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きゃらをの世界

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過去に書いたショートショートです。当時は1500円とか 結構イイ値段でだしました。 全部まとめました。
シュールな笑が欲しい人には向いているかと思います。
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2021年4月の記事一覧

バタバタママ

1970年の後半に 俺はディレクターに昇進した。 テレビ番組のディレクターだ といってもゴールデンタイムを飾る そんなディレクターではなくて 朝の子供向け番組のディレクターだ 他にもディレクターは何人かいるが 子供向けの番組は、子供たちが楽しめる そんな歌をつくったりもする。 伝説で言えばおよげ!たいやきくんは 伝説と言えるだろうな。 ディレクターとしての初めての仕事 それが2分程度の子供が喜ぶ 歌をつくることだった。 この時代は景気も前向きだから 予算も結構組んで

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速すぎた亀

まず俺が何故戦わねばならないのか そのことを教えて欲しかった。 戦いというものは望む望まないに関わらず 突然やってくるものだった 「お前ノロマだろう?」 いわれなき侮辱だが事実でもある。 だけどそれは種が違う カラスが空を飛べない猫を 馬鹿にするような話だ そう俺は亀であり、やつは兎だった。 同じ亀に言われるならば理解できる。 だが同じ亀には言われることはないだろう なぜなら亀の世界で言えば 俺はオリンピック選手クラスの快速だ 亀がオリンピックをするならば それは

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成仏タイム

俺は今怒っていた。 そして詰め寄っていた。 それは人・・と言うより霊体に対してである か細い感じで幸薄そうな女性の霊 その霊体に軽はずみな肝試しが祟り 憑り殺されてしまったわけだけども 生身な人間の時は怖いだけだった幽霊が 同じ霊体になることで恐怖が飛んだのだ そして何故俺は殺されねばならないのか そのことに対して怒っている。 「すみません」 『いや謝るのであれば殺さないで貰えます?』 クレーマーではあるけども 根拠はあるよね。 命をとられたら誰だって 最たるクレーマ

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スタジオきゃらを

きゃらをのnoteは時間経過とともに 大いに繁盛した ちゃりんちゃりんちゃりんと 投げ銭の音は止まらず 有料記事を書けば売れた。 カレーライスの領収書を出せば 購読してくれる人もいた。 彼は面白い話を書くだけではなく 写真とエッセイを融合して あざとく大地に寝そべったりして 少年を装い母性本能をくすぐるのもお手の物 さらにYOUTUBEから音楽を張る事で 演出効果をつくりだす。 まさにSNSの良い所を融合する 狡いやつだった。 そんなきゃらをを素敵だと思う人が増えた

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仇討ち

俺は今怒っていた 『お前の母親だろう!!』 「そうだけど・・・」 『そんなんでどうすんだよ!!』 男の子はだいたいマザコンだ まぁ大学に下宿してからは とっとと実家を離れたけども やっぱり父親よりも母親だ 生涯を寄り添うパートナーができ 思わぬ形で嫁姑問題は起こるとしても 母親というのは男の子にとっては 特別な存在であったりもする その母親が殺されたんだ 何故、復讐しようとしないのか? そう、彼は蟹で俺は栗だった。 『お前!母親が殺されたんだろう!  怒れよ!!復讐し

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カレー屋きゃらちゃん

俺は今店長に呼び出されていた。 「お前だろう?マヨネーズ入れたのは」 『はい』 「やはりか、何故そんな事をした?」 『美味しいからです。なんすか?』 そう俺は今カレー屋チェーン店「あそこ一番」で アルバイトをしている。 学生だから遊ぶお金も欲しかったが 俺は俺で好きなカレーがあった。 そうマヨネーズカレーだ 理想としては、カレー粉を一切使わない マヨネーズとライスで十分だと思う 「おまえは今日でクビだな」 『何故ですか?』 俺には理解できなかった。 チェーン店になるくら

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一休きゃらを

俺の名は一休きゃらを、トンチの利く坊主としてそこそこ知名度も上がり、将軍様に呼ばれることになったんだ。恐らくは何かしら俺のトンチを試そうと仕掛けてくるに違いない。まぁそういう人だから俺みたいななまくら坊主も陽の目を見る機会があるのかもしれないな。 「おまえが一休きゃらをか?」 『はい。』 「苦しゅうない。面を上げよ」 『はい。』 「良い面構えじゃな。早速だがなきゃら休」 チョロQみたいに言わないで欲しいが将軍様には逆らえない。さてさて、どんな謎かけが飛び出すかな?あの水墨

