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ナポリを見ずに、帰るソレントへ


↓前回はローマでタイムスリップしたお話↓



(2/7 12日目)

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 一回目のローマの最終日。実はホテルに一番近い有名な教会に行ってなかったので朝食前に行くことにした。少し迷子になり、遠回りしたがその途中でマセラティのショールームを拝めた。サンタマリアデッラヴィットーリオ教会も有名な教会だが、朝は通勤のついでに参拝していると思われるスーツ姿のビジネスマンが数人いた。ここまで宗教が日常に溶け込んでいるとは。朝食の時間まで少しあったので駅でナポリまでの指定席券を購入し、ホテルに戻った。この日もホテルの最寄り駅は閉まっていた。朝食を食べてパッキンしてチェックアウト。なお、このホテルにコートを忘れるがこの時は気づいていない。電車に乗り、ナポリへ向かった。

【ナポリはイタリア南部の都市。歴史はもちろん、景観と料理は有名である。特にピッツァ。「ナポリを見て死ね」という言葉があるが、治安が悪くマフィアがいるとかいないとか。】
 

 恐らく、今回一の旅行で番治安の悪い場所なので緊張感が半端ない。ミラノも治安はよくなかったが軽犯罪というか、気を付けられるレベルだった。しかし、マフィアは気を付けてどうにかなるものとは思えない。違うベクトルの怖さにちびり倒した。ナポリ駅に着くと、いかにも地中海という雰囲気。渇いた空気と強い日差し。サングラスをかけて歩いた。出口に向かうと検札のゲートがない。この時点でアウトが確定した。他の都市の駅構内に当たり前にいた警察や軍隊は全くいない。駅を出る前から半分死を覚悟した。クロークにスーツケースを預け、とりあえず丘に行きたいと思い地下鉄を使おうと思ったが、駅を探している間に大通りに出てしまったのでマップを頼りに徒歩で行くことにしたがこれが大誤算。少し駅から離れると薄汚い街と第六感で感じる異様な空気。イエローモンキーは私だけなので異常に目立つ。痛いほど視線が突き刺さる。バックを前に抱え、ほぼ競歩の速さで歩いた。歩くのすら嫌になってきたが、途中に有名な教会の看板を発見できたのでそっちに逃げた。その教会の通りはすごく安全だった。通り一つ違うだけでここまで違うのか。恐らく今まで観光客が歩く道ではない道を歩いていた。入った教会の名はサンタマリアアッスンア大聖堂。名前は知らなかったが入ってみると美しいの極みだった。日差しで眩しいほど輝くステンドグラスは感動しかない。飽きていた教会巡りだったがここは本当に見入ってしまうほど美しかった。この教会のステンドグラスは一生忘れられない景色となった。

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教会を出て、観光客の多い通りを歩いた。狭い路地にピッツェリアや教会がたくさんあった。しかしながら、キョロキョロしながら歩くのも不安だったのでとりあえず教会に入った。なぜなら教会の中なら安全にマップを見られるから。とりあえず徒歩の移動は諦めて地下鉄に乗るために駅を目指した。駅に着いて、券売機で買おうとしたがお金が入らない。仕方なく窓口で購入。乗り換えの駅に着き、標識に従っていくと見おぼえのある国鉄のマーク。間違えたと思って引き返したがほかにそれっぽいものがない。

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パニックになったのでとりあえず外に出た。治安の悪さとわけわからない地下鉄が嫌になって歩いて駅に戻ることにしたが、どうせならと思い海沿いを歩くために、再び券を買って港の駅に行った。地上に出るとヌーヴォ城があったが、大々的に工事していたので冷めた。肝心の海も見えず、大通りを歩いて帰った。歩くこと1時間、駅に到着。もうなにもしたくないほど疲れていた。というかナポリという街が嫌いになっていた。喉も乾いたし、ピッツァどころか食べ物を食べていないのでイライラしていた。そんなことを思っていたらピッツェリアがあったので迷わずに入った。マルゲリータとビールを注文。ナポリはマルゲリータの値段が統一されているらしい。確か€4.5だった。10分ほどでピッツァが来た。想像以上にでかい。初めてナイフとフォークでピッツァを食べた。

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味は文句なし。いい意味で値段に見合っていない。喉が渇いていたこともあってビールが身に染みた。ナポリは大嫌いだがこのピッツァは大好きだ。こうしてナポリが嫌いになった私はナポリを見ることなく死ぬのだろう。それならそれでいいや。それくらい嫌いだ。ほろ酔いで駅に向かい、ヴェスピオス周遊鉄道のホームに行った。今日泊まるソレントへは国鉄は通ってない。チケットを購入し、まあまあ汚い電車に乗った。この電車はヴェスピオス火山を回る経路だ。夕方だったこともあり、車窓から見える夕日をバックにした地中海は映画のワンシーンのようだった。近くに座った子供とニコニコして遊んでいたら到着した。

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【ソレントはイタリア南部、ソレント半島にある街。大きくはないが、リゾート地として有名であるだけでなく、カプリ島やアマルフィへの観光基地としても有名。「帰れソレントへ」のソレントである。】

 ソレント駅はとても小さかった。いい感じのサンセットの時間で早くチェックインして写真を撮りたいと思っていたので急いでホテルへ向かった。しかし、着いたが入り口がわからない。どうやらインターフォンを押せばいいらしいので押した。すると、電話につながりチェックインしたいと伝えると10分待ってと言われた。仕方ないので待つことにした。仕方ないので人間観察をしながら待った。すると、バイクのおじさんが横にいた車の運転席の窓を叩いた。どうやら知り合いらしい。驚いたのはそのまま話始めたこと。後続車がいてもお構いなし。ほのぼのしていていいなと思った。20分後にオーナーらしい人が挨拶してきた。どうやら別の場所に住んでいるらしい。なんとか中に入りチェックインしようとしたが、アドレスが違ったらしい。それが原因でよくわからないことになったが何とかなった。これで写真を撮り行けると思ったらご丁寧に部屋の説明をしてくれるようだ。一緒に部屋に入ると一人ではもったいないくらい広い部屋だった。ぶっちゃけ今回の旅行で一番いい部屋だった。部屋にはテラスや冷蔵庫、果物、サービスドリンクまで付いていた。一通り説明してもらい急いで海岸へ向かった。ご丁寧な説明が終わったころには日没寸前だった。海岸へはとんでもない数の階段を下っていった。着いた頃には沈みかけていたがまさに絶景だった。今までみたサンセットの中で一番美しかった。ここからは地獄のようなナポリの夜景が美しく見えた。

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 その後、ソレントの繁華街を歩いた。とりあえずジェラートを食べた。

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 本場は違うなあと言いたいところだが、特に違いはなかった。レストランに行こうか迷ったが高かったのでスーパーを探すが見つからない。諦めてビールだけ買おうと思いtobaccoに入るとすぐに何がほしいか聞かれた。値段を見たかったが仕方ないのでビールとだけ答えて€2払って購入。店を出て30秒ほど歩くとスーパー発見。なんという視野の狭さ。ビールを一気飲みして入店した。ここで夕食のパンとハムとビールを購入し、部屋に戻った。ベランダから空を見るとなかなかの星が見えた。夕日と星空と自然の美しい景色を見ることができた。なんて素晴らしい場所なのだ。優越感に浸っていたらコートがないことに気づいた。ナポリでは暖かかったので存在感が皆無だった。どこに忘れたか見当もつかなかったのでフィレンツェとローマのホテルにメールをして寝た。

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