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真夜中の訪問者

虫の知らせと言う言葉がある
何か良くない事、不吉なこと
そういうものを何か知らせてくる

例えばそれはインターフォンかもしれない
そんな話である。

そのインターフォンは唐突だった
しかも真夜中0時
イレブンPMは火曜イレブンがエロかった
俺が中学生に上がるころには
イレブンPMは終わっていた。
そんな時代の話かといえば
そうじゃない。

ただ書きたかっただけのことだ。
ただ一人暮らしをしている身
真夜中にやることといえば
右手で何かをつかみ取り
エクソサイズするくらいしかやる事が無い

そんな時鳴った
ピンポーーーーン

え?誰こんな時間にと
全く心当たりはなく
流石に時間も時間だしちょっと怖い

六畳一間のアパートだ
恐る恐るドアスコープを覗くと
何も映ってはいなかった。

そこで最初に思ったことは
隠れたか!!
そう思ったというより
そう思いたかったのかもしれない

霊的なものだとしたら
生きた心地がしない
恐らく見た瞬間に心臓が止まるだろう
霊側にしてもただちょっと
脅かすつもりだったのに
命を奪ってしまうことになりかねない

「隠れてるんだろうー
 解ってるぞこのやろう」


しかし隠れてたとしても怖いよな
脳内映画が始まる

タイトルをつけるならば
「幽霊VS泥棒エピソードゼロ」だ
何故ゼロかというと零と霊がかかっている
そして俺はゼロ感でもある。

返事はない。
チェーンをしてドアを開ける。
「お化けなんてないさー
 お化けなんて嘘さー
 ねーぼけたー人が見間違えたのさ」

エクソサイズの結果
ロケットを発射していたこともあり
体力を消耗していたのかもしれない
そのことが俺に幻聴を聴こえさせたのだろうか

否、それはない
俺はみこすり半タイプだ。

何者もおらず
外は小雨が降っていた

これは虫の知らせじゃないのか?
もしかしたら身内か?
聞いた事がある。
肉親が亡くなったときに
会いに来たみたいな話

実家に電話をかけたら
怒られた。皆無事だった。

では誰だ?

けど、その後は何もないので
忘れていた
3日ほどたっただろうか

インターネットを見ながら寝る事が基本で
枕元にノートパソコンを置く

睡眠用動画を聴きながらウトウトする
完全には寝付けず動画のループがはじまり
いつのまにか芸能人の怖い話になっていた

クーラーをつけると寒く
つけないでいると湿度が高い
そんな雨降りの皐 月

「ピンポーーーーーーン」

これは、霊だ。3日前の恐怖が一瞬で蘇る
せめて女であってほしい
どこかで引き寄せてしまったのかもしれない
みこすり半だが許して欲しい

そもそも霊魂ならば肉体は関係ない
そういえば1か月前くらいの帰り道
花束のある電柱にぞっとしたことが
ここ1か月であった

あの時だな。
勝手な憶測だ。

しかし、人の可能性もある
「ピンポーーーーン」

えっ????????????
俺の思考はそれほど時間を要していない
そのわずかな間に2回インターフォンが鳴った

確実に何かいる。

「ハイホーハイホーハイホー」
大きい声をだしながらドアに向かった
少し陽気に振舞ったのは
生存本能のなせる業だろう

ドアスコープを覗く
誰もいない

全身の鳥肌が止まらない
チェーンをしてドアを半開きに
することもできない
それをすれば隙間から
入ってくるかもしれない

てか、霊ならばすり抜けられないか?
何故インターフォンを鳴らすのだ?

虫の知らせかもしれない
前回は身内に不幸が怒る前兆
だったのかもしれない
再び実家に電話をかけたら怒られた

皆無事だった
本当言うと怒られてもいいから
声が聴きたかった

電話を切ったタイミングで
「ピンポーーーーーーン」

ぎゃーーーーーーーーーーーーーーー!!
俺の精神は崩壊した
それからは

インターフォンが鳴りやまない
永遠に鳴りつづける地獄
外には誰もいない
30回40回となる

てかこれだけ煩かったら
壁の薄いアパートだし

おい、隣人出てこいこのやろう!!
そして俺にクレームをいれろー!
管理会社に通報してくれー!
管理会社は駆けつけろーーーー!!

怖すぎて、ただただ茫然自失で
ただただ立ち尽くしていた
しかし不意に鳴りやんだ

そりゃそうだ。霊も飽きたのだろう
音が鳴らなくなっても
しばらくは身動きが取れなかった

冷静になってきて
賃貸借契約書を出して
管理会社に電話した

「本日の営業は終了しました」

終了されては困る。
時刻は丑三つ時

眠れない。
YOUTUBEはアホ動画ばかりにした
というか、幽霊かもしれないし
もしかしたら悪戯だとしたら
どこかに隠れているかもしれない

幸い土曜日で仕事も休みだし
朝になるのをまって管理会社に電話した

「この部屋、誰か死んでいませんか?」
「誰も死んでいませんよ」
「霊現象が起こるのです」
「はじめてききました。どんな症状です?」

「インターフォンがずっと鳴りっぱなしで・・
 でも誰もいないんです」


「インターフォンの故障じゃないですか?」
「!?」

それなっ!!!
盲点だった。

管理会社の人が来てくれた
カバーの部分が腐食して
破けていて、そこから漏水して
接触障害を起こしたらしい

最後は完全に切れて
音が鳴りやんだらしい

俺はアパートを変えることはなかった
だってそれはただの
インターフォンの故障なだけだから。


あとがき
コメントを下さったcandyさんが
面白エピソードを話してくれたので
それをアレンジして話を書いてみました

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