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定期ミーティングの使い方を誤ると業務が進まなくなる。業務を進めるための定期ミーティングとは?


部下を抱えている方は、部下の業務進捗確認や指導をするため、どのようにコミュニケーションを取っていますか?

私のチームでは、全員と毎週1時間ずつ1on1の時間を取っています。

このミーティングでは題目は決めていないので、私から確認したいことやお願いしたいことがありつつ、基本は部下が話したいことを話してもらうところにしています。

ありがたいことに毎回各メンバーともに話したいことを準備してくれることが多いので、こちらは聞きつつ、必要なアドバイスや指示、場合によっては私にリクエストもありますので、その対応を約束したり、という進め方をしています。

今まで課長になる前に経験したチームマネジメント経験から、部下の状況や業務の状況を知るためには、自分が受け入れる姿勢を示して、メンバーが発信できる状況を作ることが大事だと学んできましたので、「1on1の時間を確実に確保すること」、「とにかく聞くこと」は拘って進めています。

次長が指導会を設定してきた。

そんな折、次長から定期ミーティングの案内が送られてきました。

私のチームでは、今年の大きなテーマとして、工場の実績管理手法の改革を挙げています。
実績自体はただのデータですから、大したものではないのですが、やはり工場の現場がそのデータを使えていない、という長年の課題がありました。

このテーマは私が過去のキャリアの中でずっと疑問に思い続けてきたことで、なかなか変化を起こせなかったのですが、今年、私が課長としてこのテーマを挙げ、承認されました。

そして、このテーマは長年の課題ですから、そう簡単に解決できるものではありません。現場との対話が重要になると考え、私のチームから若手を2名指名し、このテーマについて考えてもらうことにしました

先ほど述べたように、そもそも私がやりたいと思ったテーマですので、なぜこのテーマをやろうと思ったのか、もしやれたらどのように変わると思っているのか、という話をしました。

若手二人とも、「それは良いですね」「絶対やりたいです」と言ってくれました。

若手を連れて現場に行き、やりたいこと、コンセプトを話したところ、現場からも「私たちもデータを活用できるようになりたいから是非やろう」と言ってくれました。
若手もそのような反応が嬉しかったようで、色々考え出してくれていました。

もちろん、こういったステータスはすべて私から次長に毎週報告、相談を入れていました。

そんな中、次長から、若手二人あてに定期ミーティングの案内が飛んだのです。

若手の反応。

そのミーティング案内にはこのように書いてありました。

「私と定期的に打ち合わせをしたいと思うので時間を確保してください」

題材は先ほど述べた工場管理改善についてです。私はステータスを毎週次長に報告しています。なのにこのようなミーティングが設定されてきたので、私から次長にその意図を聞きました。そうしたら、

「私も直接若手が何を考えているのか聞きたいんだよ」

というわけです。まあ、わかります。それ自体は。
でもそれなら15分でもいいわけで。実はこのミーティングは2時間です。
毎週2時間って。単純計算で、週の勤務時間は40時間ですから、5%もの時間をこのミーティングに割くわけです。

しかも、この次長は過去、部下に対し、事細かに作業指示をする人でした。
今年、私が課長になってみると、皆が指示待ち姿勢で非常に困りました。
半年かけて、自ら考えられるようにマネジメントをしてきました。
先ほど述べたように、若手二人とも、「ぜひやりたい」と自分で思って考え出してくれていましたので、変わってきたな、と思っていた矢先の出来事です。

若手二人は「どうせ2時間、ずっと指導されるんですよね」というわけです。「まあ、別にいいんですが、心配なのは、この指導会のせいで仕事が進まなくなるんじゃないかと思って」とも。

実は、次長は今年から私が課長になったために自分が直接若手に指導できないのが嫌なようで、最近は自分の下にいるメンバーとの定例ミーティングを連発しています。
私の課のメンバーで二つ。隣の課で二つ。毎週の定期ミーティングを自ら設定しています。

そして、それに対し、部下がみな「これで仕事が進まなくなる」と思っています

仕事を進めるミーティングと止めるミーティングの違いって。

確かに、私も同じ心配をしています。しかし、仕事を止めるわけにいきませんし、次長が設定したミーティングを無視するわけにもいきません。

さてどうしたものか。

ここで考えてみました。なぜ、次長のミーティングは仕事を止めると思われるのか。

その理由の一つは、「自分がやりたいことと次長の指示が違うから」です。

若手と話していると、「毎週ミーティングがあると、宿題の対応だけで終わって、しっかり考えて仕事ができなくなる」というわけです。
宿題の本来の目的は部下に考えさせることですから、それによって考えることができなくなるというのは本末転倒です。

ということは、「自分が考えたいこと、考えていることと次長の指示に食い違いがある」ということです。

でも、実はそんなに食い違っていないのです。私もミーティングに同席しているのですが、次長の指示は決して変なことを言っているわけでもないし、不要な指示でもありません。必要な考え方であったり示唆であったりします。

しかし若手はそのように受け取っていない
ミーティングに参加しながら、そこをどうやってすり合わせようかと考えていました。

一つ気づいたことがあります。

それは、「若手が自分のやりたいことを話していない」ということです。

指導は「指導を受ける側」主導で進めること。

はじめに述べたように、若手はこのテーマを「ぜひやりたい」と思ってくれ、自分で現場と話したり、色々考えて進めようとしてくれています。

しかし、次長のミーティングでは次長が喋っている時間が長い、ということもあり、それらの自分が進めている内容を伝えられていませんでした。

それには二つ理由があります。

一つ目は若手がやりたいことを目に見える形で計画に落とし込んでいなかったこと。これは完全に直属の上司の私の落ち度だと思っています。

二つ目は、ミーティングでの指導項目を次長が設定し、宿題も次長が設定し、主導権が次長にあったことです。

ここで、改めて指導とは何か、と考えてみると、「指導される側が適切に業務を進められるようになること、成長すること」が目的です。
文字にすると分かるのですが、主語は「指導される側」なわけです。

しかし、得てして指導は「指導する側」が主語になって進めています。今回も、「次長が」テーマを設定し、「次長が」指導する、といった具合です。

ここが一番のボタンの掛け違いなのだろうと思います。

「指導するための定期ミーティング」は側面支援

まずは「指導される側」、つまり「業務を遂行する本人」が進め方や計画を作ること。そして、それを軸として、側面から支援をするための指導という構図にすること。

「定期ミーティング」というのは、それ自体がマイルストーンになりがちです。
次回のミーティングまでに何をするか
、と考えがちです。

「次までに何をするか」という発想は大事なのですが、その軸は「定期ミーティング」ではなく、各プロジェクト・テーマのマイルストーンであるべきです。

「定期ミーティング」によってその計画を崩すことが無いよう、あくまで側面から支援するのだ、という目線を忘れずにいたいものです。

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