿って「渦巻き型」に展示する予定です。周囲には北欧のビジネスや産業についての解説を彫った岩のオブジェも散りばめます。
テラスにも展示場所と同様のライスペーパーが日よけ代わりに使われます。ここには北欧のグルメが味わえるレストランが設置される予定です。まだメニューは構想段階だそうですが、ノルウェー特産のサーモンやスウェーデンの郷土料理ミートボールなんかも味わえるかもしれませんね。
6月、東京都内で開かれたレセプションで、ノルウェー政府代表のフィン・クリスチャン・アアモド氏は「パビリオンでは命の循環を表現する。2025年、大阪の地で会えるのを楽しみにしているよ」と話していました。