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【満員御礼】自分たちが暮らす街に「落語」で笑える時間を

自分たちが暮らす街で、落語を一緒に楽しめる時間を ――――

ちょうど一ヶ月前にそんな思いで書いたnoteが、私の記事のなかでは多くの方に読んでいただく機会を得ました。

私は栃木県の那須・黒磯エリアに1年前に移住しました。仕事ではインタビューにまつわるお仕事を広げていきたいと活動しています。

那須に越してきて妻とよく話していたのが「生で落語を聞ける場所がなかなかないね」ということ。東京と比べてしまうと、それは当たり前なのですが、地方で落語に触れられる(特に若い人たちも触れることができる)機会は限定的です。大げさに言ってしまえば、ほぼないという感覚です。

そこで、ないなら自分たちでつくろうと有志のメンバー4名で「黒磯落語会」なるものを発足させ、落語会を企画し、その経緯を書いたのが先のnoteでした。

お越しいただくのは真打・柳家緑也さん、そして二ツ目・柳家緑太さんのお二人。柳家緑也さんは、16歳で柳家花緑の門をたたき、「落語界初の平成生まれの噺家」として注目を浴びながら修行されていた方。私と同い年の90年生まれ(ちなみに出身も同じ愛知県!)。

会場は、駅前の「那須塩原市図書館みるる」が貸してくださいました。会場だけではなく、企画を共催として全面サポートしていただき感謝しかありません。

そんなこんなで準備を進めてきた落語会。
その本番が昨日の6月5日、無事開催されました

まさかのスタート⇒満席御礼

イベントの告知解禁はGWの真っただ中に行いました。
ポスターをつくったり、もともと私が書店員だった経歴から選書フェアを図書館で企画展示させていただいたり。



いま思うとGWということで、図書館に来ている地元の方が少なかったのでしょう。実は最初の3日間はお申込み0という結果に・・・
流石にこのときは血の気が引きましたw。

イベントの費用の多くは自分たちの持ち出しですし、なにより落語が街に求められていないとしたら、我々の存在意義がなくなってしまいます。でも「そんなはずあるかー!」「落語はきっと求められているはず」と信じて、それからも地道な広報活動をつづけた結果、昨日は50席を予定していた会場を増席して【63名の満員御礼】となりました。

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うれしかったこと①:いろんな年代の人が集まった

蓋をあけてみると、老若男女いろんな方々にお越しいただきました。小学生の子どもたちも6名ほど来てくれました。20代の方もたくさんいました。もともと、若い人たちが落語に触れる場所をつくりたいというのが1つの動機でもあったので、これはとてもとてもうれしいことでした。

帰り際に小学生の女の子2人組が「楽しかったー!」「次もまた来たいです!」と無邪気な表情で言ってくれたときは、準備と当日の運営で蓄積した「全疲れ」が吹っ飛びました(ぴったし全部です)。そして彼女らは「寿限無、寿限無…」と呟きながら帰っていきました。落語は、こうやってまだまだ続いていくのだと、肌で感じた瞬間でもありました。

うれしかったこと②:昔からの友人や最近できたお友達がわざわざ来てくれた

東京で働いていたときの同僚や大学院時代の友人が、わざわざ他県からこの日のために来てくれたり、那須でできたお友達や知人の方々が来てくれたり、そういったこともうれしかったことの一つでした。

私の中では勝手にアベンジャーズのようなわくわく感がありましたw。あの人とあの人が隣に座ってる!(お互いは知らない人同士)みたいな。

落語というものを一つのキーとして、人が集まる。そして、一緒に頭をからっぽにして笑う。それができたらいいなと企画の初期段階で思っていました。その意味では、昨日は大成功と言いたいです。

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うれしかったこと③:一人のお客さんとして

そして3つ目が、自分たちも一人のお客さんとして落語を楽しめたことです。やっぱり生で聞くと全然違うんです。声の響き、表情、そのありありとしたさま。会場の空気が変わっていく様はまるで生き物です。やはり、落語とビールは生に限ります。

ないものは、小さくてもつくっちゃう。
自分たちでつくって、自分たち「も」楽しむ。


企画する人が歯を食いしばって、楽しめない企画は、最終的には続いていかないので、この自分たち「も」というのは、けっこう大事な気がします。

なにより、「つづいていく」ことがうれしい

昨日の場で噺家のお二人とみるるさんとお話して、第2回の開催が早くも決定しました。次回は8月30日を予定。平日の夜の図書館で、夏なので怪談話もいいよね、なんて話で盛り上がりました。

さきほどの小学生の女の子2人組にそれを伝えると「怪談話、好き!行きたいー!」という子と「わたし、怖いのやだー」という子で意見は真っ二つ。でも2人とも「また来たい」と言ってくれたことが、「つづき」を予感させます。どこかでまた会えるはず。

そんなふうに小さくても、ゆるやかでも「つづいていく」ことがうれしい1日でした。本当にいろんな人に感謝です。

最後になりますが、季節が変わるタイミングで、同じ噺家さんが来て、日常から離れて頭を空にして、みんなで落語を聞いて一緒に笑える街って、なんかいいなぁと思うのです。

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(落語会は)つづく


22/06/06

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