見出し画像

『北極百貨店のコンシェルジュさん』が良かった。って話

(蛙๑╹ω╹ )原作を知っていた訳ではないのですが、なんか雰囲気が気になっていて、興味本位で観に行ってみたんですよね。


そしたらスゴい良くって。
noteでシェアすることにしました。

たぶん「大ヒットロングラン!!」てワケにはいかないと思うので(話題性的に)、早めに観に行く事をオススメする作品なんですが、特に、

「良いなあ」

と思った点が2つあって、

①原作の雰囲気を感じる作画
②主役が動物だからこその声優の演技の素晴らしさ

この2つ。
もちろん、ストーリーが良かったとか、tofubeatsの音楽が良かったとか、
「作品全体に感じる良作感」
があったんですが、それ以上に

ストーリーの優しさに寄り添った絵柄

と、

表情では感情を読み取り辛い動物たち(他のコンシェルジュ※人 も基本スマイル)だからこそ感じ取りやすい声優の演技力

というのがあったと思うんです。

①原作の雰囲気を感じる作画

原作絵は映画を観た後に初めて目を通しましたが、やはり、まんまとまでは言わないが、ヒトよりも動物や世界観重視の絵柄(個人の感想)は原作に準拠したものではないかと感じます。
人間の作画は映画の方がよりリアル寄りですが、動物たちの動きや表情、百貨店内の内装の細かさは原作とほぼ同じ。

特に世界観の面では舞台が「何でも揃う百貨店」ということなので、彩りと華やかさは映像では煌びやかに描かれています。

(蛙๑╹ω╹ )<陳列してあるバッグや靴や各種小物商品など、舞台装置の作画は大変だっただろうなあ

逆に、舞台がとてもキレイに整っているおかげで、キャラクターとストーリーを邪魔するノイズが無くてすごく作品としてスッキリしていました。

動物たちに関してはもちろんデフォルメされた「可愛い動物」だった訳ですが、例えばフクロウの頭部の動き(可動域)とか、ペンギンがお腹で滑る愛らしさとか、動物たちの「カワイイ!」が丁寧に描かれていて良かった。
ここはアニメーションだからこその利点ですよね。動きを愛らしく描くという。

総じて、現代日本で求められる「アニメの作画」をちゃんとクリアしていました。それも原作らしく。

(蛙๑╹ω╹ )<今の視聴者はココにだいぶん厳しいから、アニメーターさんは大変だと思う。


②主役が動物だからこその声優の演技の素晴らしさ

で、更に良かったのが声優さんたちの演技
これは虫圭が声優リスペクトが強いからという側面も強いのですが、主人公以外は表情の幅が狭いため、キャラクターの感情を観客に正しく伝えるためには声優の演技力が大きく求められる。そしてそれを120点でクリアしている。

と、感じました。
特に津田健次郎が最高だった。

ツダケンの声で優しく語りかけられたら泣いちゃうよ……。

津田さんだけじゃなく、寿美菜子、入野自由、潘めぐみ、花澤香菜、福山潤、など、主役級声優も良かったし、若手声優の中で「この人演技すごーい」と『推しの子』アニメで感じた大塚剛央(推しの子のアクア役)、元宝塚スターの七海ひろき、娘役花乃まりあ、などなど、色んな方向から分厚い声優を集めている。
主人公の秋乃を演じた川井田夏海もキャラクターにマッチしていて、ポカリスエットのようにすんなり耳に溶け込んでいた。
作中唯一の嫌な客を演じた氷上恭子も、本当に「あー……ガチの奴じゃん」と身に染みて思う演技で素晴らしかった。素晴らしく嫌な客だった。(まあでも昨今土下座させようとかする客って絶滅危惧種じゃないかな。てか絶滅しろ

ストーリーが駆け足で進んでいくように体感していたのだけれど、それを苦痛に感じなかったのは声優さん(と演出家)のおかげだったのかなーと思う。

前述した通り、「作品全体に感じる良作感」が基本的にあって、本作を「嫌い!」と思う人は少ないと思うが(退屈と思う人はいるかもしれない)、「この作品好き!」と映画を観て思った人は、だいぶん声優の演技にやられてるのではないかと思う。
※大前提として作品のメッセージ性、キャラクターごとのストーリーが根幹にある


さて、総評として、「大変好ましい映画だったので、ぜひ一度は観に行ってほしい」というのが虫圭の感想なのだけれど、

冒頭にも書いたように、

(蛙๑╹ω╹ )<「大ヒットロングラン!!」てワケにはいかないと思うので、早めに観に行く事をオススメする作品

です。
きっと、残念だけれどすぐ上映回数が減少してしまうと思う。
作品の良さがバズる前にその他の新作映画が公開されて埋もれてしまう可能性は高い。

人気作の『ガールズ&パンツァー』ですら興行収入が5億超えると良いな、という時代である。

200億超えるであろうONE PIECE劇場版のようなモンスター級は置いといて、アニメ映画では話題作にならない限り、三週目には1日一回の上映になるのが常である。

なので、早めに劇場に向かった方がよい。

『北極百貨店のコンシェルジュさん』

劇場で観ないには、惜しい映画だ。


この記事が参加している募集

アニメ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?