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美女と野獣ときゃらを

それまでは俺はお城の世話係として城より3キロ離れた場所で普通に暮らしていたんだ。小さな小屋があって、そこでベッドメイキングの仕事をしてたのだけど、結構奇麗にすると評判でお城の室内のベッドメイクも任されるようになってからは定期的にお城に通っていた。 まぁお抱えとまでは言えないまでも、王族のベッドメイクをするということで、そこそこ商売は上手くいっていた。その日もベッドメイクにでかけた王様の寝室を奇麗にした後に、客室のベッドメイクもした。 色んな人が泊まるのだけど、王に呼ばれて

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地蔵怒る

俺は寒村で暮らしている。この間、同じ村の娘を嫁に貰った。幼馴染でずっと俺の事を好きでいてくれたみたいだ。もちろん都会に行けばきっともっと素敵な男性はいるだろうに申し訳ない限りだ。 そして暮しも貧しいし、高地なので作物も良く育たない。商売っ気もなく手先も不器用な俺に対して、妻は良く尽くしてくれた。今年は特に酷い飢饉で正月の食材もほとんどない。だから俺は不器用ながらも笠を編み、村を降りて町に売りにでかけることにしたんだ。 不器用だけど一生懸命編み込んだ。貧しくても俺と一緒に居

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オオカミが来たけど早い

俺の名はきゃらを 物心がついたときから両親はいなかった 今、田舎の村で羊飼いをしている 将来の展望もないまま 無為に日々を過ごしていて 変らない日常に不意に飽きが来たんだ どちらかというと自棄な感情がある それでこの間、オオカミが来るぞーと 嘘をついたんだよね。 そうしたら、村の皆が慌てふためいて 本当面白かった。 だからまたやってやったんだ 慌てふためく様を見て また俺は楽しんだのだけど 今回は流石に2回目だから 悪戯では許されないということで 村の有力者の家に呼ば

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ハロウィンの夜に

俺の名はきゃらを15歳になる。 この時代は自分が石を投げた距離だけ 土地を与えられた。 その与えられた大地を自由に栽培し 生計を立てる。それが15歳になる男子は 元服して行われる だから俺達はずっと 幼少期は石投げをしていた 隣国との戦争があるとき 男たちは総出で戦うのだが 屈強な男をつくるために 王様が考えた政策だ 俺には友達がいたゴガーとヒタペンだ 3人でいつも石投げをしていたが 3年前からはヒタペンは 一緒に石投げはしなくなっていた それでも石投げ意外の時は 野を

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鶴ではない者の恩返し

お腹が空いた。極限状態に近い 何か食べ物をと思って鹿を追いかけていたら 何処か分からない森に迷いこんだ もうだめだな動けそうにない 目の前に鳥たちが泉で水浴びをしている あれは鶴かな?鶴って喰えるのかな 最後の力を振り絞って追いかけたが 人類でもフォルムのおかしな俺が 鳥類にかなうはずもなく 遂に力尽きて気絶した もはや、ここで終わるのか・・・・ しかし終わらなかった 気づけば俺はどこかの民家にいた そして起きて周りをぼんやり見渡すと 見知らぬ男性がいた 男性は凄く優

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占い師きゃらを

俺が暮らす街は港のある城下町だ 仕事は手相占いをしている もちろん師について勉強はして ある程度、手相の知識はつけたが 正直言ってしまえば 会話のキャッチボールで相手の心理を見抜き 時には相手の求めている優しい言葉をなげ 時には方向性を間違えてやれば叱ってやる 要するに手相をもとにした 人生相談に近いかもしれないな 多くの人の相談に乗りアドバイスすることで 当たり外れはあるものの精度が上がってきたので そこそこ評判だったりもする。 目もくらむような稼ぎはないものの 細々

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カバ雄ファミリー

俺は根無し草 旅に旅を続けてさすらっている 楽器こそ弾けないものの どこか吟遊詩人な自分酔いしれていた ここがどこかなんて気にしたことはないが なんだか距離感気にしなそうな カバに急に話しかけられた 「君はこの辺ではみない顔だねー  名前はなんていうんだい?」 『俺はきゃらをっていうんだよ  なんか腹減ったなぁ~  この辺で飯を食えるところないかな』 「いつもはお腹が空いた頃に頭を  ちぎって分けてくれる人がいるのだけど」 それは何?怖いことを言い出したか? 俺が迷い

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