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難しいことはわかりませんが、無学なりに学んだ人的資本経営とは〜人材版伊藤レポート前編〜

※この文章は、誰かに向けてというわけでなく、単純に崇高でアカデミックなテーマに対して生理的拒否反応が出てしまう無学な自分が、難しいテーマに正面から向き合い、自身の理解を高める目的で書かれた文章になります。
 
こんにちわ、チームスピリットで大企業向けプロダクトTeamSpiritEXの事業企画を担当しKxxNxxTです。


前回、HR界隈に身を置くものとして避けては通れない「人的資本経営」の分厚い扉を開き、「人材版伊藤レポート」のエグゼクティブサマリー(相変わらず、この響きは最高だ)から、玄関に少しお邪魔するところまでを僕なりの稚拙な理解で整理をしました。
(玄関に上がるだけで、既に息が上がってます。。。)

今回は、その「人材版伊藤レポート」の核心について、理解を深めて行こうと思います。
(まるで、ゾルディック家の試しの門みたいだな。。。)

経営陣/取締役会/投資家が果たす役割?

エグゼクティブサマリー(はあと)を読み進めると、第2章でまたしても衝撃のキーワードが・・・

第2章 経営陣、取締役会、投資家が果たすべき役割 

出典:経済産業省 持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書 ~ 人材版伊藤レポート ~

人的資本「経営」だから「経営陣」が果たすべき役割であれば、理解はできるのだが、「取締役会」「投資家」にも何かを果たす責務があるのか?と「?」が浮かんだが、その中で整理がされていた内容について、僕なりの拙い解釈ではこのように理解した。


経営陣

  • なんのために事業をやっていて、その目的は何かを、もう一度見つめ直し、目標を決めた上で、それを実現するためにどういった戦略で事業運営をしていくのかをきちんと考えましょう

  • 戦略を推進していく上では、当然ながら経営資源たる「ヒト」が重要だけど、どういった人材を確保/育成していくべきなのか、をきちんと見定めて、「あるべき姿」を定性的ではなく定量的にKPIを設定して、今がどういう状態で、どんなギャップを埋める必要があるのか、ギャップに対するアクションによって得られた効果を、経営指標としてきちんと把握できろる状態にしていきましょう。 

  • CHROを決めて、、他の経営責任者(CxO)と連携しながら、経営レベルで人材に関する戦略をイニシアティブをとって推進してもらいましょう

  • 従業員には、今一度「企業として何を大事にし、何を目指しているのか」を、投資家には「人材戦略が経営戦略にどのように連動していて、目標に対してどのような進捗なのか」をCEOと一緒にCHROが発信と対話を通じて、理解を深めることをきちんとやりましょう。

取締役

  • 経営状況をしっかり「監督」するのが取締役の責務であるからこそ、経営戦略の中で語られる人材戦略についても、経営数宇と同じようにKPIをきちんとモニタリングして評価していきましょう。

  • 将来のリーダーになりうる幹部候補というのは、中長期的な企業の成長においてとっても重要なので、経営側が将来的なリーダーの確保/育成について適切に計画し、実行できているのかについてもしっかりとモニタリングしていきましょう。

  • 経営陣が発信する「企業理念」や「目指すべき姿」が従業員にしっかりと理解がされ「企業文化」として根付いているかについても、きちんと把握できるよう計測していきましょう。 

投資家

  • 中長期的に持続的な成長が可能な優位性やリスクを正しく把握した上で経営戦略が作られ、それらが実行できる体制になっているかをしっかり見定めていきましょう。

  • 特に、人材戦略については、投資家にとっても投資先の持続的成長や経営戦略において重要な要因だからこそ、投資家自身もリテラシーを高めていきましょう。

  • 人材戦略については、開示情報だけではその狙いや背景を読み取るのは難しいことから、CEO/CHROとの対話の中で確認していくとともに、投資家として関心があることを企業に対して伝えていきましょう。



一言でいうと、企業の持続的な成長における「経営戦略」にしっかり「人材戦略」が連動していくよう、「経営」はきちんとそれらが正しく実行されて評価可能な形で整備し、「取締役」がそれらを監視監督し、「投資家」は企業に対して対話を通じて確認していこう、ということかなと。
(全然一言ではないが)

これって、何気にどエライ大変なことなんじゃない?

