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「本を読むのが苦手」という人が勘違いしていること

齋藤孝『10分あれば書店に行きなさい』を読んでいます。

では喫茶店で、買ったばかりの本をどうさばくか。
まず重要なのは、最初のページから順番に読む発想を捨てること、そして1冊につき、せいぜい10~15分で終わらせること。
それには、気になる部分だけピックアップして読めばいいのである。
本を最初から読むのは、最後まで読み通すことが前提になる。
確かに無限に時間があるなら、それも可能かもしれない。
だが人生におけるあらゆることがそうであるように、途中で行き倒れるのが常だ。 (P.175)


最近、「本を読むのが苦手」という相談をたまに受けます。
話を聞いていて思うのは、読書が苦手な人の多くは、共通してある勘違い、思い込みをしているということです。

それは、「買った本は最初から最後まで、すべて読まねばならない」という思い込みです。

この思い込みがあると、読書は途端に苦しい作業になります。


まず大前提として、「1冊丸ごと、全ページに目を通す価値がある本」は、それほど多くはありません

私は月に20~30冊の本を買いますが、きちんと最初から最後まで通読する本は2~3冊程度です。その中でも、夢中になって読める"アタリ"本は1冊あればいい方、というのが体感です。

比較的たくさん本屋に行き、たくさん本を買う私でも、こんなものです。
世の中には「通読しなくてもいい本」、「質は高いが、今の自分にとって読む価値がない本」がたくさんあります。


ですから、読書が苦手な人が、たまたま選んだその1冊が、「通読に値する本」である可能性は、とんでもなく低いのです。

なのに、「読書が苦手な人」は、選んだその1冊に固執し、最初から最後まで読み切ろうとする。
案の定挫折し、「やっぱり自分は本を読むのが苦手なんだ」という思い込みを強める。

いやいやちょっと待ってください。
たまたま選んだその本が「通読に値しない本」だっただけで、あなたは「読書そのもの」が苦手なわけではありません。
その根底にあるのは、「本はすべて読むべきだ」という思い込みです。


そんな人にオススメしたいのが、今回取り上げた本にも書いてある、本をさばく、仕分けするという考え方です。

本を買ったらまず、目次や結論、気になる部分だけをピックアップして読んでみましょう。

そして、
①通読、熟読に値する本
②要所要所をピックアップして読めばいい本

の2種類に仕分けをするのです。

すべてのページに目を通すのは、「この本は①だ」と感じられるものだけでかまいません。

多くの本は②であり、要所要所だけを読めば十分です。
②の本をたくさん処理する中で、たまに①の本に出会うことができる、というイメージです。

時間は有限であり、希少財であり、一生のうちに読める本の数は限られています。ですから、自分が価値を感じられない本に延々と向き合い続ける必要はありません。

「読書が苦手」だと感じてしまっている方は、ぜひ「すべての本を通読する必要はない」「本を仕分ける」という発想を持ってみてほしいと思います。それだけで、読書はより気楽で、楽しいものになるはずです。

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