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【歌詞書き起こし】 例えばヒロ、お前がそうだったように/竹原ピストル

日々の怒りも哀しみもやり切れない気持ちも
この歌がひとまず、全部、かき消してくれる。

どうでもいい話や暗いニュースに
飲み込まれないように気をつける。

言いたいことがあっても
マイナスなことは創作でプラスに変える

しかしそれは
ここで書く言葉がいつも“文章表現”だとしても
いまこの瞬間
言葉で"直接表現すること"じゃない。

今ここで書いて表現できるような
そういうことではない。

だから違う形でやるしかない。
創作として。
その為の「ストック」にするしかない。

ただひとまず今は
こうゆう時は
誰かの力を借りる。

例えば、歌の力を借りる。

そうしてやり過ごす。

これも含めて、こう言う時間も、「ストック」する。

今日載せる竹原ピストルさんの
歌のタイトル
「例えばヒロ、お前がそうだったように」のヒロさんは
竹原さんや他のミュージシャンの方達からも
親しまれ愛されたライブハウスの方で
尾崎世界観が書いた
クリープハイプの「リグレット」も
このヒロさんに贈られたとむらいの曲だそう。

この歌には現代を生きる
竹原さん自身も含めた人間たちへの
当時亡くなったヒロさんを通しての想いが
強く強く込められてる。

この歌に込められた言葉に
今日の僕がすぐには消化できない
いろんな想いが重なって
歌詞を書き起こす。

そうゆう時もある。


例えばヒロ、お前がそうだったように

作詞・作曲 竹原ピストル


例えばヒロ、お前がそうだったように

放って置いたら面白いくらい面白いことがない
放って置いたら悲しいぐらい悲しいことがない
陽の光は星の裏っかわからぬるっと現れて
諸々の影を線にして点にしてまた線にして
また星の裏っかわにぬるっと消えていく

これは日々なんかじゃない
ぐずぐずぐずついた瘡蓋かさぶただよ
根こそぎバールでひっぺがして俺が見たいのは鮮血だ
目がくらむほど真っ赤な真っ赤な鮮血だ

消し忘れたタバコの煙のような揺らついた眼差しの青年が
俺の視界をゆらゆらと横切っていく
睡眠薬たらふく食らって勝手にくたばりやがったヒロ
おめぇにそっくりで
あぶねぇあぶねぇ反射的に殴りそうになったよ

そぉいやこないだ
お前の親父から電話があったよ
出なかったけどな
めんどくせぇよバカやろう

街は眠らない
だからこっちが目を閉じるしかないんだ
街に静寂はない
だからこっちが耳を塞ぐしかないんだ
新しいものが生み出され
新しかったものが古くなり
古かったものが忘れ去られたとおもったら
くるんとバク転して
古かったものが今一度新しいとされたりして
挙げ句の果てには古かったものを
わざわざ新しく生み出し始めたりなんかして

これは時代なんかじゃない
ぐずぐずぐずついた瘡蓋かさぶただよ
根こそぎバールでひっぺがして俺が見たいのは鮮血だ
目がくらむほど真っ赤な真っ赤な鮮血だ

背筋と根性を直角にひん曲げてパソコンの画面を覗き込む
人の悪口を言って楽しんだり
人の悪口を言ってる人の悪口を言って楽しんだり
表面温度0℃ 湿度0%
ただひたすらにひたすらな記号の連続応酬雨あられ

世界のどこの誰とでも繋がっているようでいて
世界のどこの誰とも繋がっていない
収縮するも無限 膨張するも無限
輪郭が欠落した空間

良し悪しではないけれど そこへいくとヒロ
お前は拒食過食で時には極端に縮んだり
時には極端に膨らんだりしながらも
「ここしか居場所がないんです」
なんてクソみたいなセリフを"真顔で"垂れ流しながらも
"ライブハウス"というこの世で最も窮屈な空間の中で
ありとあらゆる輪郭りんかくにがんじがらめにされながらも
しかし、正真正銘の意味合いにおいて
世界のどこの誰とでも繋がっていこうとしてたのかもしんねぇよな

さておきお前
この世で最も この世で最も この世で最も
金髪が似合わなかったよなぁ

つづりようの無い切実を切実という
綴れる程度の切実は切実とは言わない
全ては"切実でしか"変えることはできない
だから例えば
歌で世界を変えることはできない
歌で人を変えることはできない

世界を変えることができるのは
世界が抱くつづりようの無い"切実"だけ

人を変えることができるのは
人が抱くつづりようの無い"切実"だけ

マスクをつけよう
風邪の予防のために 喉の保湿のために
何より自分が吐き出す言葉の胡散うさん臭さを
噛み締めるために

あぁ、臭えったらありゃしねぇ

これは歌なんかじゃない
ぐずぐずぐずついた瘡蓋かさぶただよ
根こそぎバールでひっぺがして俺が見たいのは鮮血だ
目がくらむほど真っ赤な真っ赤な鮮血だ

俺もやってみたいんですけど
あまってるギターありますか?って言ってきたお前と
やってみろよってあまってたギターをあげた俺
あの時の俺とお前以上に暇で愚かな人間っつったら
軽々しいことこの上なく
サークルのりでお祭り騒ぎ

例えば 原発賛成反対 云々間何うんぬんかんぬん
ケンケンガクガク わーわーキャーキャー
やってる奴らぐれぇのもんだろうな

悲しいかな 消えて無くなって欲しいやつっているな
俺も誰かにそう思われていることだろう
そこへいくとヒロ
お前はあくまで俺的にはギリッギリ
あくまで本当にギリッギリ
消えて無くなってほしくない
まぁ〜そうだな、友達だったぜ

お前のライブ 見てみたかったなぁ
最前列で野次ってやったのになぁ
お前のライブ 見てみたかったぁ
お前も歌うたいになればよかったのになぁ

持ち時間30分なら30分
1時間なら1時間 3時間なら3時間
それが歌うたいの寿命なんだ

わざわざ自ら
わざわざ永遠にくたばるまでもなく
毎日毎回くたばることができて
そして何より毎日毎回生まれ変わることができる
なんとも自分勝手で都合のいい存在なんだ

そぉいやお前にあげたギターを
サトシってやつが持ってったぞ
お前の連れだって言っていたけど
ほんとうか?
嘘なら呪い殺せ

放って置いたら面白いくらい面白いことがない
放って置いたら悲しいくらい悲しいことがない
陽の光は星の裏っかわからぬるっと現れて
諸々の影を線にして点にしてまた線にして
また星の裏っかわにぬるっと消えていく

これは日々なんかじゃない
ぐずぐずぐずついた瘡蓋かさぶただよ
根こそぎバールでひっぺがして俺が見たいのは鮮血だ
目がくらむほど真っ赤な真っ赤な鮮血だ

生きたいとか 死にたいとか
そんなことは時に
あくまで時に
どっちでもいいような気がするんだ

そんなことより
生きたいなら 生きたいなりに
死にたいなら 死にたいなりに

ちゃんと人間か
ちゃんと人間か
目が眩むほど
真っ赤に真っ赤に

ちゃんと人間か
ちゃんと人間か
ちゃんと人間か
ちゃんと人間か

例えばヒロ、お前がそうだったように



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