労働集約型であれば、ある程度「ヒト」の量による掛け算で企業としての生産性は出せるので、「〇〇〇〇名程度の採用を目指す!」みたいな人材投資の掛け声っていうのはこれまでもよく聞こえてきた話。

ただ、そもそも「能力」による掛け算は一切考慮されていないと、その数字自体はあくまでも「現在」に対しての掛け算にしかならない。

これが恐らく今までの考え方。


しかし、人的資本経営は「未来」に対する、バックキャスティングでの考え方。


仮に、「5年後に今の社員数の10倍にします!」といったところで、今いる社員を単純に10倍したとて、今の事業モデルがそのまま5年後に通用するとは限らないわけです。
そうなると、「なんのために社員を10倍にしたのかよくわからなかった」という未来が待ち受けている可能性もあるわけです。


わかりやすくいうと、「モーレツ社員、24時間働けますか」で青天井に成長してきた日本企業も、いつの間にか天井にぶち当たっていたわけで、「そんな過去の成功体験にいつまでもすがってたらこの先通用しないぞ」とかなり強烈な冷や水をぶっかけ、企業と市場を焚き付けているのが「人材版伊藤レポート」なのではないかなと...

資本政策という意味で、財務やCFOと呼ばれる人たちが投資家と対話してきたのと同じように、いわゆる「人事部長/人事担当役員」的な方々が、これからは投資家に対して、「経営戦略」の文脈で「人事戦略」を説明していかなければいけない、ということわけです。
(言葉にしてみたものの、実際問題私もまったく、何をどのように説明していくのか、まったくイメージが湧きません。。。)

企業としての「あるべき姿」、それを実現するための経営戦略と人事戦略。
考えてみれば至極真っ当な話ではありますが、不確実性の高い現代だからこそ、そこを両輪で考えて実行し、正しく評価をしていくというのは「言うが易し」で、実際にはかなり難しいことなのでは。。。
※しつこいようですが、これはあくまでも自分に向けた文章です。 

みんな大好きなフレームワーク「3P/5Fモデル」

STPだ3C//4Pだ、AISASだSWOTだ、世の中の頭のいい人たちは、とにかくフレームワークが大好きだと思う。
(正直、自分も含めてこういったフレームワークを高度に使いこなせているのをあまりみたことがないが)

「人材版伊藤レポート」でも、出てきましたよフレームワークが。

「一体何から考えて、どうしていいのかわかなーい」という方にコチラをご紹介します。

と、深夜の通販番組の口上のように、わかりやすくポイントを整理してくれたのが、3P/5Fモデル(3つの視点と5つの共通要素)

出典:経済産業省 持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書 ~ 人材版伊藤レポート ~

 図だけみると、ちょっと頭がクラクラしそうだが、要するにこういうことらしい。


3P(3つの視点)

  • 経営戦略と人材戦略は連動しているか?

  • As-Is/To-Be(あるべき、と、現状)のギャップを定量化できているか

  • 人材戦略の実行が企業文化のレベルで定着できているか

5F(5つの要素)

  • 動的人材ポートフォリオが組まれているか

  • 知識と経験の多様性(ダイバーシティ)と内包(インクルージョン)が担保できているか

  • 新たなスキルの獲得や学習(リスキリング/学び直し)は提供できているか

  • 従業員エンゲージメントは高い状態にあるか

  • 時間や場所にとらわれない働き方ができる環境を提供できているか


要所要所で小難しそうなワードが散りばめられているが、要するにこれはチェックリストのようなもので、「人的資本経営」ってものを実践していく上で、これらの観点をきちんと押さえておきましょうね、って話かなと。

まあ、世に言うフレームワークっていうのも、論点や課題を抽象化/具体化するために事象を整理するためのツールのようなものでもあるかと思うので、難しく考えず「まずは、こっから押さえていけばいいんだよね?」ってことでよいかなと。

あらためて3P(3つの視点)のところを見ていくと、

  • 経営戦略と人材戦略は連動しているか?

  • As-Is/To-Be(あるべき、と、現状)のギャップを定量化できているか

  • 人材戦略の実行が企業文化のレベルで定着できているか

これ、先程の「経営陣」の役割にかかれていることと同じですね。
経営レベルでこの3つの視点が担保できているのかを、取締役や投資家が監理監督/対話とを通じて理解していくことだったかと思いますので、「人的資本経営」において、「経営戦略レベル」で押さえていく必要がある視点かと思います。(上位概念って理解)

そして、5F(5つの要素)については、より具体的な戦略の中身に関する要点(要素)という構成になっているかと思います。

5Fそれぞれの要素について、掘り下げて行こうと思いますが、今回はここまで(電池切れ

ここまででだいぶ足りていないおつむが煙をあげるような状況です。。。


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