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<第42回> 社員紹介(リファラル)って、選考でどの程度有利になるものですか?


こんにちは、安斎響市です。


今日いただいた質問は、

現在日系IT企業に勤務しており、外資ITへの転職活動中です。応募を検討している企業には元同僚や元取引先の方もいて、HRへの紹介もできると言ってくれているのですが、社員による紹介での応募とエージェント経由での応募では、どちらが内定を得やすいでしょうか?
もちろん紹介者の社内評価やエージェントの持つコネクションの強さにも依るかと思いますが、一般論としてご回答いただけますと幸いです。


 というものです。

※この週刊連載:安斎響市の「転職相談室」(毎週土曜日更新)は、マシュマロというツールで募集した匿名の質問に対して、安斎響市が、徹底的に真面目に答えていくという企画です。

かなり込み入った質問や、人生相談のような投稿も多く、Twitterで140文字だけの回答だと私の意見を説明しきれないため、毎週1問、このnote記事で徹底解説していきます。

質問の投稿は、こちらから


今日は、社員紹介(リファラル)についてのお話です。

最近、リファラル採用を導入する企業が増えているという話があります。


外資系企業では、もうずっと前から定着している、割とメジャーな採用方法で、現役社員の個人的な紹介で中途採用候補者の面接をするというのは、よくある話です。


企業側のメリットとしては、

①現役社員の紹介なので、社風に合う人を採用できる可能性が比較的高く、入社後のミスマッチをある程度は防げること

②転職エージェントに支払う高額なフィー(紹介料)がないので、採用コストを抑えられること(紹介した社員に報酬を出している場合も多いが、エージェントに比べればかなり安く済む)

の2つが大きいと思います。



さて、今日のご質問、

社員による紹介での応募とエージェント経由での応募では、どちらが内定を得やすいか? については、正直なんとも言えません。

一般論としてご回答いただけますと幸いです」と書いてはいますが、はっきり言って、こういうトピックの場合、「一般論」ほど役に立たないものはありません。



やはり「社員紹介」の方が有利なのでは? と思う人が多いかもしれませんが、意外と、そうとは限りません。「採用コストを抑えられるから社員紹介の方が内定が出やすい」なんて、そんなに単純な話ではありません。これは、私の外資系大手企業の面接官としての経験から来る意見です。



そこで、今日は、

・転職エージェント経由よりも「社員紹介」の方が有利になるケース

・「社員紹介」よりも転職エージェント経由の方が有利になるケース


の両方について、具体的に書きます。


自分が置かれた状況が、この2つのどちらに近いか? という基準で、「社員紹介」と転職エージェント経由のどちらを選ぶべきか、考えていただければ幸いです。


転職エージェント経由よりも「社員紹介」の方が有利になるケース


まず、「社員紹介」を使うべきケースについて。


中途採用のプロセスって、だいたい通常の応募だと、

①エージェントからの求人紹介

②書類応募

③企業HR(人事部)の書類選考

④採用担当者(一次面接官)の書類選考

⑤一次面接

⑥最終面接

⑦内定・条件面談


みたいな流れが多いと思うんですが、「社員紹介」で応募した場合は、

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