命のやり取り
この間少し過去にふれたことで
思い出したことがあって
そうそう。俺はお好み焼きの息子に
なった時期がある
それまではそんな属性はなかったのに
高校に上がるころに突如
お好み焼き屋を始める母親
そこそこ繁盛していたと思うほど
料理は上手い人だから
兄弟は3人いて末の妹も年ごろで
自分の部屋がほしくなったとき
俺は部屋を追い出されてお好み焼き屋の2Fへ
困ったことと言えば
酔ったお客さんに話しかけられるから
この頃の俺はナイーブで
というか酒臭い親父たちが嫌いで
あの独特のノリが嫌でしかなかった
だから1Fのトイレには
営業中はなかなか行けず
牛乳パックにはお世話になった
まーそんな話ではなくて
更には地下の部屋もあり
防音工事も終わりカラオケが
設置されている
まだLDとかそういう時代だった
お店は営業時間が何時だったけ?と
思うほど酔いどれたちの宴は
真夜中に突然終わる
終わると小腹がすいている俺のこと
なんか残飯をあさりにいくと
カラオケはパーティーに近いから
結構な料理が残っている
それをつまみながら
元祖ヒトカラが始まる
高校とか大学とかカラオケ上手いねって
リズムはめちゃくちゃだけど
パワーボイス系だから迫力はある
それに練習量もある
ヒトカラをつづけた日々
この頃は思春期だし
女子に対するあこがれも凄いし
彼女がめちゃくちゃ欲しかった時期で
恋に恋するきゃらをだった
なんか、101回目のプロポーズとか
愛しているといってくれとか(豊悦)
なんなら「美女と野獣(アニメ)」とか
そういうのでも切ない!!と
大泣きするほどわいておりました
オツムがな!!
まープラトニックなわけですよ
意図したプラトニックではなくて
ただの本懐を遂げられないさくらんぼう
兎に角登り棒が有ればこすりつけたい錯乱坊
俺たち高校男子は夕陽に向かい走り出す
1人カラオケをしていると
歌い終わった曲と曲の合間に
ふふふ。俺は何してんだ(自嘲)
40代顔負けの感覚に陥ったり
かとおもえば、さだまさしというか
グレープの曲歌ってみたり
とにかくレパートリーは広い
そしてその曲の合間にそれは起こる
ガサ・・ゴソ・・・・
最初は気のせいだと思うが
走る音か?と思うような音さえする
背筋が凍る。
泥棒がいる!!
気のせいかとおもいカラオケを
続けているが
選曲はYAYAYAなどでけん制してみる
殴りに行こうかーーーー!!
殴りに行くぞー!!
BBCのナンバーも歌う
ロマンティックもとまらない
ただ、ガサゴソもとまらない
いよいよ覚悟の時が来る。
料理はパーティー的なので
鉄板にはいったままのものや
料理をわけるために
そこそこのナイフもある
フライパンを盾にナイフを剣に
少しずつ階段を上り始める
開けた一瞬が勝負だ
ためらわずにさせ、きゃらを
そう自分に言い聞かす。
命のやり取りが起こる時は
ためらった奴が死んでいく
デッドオアアライブ
明らかに誰かいる
ドアの前でもうそれは確信だった
ドアを勢いよく開ける。
誰だーーーーーーーーー!!
声を張り上げた。
それは間抜けな問いだ
誰ですと言われてもどうせ解らないのに
開けた瞬間ものすごい勢いで
逃げていく何か。
というかネズミだった
初めて見たネズミ。
これは東京都ではあるけども
地元は町田市の場合
お前は都会のネズミになるのか
田舎のネズミになるのか
町田は駅前こそ繁盛しているが
町田駅からバスで30分の我が地域は
カントリーマウスになるだろう
あーはん
田舎のネズミだな。
ちゅ~~と聞こえてきた
ちゅ~~~~じゃね!!!!
それはそれで怖かったけど
緊張からの安堵で多少の失禁はあった
気づいたら涙も出ていた
軽く書いているけど緊張感は半端なかった
軽いトラウマでもある
次の日からカラオケに残っている
料理には手をつけなくなった
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